情報量が…情報量が多い…! ヘリオポリスの太陽神殿跡の発掘で出てくる各時代のファラオたち

ヘリオポリスとは、ギリシャ神話の太陽の神ヘリオスの名にちなんで名前のつけられた町。太陽神ラーを祀っていたことからギリシャ人がそう呼んだ。
現代の首都カイロでは、この地名をもつ場所は国際飛行場のあたりなのだが、実はそこはただの高級住宅街で古代のヘリオポリスと範囲が微妙に違っている。実際に古代の都と太陽神の神殿があったのは、もうちょっと北のマタリーヤ(Matariya)地区である。

で、太陽神ラーは長い年代を通して重要な神であり続けたので歴代ファラオたちが神殿に色んなものを寄進していて、掘れば時代を越えた遺物が出てくるのだが、おまりに多すぎて何がなんだかよくわからなくなってきたので、関係するファラオと時代を、とりあえずいくつか拾ってみることにした。



●最近の発掘
https://english.ahram.org.eg/News/438153.aspx

ナクタネボ1世の神殿から装飾されたブロックが発見されている。
また、オソルコン1世、プサメティク2世の時代の、シュウ神・テフネト女神の神殿も出てきている。
遺物が発見されている王の名前と時代は以下。中王国時代のものも発見されているようだが王名が記載されていなかった。

トトメス3世 → 第十八王朝(新王国時代)

ラメセス2世  → 第十九王朝(新王国時代)
メルエンプタハ

オソルコン1世 → 第二十一王朝(第三中間期)

アプリエス → 第二十六王朝(末期王朝時代)
プサメティク2世

ネクタネボ1世 → 第三十王朝(末期王朝時代)


●2019年の発見
https://dailynewsegypt.com/2019/12/05/several-royal-belongings-unearthed-in-matariya/
https://luxortimes.com/2018/04/german-egyptian-team-discovers-thousands-of-fragments-in-old-heliopolis/

セティ2世 → 第十九王朝(新王国時代)
ラメセス2世

ネクタネボ1世 → 第三十王朝(末期王朝時代)



●2018年の発見
https://english.ahram.org.eg/NewsContent/9/40/315851/Heritage/Ancient-Egypt/New-archaeological-discoveries-in-Matariya,-Heliop.aspx

王名の記載なし。
発見物の時代は以下の時代。

第十二王朝

第二十王朝

第三中間期のいずれか


●その他代表的な遺物

センウセルト2世のオベリスク → 第十二王朝(中王国時代)

第六王朝の神官居住地


おそらく第四王朝の頃、対岸のピラミッド建ててた時代には既に太陽信仰の中心地として栄えていたはずで、古い時代の遺跡は上書きされていくので残りが悪い、と考えると、古王国時代からプトレマイオス朝手前くらいまでの遺跡は余裕で発見されているんだな…ということが分かる。
ちなみにこの町は、旧約聖書に登場する「オンの町」でもあり、ユダヤ人にも有名だったことになる。

少なく見積もっても二千五百年くらいは太陽神の本拠地として信仰され続けた聖都なわけで、そう考えると、あの市街地の下にはとてつもない歴史が積み重なっていると言えるだろう。
…市街地なんだけどね。たぶん、ビルの下とか普通に数千年前の遺物埋もれてるよねエジプトだしね…。