キリスト教はいかにしてユダヤ教から分離したか。「キリスト教の幼年期」

歴史書でも宗教学でもなく、微妙に中途半端だったのと、本一冊ぶんあるわりに抜粋したら内容はそんなに濃くないな…という感じ。 でもまあ、たぶん好きな人は好きかも。ざっくり言うと、キリスト教が母体となるユダヤ教集団から独立して、「キリスト教」という別の宗教団体として成立するまでの約100年を詳細に書いた本である。 キリスト教の幼年期 …

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火山が噴火してもピラミッドは作る。エルサルバドルのマヤ人の物語

つい先日読んだ本では、メキシコのポポカテペトル火山の噴火後に人が戻るまでかなりの時間がかかった、という事例が出ていた。 ポポカテペトル火山と人口移動の理論。火山噴火はやっぱ怖いよね… https://55096962.at.webry.info/202106/article_13.html しかし今回の研究では、火山が噴火…

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「神の怒りに触れて滅ぼされた町」は隕石の爆発によって滅びたのでは? →その研究ちょっと怪しいです。

なんかね、このテの研究が出てきたら、まず眉にツバ塗ってから大元の論文を見に行くのオススメします。 旧約聖書の内容はすべて史実に基づくはず、という思想があり、記述に沿って証拠を並べる考古学者が一定数いるから。今回のもまさにソレですね…。 「天の火」で滅亡した都市ソドムか? 中東の遺跡に隕石爆発の痕跡 https://news.y…

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英語圏、何故かギザのピラミッドを「古い」の指標に使いたがる

日本では、広さの基準として何故か東京ドームが使われることが多い。「東京ドーム●個分」とか。いや行ったことないし…わかんねぇ…。 たぶん漠然と「広い」という意味で使ってるんだろうな、とは思っている。 そんな感じで、英語圏ではしょっちゅう出てくる表現が「ギザのピラミッドより古い」もしくは「ピラミッドより高い/大きい」。 特に遺跡や…

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歴史要素が重すぎる。「ロシア正教の千年」

元々のタイトルには「聖と俗のはざまで」という副題がついていたらしい。 ロシア正教会が、時代ごとにいかに政治と結びついてきたか、あるいは弾圧され、あるいは方向転換してきたか、という話である。 ロシア正教は、その名の通り正教系、東方教会に属するキリスト教の宗派であり、ギリシャ正教やコプト教などと同じ系統になる。なので、ローマではなく…

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ラメセス2世と「ライオンの谷」、ワディ・エッ・セブア

そういや「ライオンの谷」とかいう超カッコいい名前の遺跡あったよな…って調べ直したのでメモ。 というか、元々ラメセス2世が作らせた神殿なんだけど、5世紀にキリスト教の教会として転用されてしまったので、エジプトの古い教会リストに入ってて、「???!! あっ…一応、教会でもあったんだっけ…」ってなったので。 ●建造時代 …

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エジプトより上流地域のキリスト教圏にある「聖母マリア」伝説、もしかして一部はイシスかもしれない。

以前エチオピアに行った時、タナ湖に浮かぶ島の教会で「聖家族はエジプトだけじゃなく、実はここまで逃げてきていたんだよ」という話を現地の人がしていた。そういう伝承があるらしい。 聖家族がヘロデ王に追われてエジプトまで行った話も、辿った道筋がエジプトの古来からの聖地を巡っていることから、実は古代の信仰と新しい宗教であるキリスト教の折り合…

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古代エジプトの医療パピルス一覧めも

医療パピルスといえばエーベルス・パピルスとか有名だけど、他にも実はあるんだよね。 いつかまとめようと思ってたら丁度いいジャーナルが落ちていたのでそこから翻訳して置いておくよ。 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1319562X21005027#b0730 …

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「植物」展に行ってみた。植物学者の愛が詰まりすぎている…

そろそろ感染者も減ってきたし、会期も終わりかけなので、思い切って「植物」展に行ってみた! 上野でやってるコレね。 https://plants.exhibit.jp/ オオコンニャクのくさい匂い体験やってみたかったので。めちゃ臭かった。臭いからって花を伐られて絶滅しかかった理由もわかるぜ。そりゃ伐るわ。 …

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本物のエスカルゴ、フランスでは絶滅危惧種だった…食べられるのは何と日本?!

ウニの本を読んだあと、「人間ってヘンなもん食いたがるよなーそう言えばエスカルゴとかもよく食うよな…」ってちょっと調べていたら、「エスカルゴ農場」なるものがあるらしく、ほう…となった。 そして、そもそも本物のエスカルゴは食べすぎて絶滅寸前、現在フランスで食べられているのは代用種なんだとか。ナ、ナンダッテー!! 世界で初めてエスカ…

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ウニの全てが分かりすぎる。「ウニ学」

タイトルからしてネタくさい、と思いきや初っ端からブーストかまして「貴様にウニの全てをわからせてやる!!」みたいな本である。 専門書と見せかけて一般向けでもあり、パラリとめくるといきなり濃厚なQ&Aが始まる。本の各章のサマリーがついているのである。答えは教えてやる、だが詳しく知りたければ後ろの章を読め。という作り。まんまとハマってそのま…

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コプト教のお正月は9/11だけど、古代エジプトのお正月は9月じゃない。という話

コプト教のお正月(ノウルーズ)は9/11である。 古代エジプト暦を受け継いでいる、と説明されることもあるので誤解している人もいるかもしれないのでちょっと説明しておきたい。 コプト暦は、正確には「古代エジプト暦を元に3世紀に設定されたもの」なので、みんなが想像する、ツタンカーメンなどの生きていた時代のいわゆる「古代エジプト」の暦で…

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イルカは本当に右利きなのか? そもそも研究の前提から定義を間違えてた可能性も。

最近読んだ話で面白かった話。「イルカにも右利きが多い」という話はインターネット上でググればイヤというほど出てくるが、実は、これは現在では、研究し直さないと結論は出せない話になっている。そもそも「何をもって右ききとするか」の前提が間違えてた可能性があるからだ。 わかりやすく言うと、人間は直立歩行しているが、イルカは腹ばいの状態で生活…

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古代エジプトは地理的に防衛がわりとeasyだという話。

某文明を作るゲーで、ちょっと栄えてきたらすーぐ蛮族攻めてくる! 文化投資に回す金がねぇ! ってキレてる時に気が付きました。 …周囲が平野だと、街を広げやすいけど防衛不利だな? いや、当たり前なんだけど、都市の背後が崖とか、目の前に川があるとかいう地理って、実は天然の防御壁みたいなもんだから、防衛費がケチれるんだな?? てい…

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「最古の酒」を巡る研究の疑問。発酵工程がどうなってるかは省いてはいけないのでは…。

最近ちょこちょこ探していた「古代の酒」に関する論文、世界最古の酒を見つけました! と1万年くらい前の年代をぶちあげてくるものがが何か怪しいなぁと思いながら見ていた。 いや、農耕が開始されている時期で、それなりに人口規模のある地域でなら、酒造りが始まっていてもおかしくないとは思うんだ。 ただ、「酒造りの証拠」として挙げているものが…

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冒険は、お好きですか? 「世界最果ての島」が新たに発見される

世界地図は日々書き変わってゆくものだ。 たとえば日本では、最近になって島が増えた。島が増える場合は、未知のものが発見されるというよりは、火山活動や、北極海の氷の融解によって隠れていた陸地が出現するというケースが一般的。今回の発見もその一つ。 Scientists Discover What May Be the World’s …

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人類、アフリカを出たり入ったり。アラビア半島の砂漠から数々の証拠が見つかる

ホモ・サピエンスの「出アフリカ」は、一昔前まで一回か二回と考えられ、「なぜそのような特異な状況が起きたのか」と論じられてきた。 しかし最近の研究では、「実は何回も出たり入ったりしていた。我々はその中でも最も遠くまで出かけた人々の子孫に過ぎない」という感じになってきている。 どうやら、気候条件がいい時には遠くまで出かけ、悪くなると別の…

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絶滅動物を復活させるなら、ロッキートビバッタを復活させてくれよ。

絶滅動物を復活させたい、という意見、または復活させよう、という運動についてはよく見かける。 代表例としては日本のトキ。国内のものが絶滅して中国から連れてきて日本で繁殖させている。またヨーロッパでは、いちど絶滅したオオカミの再導入を行っている。またザンビアのリウワ平原では、ライオンが一頭を残して絶滅してしまったので他の地域から連れてきて…

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ヒッタイト帝国はなぜ滅びたか。もしかして、移民が多すぎたんじゃ…

ヒッタイト帝国がなぜ滅びたか、については諸説あるが、はっきりしていない。 「海の民」に滅ぼされたとするのももう一昔前の話で、多少の難民が襲ってきたくらいで大帝国が滅びるわけが無いだろ、というのが常識となっている。帝国が消滅する前、内政のゴタゴタや天災による飢饉などが重なっていたようだから、政情不安だったところにトドメを刺したのが「…

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インドネシアで見つかった古代の女性の骨から、デニソワ人との混血の証拠が追加される

分析されたのは7,200年前の人骨。少し前までは、インドネシアあたりの熱帯の気候だとDNAが分解されてしまうので分析が難しい、という話だったんだけど、今はもうそれも出来るようになっちゃったのかーという感じ。科学技術は日進月歩…。 7,200-Year-Old Human DNA With Unique Denisovan Ance…

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旅行の出来ないこのご時世だから…時代は「地球脱出」!

旅行業界が冷え込んでいるこのご時世、旅行本の出版社もあれこれと戦略を練ってくるようになりました。 中でもぶっ飛んでるなと思ったのがこちら、「るるぶ宇宙」! 時代は宇宙だ! 大富豪が実際に宇宙にいったりし始めてる今のご時世には相応しい着眼点…やるじゃないか。 るるぶ宇宙 (JTBのMOOK) - 林 公代 本屋さんでプッシ…

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植物たちの生存戦略、5億年の歴史。「植物たちの戦争」

何となく手にとってなんとなく読んでみたらめっちゃ内容が濃くて壮大な話だった。 動物同様に、植物たちも様々な病原菌と戦い、日々を生き抜いている、という話である。 植物たちの戦争 病原体との5億年サバイバルレース (ブルーバックス) - 日本植物病理学会, 日本植物病理学会 植物も病気になることは、園芸や農業をしている人にはお…

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嘘でしょ… 古代エジプトの冥界神アヌビス、クジラの名前にされる

エジプトの砂漠は、かつて海の底だった。 そのため太古の海洋生物の化石が見つかることがよくあるのだが、今回は中部のファイユーム地方で四本足のクジラが見つかったのだという。クジラの仲間が海に戻る途中の形態らしい。 4本足の新種クジラの化石、エジプトで発見 https://www.bbc.com/japanese/58352258 …

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[逆じゃねーか]古代オリエント世界でのエジプトの浮き具合

エジプトとヒッタイトの地図を見比べていて、ちょっとしたことに気づいてしまった。 どちらも「上の国」と「下の国」という言い方があるのに、その位置関係が真逆。 どういうことなのかを地図で出してみると… ★エジプトの場合 ナイル川が方位の基準になっていて、川の上流(=南)が「上の国」、川の下流(=北)が「下の国」。 …

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イギリスさん、ストーンヘンジ近くを通る道路を巡る訴訟と今後の展望。

去年、ストーンヘンジの近くに地下を通す道路を建設するというニュースが流れていた。 英ストーンヘンジ付近にトンネル建設 政府が承認、来年着工へ https://www.afpbb.com/articles/-/3316218 ストーンヘンジに地下トンネル計画、英政府が承認、賛否両論 https://natgeo.nikke…

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文書破棄も楽ではない。粘土板文書時代の書庫整理にはショベルを用意して

アフガニスタンがわちゃわちゃになり、各国大使館員が取るものもとりあえず退避するに当たり機密文書の処理をしている話を見て、ふと思ったことがある。 紙の文書なら燃やせば処分は可能である。完全に灰にしてしまえば、復元もできなくなる。  ――しかし、粘土板文書はどうなるのか。 古代メソポタミア周辺で多く使われた、あの筆記具…そもそ…

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アサシンクリード・オリジンズ、ディスカバリーツアーで行くべきところ5選: 現存しないところへ行こう!

古代エジプトを舞台にしたオープンワールド・アクションゲーム、「アサシンクリード・オリジンズ」。 その戦闘なしVerとして、風景だけ楽しんでいけるディスカバリーツアーというパッケージが売られていて、動画配信などで冒険してる人もいる。パッケージの中の解説プログラムに沿って旅をするだけでも十分に世界観は味わえると思うのだが、元々はストーリー…

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西アジア世界の青銅武器の変遷を軽くおさらいしてみた

蛮族は! 武器が好き!!(バーン 通信講座で青銅製武器の変遷とか履修してきたので、その確認として。 エジプト以外のメソポタミア周辺の西アジア地域の傾向として、青銅製武器の形状が、こんなかんじで変化していくという。 ・青銅製の剣 紀元前2,000年ごろに有茎式からソケット式に形が変更される ・斧(主にイラン/それ以外の地…

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