二千年前の絵師のお仕事~ミイラ・ポートレートの絵師と素材とは。

あまりに大量にありすぎて見慣れているけれど、実はあまり研究されてこなかったというミイラ・ポートレート。 古代エジプト末期(正確にはローマ属領時代)に作られた、ミイラの顔の部分にはめこむ、死者の生前の似顔絵である。 西洋美術と古代エジプトの伝統美術の中間にあるようなこの似顔絵は、専門がどっちに入るのかもよく分からず、あまり専門家も…

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【小ネタ】書記の座像はシステムエンジニアの日常に似ている。

これが古代エジプトの書記 そしてこれがサーバ室の床に座って機器の設定をしているシステム屋 この違和感のなさよ いやここしばらく忙しくてずっと2枚目の状態で朝から晩まで作業してたんですけど。 ふと気が付いて「これは…もしや古代エジプト的スタイル…?!(トゥンク)」みたいになったんですよね。 ※キツくなっ…

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砂漠の交易都市都市ペトラ、その建築技術の一端

ナショジオが最近、本誌でも番組でもペトラ推してきててちょっと行きたいなぁ…みたいな。しかし世界はまだ自由に旅行など出来る状態ではないのだった。そしてペトラ近辺は 冬は雨季で鉄砲水の危険があり、夏はしぬほど熱い ので春か秋に行かないとキツそう。よくこんな場所に街が出来たな?? と思う。 https://natgeotv.jp/tv/li…

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人類の出アフリカ説、ここ最近の発見の全部入りになる

人類はいつアフリカを出て、いつごろ世界に広まったのか。ここ5年くらいの間に色んな新たな説が山盛り出て来て、あっこれもうめちゃくちゃやん? どうすんの? って思ってたけど、…ご安心ください、一つにまとまりました!  全部入りで一つに そう…全部…入りで… こうなりました… https://natgeo.nikkei…

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沙漠はどのように国土となってゆくのか。「現代エジプトの沙漠開発」

エジプトは、国土の90%ほどが居住に適さない砂漠(正確には「水が少ない」ので沙漠)だ。ほとんどの人口はナイル川沿いの土地に暮らしている。しかしエジプトはアフリカの中でも巨大な人口を抱える国であり、川沿いだけでは増え続ける人口に対応しきれない。そのため近年では、水路をつくるなど、沙漠に居住空間を増やそうという試みが積極的になされている。 …

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ナショジオ番組「ソロモン王の秘宝」、ソロモン抜きにすると面白かった

タイトルがソロモンだからヒマな時に見ればいっか…と思ってたらがっつりエジプトだったので「?? タイトル詐欺かよ!」ってなったやつ。 いや、というかこれ、ソロモン関係無しに番組作ったほうが正解だったんじゃ…? 探求!キング・ソロモンの秘宝 https://natgeotv.jp/tv/lineup/prgmtop/index/p…

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人種差別的な人は排除せよ! →初期エジプト学者も軒並みアウトになる件

人種差別を理由に各地の像が引き倒されたり落書きされたりされている昨今なので、ちょっと思ったことを書いておこうと思う。 当たり前だが、時代によって「何か差別的か」という常識は異なる。 正義や社会的な公正さについても、その時代ごとの基準なり通念なりが存在する。現代に生きる我々と、少し前に生きる人の考え方は異なる。異なって当然と言える。…

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サウジアラビアの「謎の地上絵」、その後の続報もないのでまとめておくことにした

数年前、サウジアラビアの「謎の地上絵」の話題が流れた。 だが、その後の続報も出てこないし、この手の研究は数十年かかることもあるものなので気長に眺めているしかない。でもたぶんその間に記録は消えてしまう。(特に新聞記事とかは…。) というわけで、忘れないうちに少し纏めておこうと思う。 「地上絵」とされているのは、こういうものだ。 …

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エンキ神の故郷ディルムンは何所にあったのか。「未知の古代文明ディルムン」を読んでみた

メソポタミアの碑文や、メソポタミアの神話に出てくる「ディルムン」が現代でいうとバーレーンであることは、今ではほぼ定説となっている話である。しかし、ほんの40年前、それはまだ「新説」であった。本の始まりは1953年。それから歳月をかけて発掘が行われ、この邦訳本が出たのは1970年のことである。その時点では、まだ紀元前3,000年のウルの文…

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中世エジプトにおける灌漑の実情と納税について。「中世エジプトの土地制度とナイル灌漑」

専門書でちょっとお高いので二の足踏んでたけど、図書館に入ってたので借りて読んでみた。 前半は土地制度の話、後半はナイル灌漑の実情。ナイルの増水があった時代のエジプトで、どのように土地や水が管理され、灌漑や作物が管理されていたか、14世紀~19世紀の土地台帳などの資料から読み解く本になっている。 中世エジプトの土地制度とナイル灌漑…

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インドにある隕石湖ロナーが一夜にしてピンクに。…が、その理由より先に気になること

インドにある、約5万年前に隕石衝突で出来た湖が一夜にしてピンク色になった、というニュースが流れていた。 原因は不明だが今までにも発生したことがあるそうで、塩分濃度や藻の活動が疑われるという。 A 50,000-year-old lake in India just turned pink and experts don't kn…

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「クフ王の第二の船」取り上げ~修復の進行状況と名称についての問題まとめ

クフ王の第二の船とは、クフ王のピラミッド脇で見つかっていた二隻の木造船のうちの修復されていないほうの船。1954年に発見された二つの遺構のうち、片方(第一の船)については既に修復され、ピラミッドの側に展示されている。しかしもう一隻(第二の船)については費用や技術的な問題、穴から取り上げてしまうことによる劣化や破損を心配する声、さらには巨…

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文明の入り混じる場所~ドイツ西部で見つかったローマ時代の「イシス女神」。ローマ領内のイシス信仰の広がり

イシス女神は、ローマ時代にも人気を博していたエジプト神の一柱。特に、息子ホルスを抱く慈母の女神、あるいは魔術の女神としての側面が女性たちに絶大な人気を誇ったともされる。その信仰は遠くフランスでも人気だったのだが、どうやら隣のドイツまで到達していたらしい。その証拠の一つが最近、ライン川の下流で見つかっている。 Figurine Of…

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エジプトのピラミッドにまつわる良くある誤解「公共事業で作られた」等

この間、イギリスの人種団体が「エジプトのピラミッドは奴隷によって作られたものだから破壊すべき!」と主張としたという、ツッコミどころしかないニュースを取り上げた。 (追記あり)フェイクニュースであって欲しかった…。イギリスの反人種差別主義者、「ピラミッドを破壊せよ」と気炎を上げる https://55096962.at.webry…

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【もしかして】古代エジプトの墓の壁画に出てくるバッタ、エジプト土着のバッタ…?

いやなんか、エジプトの壁画に出てくるバッタの種類特定できんかなあと思ってエジプトに住んでるバッタの種類とか調べてたら、その名も「エジプトバッタ」というのがいたんですよ。 学名 Anacridium aegyptium 通称 Anacridium aegyptium Egyptian grasshopper Egyptian lo…

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神話のヴァルキュリアと史実の女戦士、「ヴァイキング時代は女性も戦ってた」の勘違い。

ヴァイキングたちが盛んに暴れまわっていた、いわゆる「ヴァイキング時代」に女性の戦士がいたのかいなかったのかという論争は、長らく続いてきた。実際に女性の骨と武器が一緒に埋葬されていたり、武装を思わせる防具や馬と同時に埋葬されていたりした痕跡はいくつか見つかっていたのだが、それらは「偶然」あるいは「他の意味がある」として拒絶されることも少な…

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(追記あり)フェイクニュースであって欲しかった…。イギリスの反人種差別主義者、「ピラミッドを破壊せよ」と気炎を上げる

(追記分 2020/06/14) この件について、ピラミッドの破壊を呼びかけたのは反人種差別主義の人たちではなく、揶揄する側の煽り(「あいつらならどうせピラミッドも破壊しろというんだろう」的な)だという情報も出てきました。ただ、既に炎上状態になっており、どっち陣営も頭抱えるヒステリー状態なので正直追いかけて検証するのがキツいです……

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【会期延長】「バハレーンで古墳を掘る」展、7月まで開催! 見逃した皆は今度こそ!

古代オリエント博物館で2月末から3月末までの開催予定だった、「バハレーンで古墳を掘る-バハレーン、マカバ古墳群の調査」の展示が会期延長になっていたよ…! http://aom-tokyo.com/exhibition/200222baharen.html 3月に行こうかなーと思ってたら3月いきなりコロナ騒動で閉館、そのま…

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よく考えたらシャブティ像大量に作るのけっこう大変なんだよな…。動画で見るシャブティ作成

ちょっとエジプトのファイアンス調べるついでに、ファイアンス製のシャブティ像の作り方を探していたら動画が上がっていた。 これは実際の遺物を3Dプリントした型から複製しているのだが、材料も本物と同じで本格的。もちろん手作りである。 Making Many: The mass production of funerary figure…

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イギリスで押収された「偽アンティーク」。コレクターは偽物に注意だぞ

昨年イギリスのヒースロー空港で押収されたトランクから発見された大量の"遺物"、博物館のキュレーターが鑑定して全て偽物だった模様。 写真を見ると、イラン高原の青銅器時代の土偶やメソポタミアの楔形文字の粘土板らしきもの、壺などなのだが、なんか…チャチいよこれ。 Fake antiquities made for unsuspecti…

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ついに ねんがんの 回らない レンジ を てに いれた! ~ここ何十年かで形の変わった電化製品たち~

十数年ぶりにレンジを買い替えた中の人ですよ。 いやまあ、…うん、わりと壊れるまで使う人なんで、自宅の白物家電ほとんど十年以上使ってますかね。 さて、今回買ったレンジは、ターンテーブルなしというタイプ。つまり中でお皿が回らない。 子供の頃のレンジといえばレンジの中でお皿がくるくる回るものだったのだけれど、最近はわりとこの回らない…

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トトメス3世を「古代エジプトのナポレオン」と呼んだのは誰だったのか。まさかのあの考古学者だった

トトメス3世とは、ハトシェプスト女王の実の娘の婿(つまり、義理の息子)だった軍人王である。内政は義母のハトシェプスト、軍事遠征はトトメス3世が担当する二重王政で帝国最大版図を築き、エジプトの全盛期を作り上げた。彼の55年に及ぶ治世は、遠征先の西アジアから多くの技術や人材を取り込み、変革の時代でもあった。 https://w…

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古代エジプト末期、ミイラづくり工房の発掘まとめ

ここ何年か続けられていた、エジプト・サッカラのミイラ工房の発掘が進み、状況が次第に明らかになってきている。 いま発掘しているのは紀元前600年頃の工房跡のようだが、同じ場所で時代がばらけていて、今までに発掘された場所だと末期王朝~ペルシア支配時代あたり。 これまでのエジプト学では、ミイラづくり工房ついては主にギリシャの歴史家ヘロ…

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大量発生したサバクトビバッタがコンテナに紛れ込んで中国に! というデマが流されるので、バッタの繁殖特性について説明…

先月、隣のパキスタンで繁殖していたサバクトビバッタが国境を越えてインドに到達したことで、忘れてた人たちもまたバッタに食いつき始めた感じが。この問題、難しいのはインドとパキスタンが交戦中で、国境付近のバッタの群れにそう簡単に対処できないってことなんですよ。「ドローンを飛ばした」とさらっと書いていますが、ドローンで駆除できるようになるまでに…

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古代エジプトの「黒いベタベタしたアレ」、科学的に分析される。

黒いベタベタしたアレ、って何ぞや? という話だが、見ればわかる。アレだよアレほら、よく見るでしょ?! 棺とか神像とかに塗られている黒い塗料みたいなやつのこと。瀝青(ビチューメン)と樹脂を混ぜたものだろうとは言われていたものの、改めて成分を分析してみたらしい。 Scientists Analyse 'Mysterious Blac…

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ヒエログリフで暗号文とか書いて遊ぶ時に足りないもの: 色んな記号や顔文字を設定してみよう

ヒエログリフをアルファベットに当て嵌めて、ローマ字の日本語をヒエログリフに置き換えて暗号文を書いてみる、というのは結構よくある遊びだと思う。有名過ぎてもはや暗号でもなんでもないのでは。というのはさておき、ぱっと見わかんないのは確かだし、雰囲気は出るので授業中などにこそこそやり取りする分には十分なんじゃないかと思います。 で…

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エジプト、ファラフラ・オアシス ~「牛の土地」と呼ばれた場所

エジプトの西部砂漠にあるファラフラ・オアシス(Farafra Oasis)は、現代でも秘境扱いされるヘンピなところにあるオアシスだ。面積はけっこう広いのに、住んでる人は少ない。現代では、奇岩の光景で有名な「白砂漠」への観光拠点として有名。古代エジプトは第五王朝の時代に早くも知られていた場所でもある。 Farafra Oasis a…

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