異世界で空とぶ乗り物に乗るシーンは現実的には無理。という話

ファンタジーものの作品だとドラゴンに乗って空を飛ぶ、とかのシーンがあり、中の人も子供の頃は憧れたことがある。
しかし、ある時点で気がついてしまった。

――あれ、現実で考えると不可能だ。

DRAGON RIDE: Short,Beautiful & Adventurous Books For Kids (English Edition) - SEDAK, ROBERT
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■空中で小回りの利く生物=現実世界での小型飛行機

現実世界でも、セスナとかの小型飛行機で雲に突っ込んだり、遊覧飛行で旋回されたりするとかなり乗り物酔いする。これは乗ってみるとわかると思う。あと風が強かったりすると上下左右に揺れ動くのでけっこう怖い。

ついでに、スピードに比例して風圧も強くなるので、窓を少し開けるだけでもものすごい勢いで風が吹き込んでくる。風圧がハンパないので、飛行機のように周囲が覆われていない高速飛行するドラゴンの背中に乗ろうものなら、普通の人間はふっとばされる


■高速飛行する飛行生物を乗りこなせるのは、選ばれし者のみ

しかし、ふつうの人の多くが乗り物酔いするような環境でも、プロは酔わないものである。
大時化の船でも船員さんは平気だし、乱気流の中の飛行機でもパイロットは普段どおりだ。適性、慣れ、訓練のたまもの。一般人にはムリでも、特定の選ばれし者たちならば大丈夫という可能性はある。

逆に言えば、高速飛行するドラゴンにひょいっと乗れるのは、訓練を受けたドラゴン騎兵とかだけである。助けた姫様を同乗させたりすると、ドラゴンの背でロマンチックな会話をする前に姫がゲロると思われる。


■飛行はどう足掻いても空気抵抗が痛い

空気抵抗はとにかく痛い。スピードを上げれば上げるほど、体が圧迫される。
これはバイクでも車でも、船でも、何でもいいので乗り物に乗ってみれば体感できる。高速飛行する生物の背に乗ろうとすると、そもそも、振り落とされないようしがみつくので精一杯にならざるを得ない。もちろん風がビュウビュウいっている中で会話など出来ない。
あまり空気抵抗なく飛行するには、自転車と同じ時速15kmくらいまで、それも向かい風や、暴風の日でないことが条件になる。

というか、風が強くて風速10m以上の日に向かい風で飛行しようとすれば、オシャレなヘアスタイルや帽子なども吹っ飛ぶくらいの風を食らうことになるので。何の防御もないホウキでびゅんびゅん飛び回る魔女たちは、空気抵抗を緩和するか、抵抗を受け流す魔法でも使っているのだろう。
現実的に考えることがもはや不可能なので、魔法で解決するか、異世界は何か世界の法則が違うのだと割り切るしか解釈の方法が無い。


■夢と現実のはざま――ムリなく空を飛ぶには飛行船や気球あたりが無難

というわけで、わりと夢のない話をしてしまったが、要するに、一般人が無理なく空を飛ぶには

・上下左右に揺れない
・周囲がハコ型の防御壁で囲まれている
・そんなに高速で移動しない

といった条件から、飛行船や気球あたりまでが無難である。

もしあなたが異世界転生して飛行ドラゴンの乗り合いバスを見かけても、ホイホイ乗る前に「揺れて乗り物酔いするかもしれない」ということは考慮したほうがよい。また、ペガサスやドラゴン、でっかい鳥などの飛行生物に乗る場合は、必ず訓練を受けたプロの騎手のアドバイスを仰いでほしい。あとホウキや絨毯などの道具を使う場合も同様だ。ヘタすると乗った瞬間に死ぬので。



安全のためには、出来れば空は飛ばないほうがいい。