ニューギニア高地の古代人はヒクイドリを飼育したか。古代の卵のカラから分かるミステリー

古代人は果たしてヒクイドリのヒナを育てていたのか、それともヒナとして食べていたのか。
ニューギニア高地の遺跡から出てくる大量のヒクイドリの卵のカラを調べてみると、孵化する直前のものが多く、故意にその時期のものを集めていた可能性が出てきたのだという。

時代は更新世~中期完新世(約8,000年前まで)。ヒクイドリは言わずと知れた凶暴な鳥で、ダチョウ以上に飼いづらい。現代に至るまで飼育化はされていないものの、鳥類の習性で、孵化する時に人間を見ていれば刷り込みによって人間を母親だと思いこむことはあるらしい。

元論文

Late Pleistocene/Early Holocene sites in the montane forests of New Guinea yield early record of cassowary hunting and egg harvesting
https://www.pnas.org/content/118/40/e2100117118

卵のカラの状態は、ヒナが成長するにつれて少しずつ変わっていく。というのをダチョウの卵のサンプルから調べ、同様の方法で、遺跡から出てきた卵のカラを調べてみた、という。そうすると、lateに該当する、もうすぐ孵化するという状態のものが多かったそうだ。

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しかしアジアにはホビロンのように、孵化する直前の卵を食べる習慣もある。
そちらの可能性もありそうなのだが…。論文では、孵化させてヒナを育てていた可能性のほうがありそうだ、としているが、果たしてどうなんだろうな…。この内容だと、どっちもありそうな気が。

ヒクイドリを狩りにいくとヘタすると殺されるので、ヒナから育てて肉をとる、というのはアリかもしれないが、育てる手間を考えると大量に育てるかどうかは微妙。飼ってみたこともあるだろうな、とは思うんだけど。それよりも、あちこちの遺跡から、人間が長年ヒクイドリを食べてきた証拠が見つかっているというのに驚いた。食うんだ…。あの恐ろしい鳥を食っちゃうんだ…。

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今まであまりヒクイドリの卵のカラの研究はされていなかったそうなので、まだこれからだとは思うけど、果たしてこれがホビロンの起源なのか、ヒクイドリを飼育しようとした特異な飼育文化の始まりなのかは、ぜひ突き止めてもらいたいところである。