これは間違いなく物議をかもすヤツ。「アメリカ大陸から2万3千年前の足跡が見つかった」という話

アメリカ大陸から2万3千年前の人間の足跡が見つかった、というニュースが流れていた。
ええまあ、うん、あれだ。いつものアレで、「定説を覆す」とか言ってるのはページビュー稼ぎたい適当なやつなので置いといて良くて、年代間違っているのではと言っている学者もいるので精査はこれから。その上で、もしこの発見が正しかったら、という話をしたい。

●概要
アリゾナ大のサイト
https://news.arizona.edu/story/earliest-evidence-human-activity-found-americas

足跡と同じ地層から見つかった植物の種の痕跡から年代を特定している模様。
しばらくの時代、定着していた可能性があるという。

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●前提
実はこの場所、去年、「1万年前の足跡が見つかった」と報道されていたのと同じ発掘現場。
その時に見つかってた足跡より今回のがはっきりしていて、むしろはっきりしすぎているのが気になっている。これでいいのか??

北米で見つかった1万年前の人類の足跡。珍しくちゃんと足跡に見えるぞ…
https://55096962.at.webry.info/202010/article_13.html

●「北米大陸にヒトが到達したのは3万年前」とする仮設は、以前から存在する。

存在するものの証拠不十分のため、いまだ定説としては受け入れられていない。
今回の発見も、3万年前説を採用したい学者からは支持されると思うけど、定説のほうを支持する学者からは反論を食らうだろうな、という感じ。

アメリカ大陸に人類が到達したのは3万年前、定説を覆す!→覆ってないです…。
https://55096962.at.webry.info/202007/article_20.html

はっきり遡れるのは1万5千年前くらいまで。今の北米大陸にいる先住民のDNAからは、1万6千年前くらいにユーラシア大陸の母集団から分離した、とする結果が得られており、その内容とも整合性がとれることから、少なくとも、現在の住人の祖先たちが1万5千年前以降に何段階かに分けて移住した、という部分で揺らぐことはないと思われる。

ただし、 もしも今回の発見の年代が正しかった場合、前からうっすら言われ続けていた「3万年前」という数字にも一定の信憑性が出てくるのではないかと思っている。

その場合に出せる結論は、「3万年前に移住した人々は絶滅してしまった可能性が高い」というものだ。


なぜかと言うと、現代に生きている人々の祖先は、母集団から1万6千年前に分離したと解析されているからだ。
DNAに痕跡を残さずに消えてしまった、移住して一定期間は生存したけど、その後は絶滅してしまった集団がいた、と考えれば、これまでの研究との整合性がとれる。また、3万年前の遺跡では? と言われていながら、石器の形状などが不明瞭だったものについても、絶滅してしまった系統の人間集団が作った、未発達な石器だったとすれば、一応の説明はつけられる可能性がある。

アメリカ大陸への移住はとてもリスキーで、一回くらいで成功したとも思えない。何も証拠を残さず消えていった人間集団がいたとしても、おかしくはない。もしかしたら、我々がいま見ているものは、そういう人々の生きた痕跡かもしれないのだ。


ただし、これも今の段階での話なので、年代などが他の研究者に再検証されて揉まれないと結論は出せない。

あまりに人数が少ないとちょっとしたことで絶滅するはずなので、もし2万3前年も前から人間集団が継続していたならば、そこそこの数の集団が、それなりの生活の痕跡を残さなければおかしいので、足跡しか見つかってない今の段階だとちょっと説としては厳しい。どうなるかは様子見ですかね…。