ウニの全てが分かりすぎる。「ウニ学」

タイトルからしてネタくさい、と思いきや初っ端からブーストかまして「貴様にウニの全てをわからせてやる!!」みたいな本である。
専門書と見せかけて一般向けでもあり、パラリとめくるといきなり濃厚なQ&Aが始まる。本の各章のサマリーがついているのである。答えは教えてやる、だが詳しく知りたければ後ろの章を読め。という作り。まんまとハマってそのまま読んでしまった。

ウニ学 - 本川 達雄
ウニ学 - 本川 達雄

まず私は、この本を読むまで、子供のころ海岸で何気なく拾っていたタコノマクラやカシパンがウニの仲間だとは思っていなかった。ていうか丸いのと平たいの、トゲのあるのと無いので全然違うじゃん…と思っていた。しかし実は身体の構造としてはよく似ている。あの、貝殻(というか外骨格)の部分にある花の模様にも意味があったのだと初めて知った。進化って不思議。

それと、たぶん多くの人が誤解しているのが、「高級な食用ウニはバフンウニ、ムラサキウニ」という話。
実はバフンウニでなくエゾバフンウニで、バフンウニとエゾバフンウニは属違いなのだ。同様に、ムラサキウニとキタムラサキウニも別もので、ムラサキウニは苦味があってあまり美味しくなく、高級ウニといえばキタムラサウキニのことなのだとか。
これは「へえ…!」ってなるところ。水産業者は略語で呼ぶらしいので、学者でもなきゃ区別がつかない。次からは寿司屋でドヤ顔が出来るぞ。

ついでに、ウニで食べている部分が何なのかという話もあった。
あれは卵巣とか精巣とか説明されることがあるが、卵や精子が出来る前の「栄養細胞」の部分なのだという。実際に卵や精子が出来てしまうとマズくなるので、その前に、つまり繁殖のために栄養をたくわえている短い旬の時期に収穫してしまうのだとか。なので、お店で売られている「うに」には、オスからとったものもメスからとったものも混じっている。し、知らなかった…ウニ好きなのに全然気づいていなかった…!

あとウニの仲間はなぜ身体の部分が五つに分かれているのか。五放射相称、というらしいが、とても面白い身体のデザインだ。
花のような模様も、まるで五弁の花びらがついているようになっているが、あれは、身体のパーツを五角形でデザインしている都合らしい。
水の流れに向かって経つ場合、腕が三つだと少なすぎ、六つだと下流側の三つが無駄になってしまう。なので、最も効率的にエサを確保できるかたちで、ああなっているらしい。花の場合は、花弁を昆虫の滑走路として使い、中央の花粉に誘導するが、その場合に花弁が五つのものが多いのと同じ理由だそうだ。

他にも、ウニの成長の仕方、自然界で果たす役割、世界のウニ漁、養殖の仕方etc... と、とにかくウニの全てが詰まっている。
少々お値段が張るが、とても立ち読みで読み切れる分量ではないので途中まで読んで面白かったら買ってしまうのが楽。

これからウニのおいしい季節。
読書の秋、食欲の秋、両方一緒に満たせる本もいいかもしれない。