タイタニックに乗船していた唯一の日本人と、その後の物語。

沈没したタイタニック号が発見された頃、ブームに乗って色んな本が出たりしていたと思う。
ナショジオでもさかんに特集していたのを覚えている。その時、タイタニック唯一の日本人乗客で、生存者でもある細野氏についての記事があった。これは、その当時の記事からの切り抜きだ。船にそなえつけだった便箋に書かれた手記である。

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もとは家族に出す予定だった手紙のつもりだったようだが、手紙を書き終わる前に遭難してしまったらしく、冒頭の書き出しのあとは手記が続く。遭難から生還までの記録を残しているのだが、なんともまあ細かい文字でびっしりと書いてある。こういうのリアルタイムに書きたがるの、ほんと日本人だよなぁ…って思ってしまう。

日本人は何故、日記を書きたがるのか。日記文学と日本人「百代の過客」
https://55096962.at.webry.info/201805/article_8.html

で、この人について調べていたら、帰国後に「何故おめおめと生き残ったのか」のようなバッシングを受けたという記事があって、ちょっと、えぇ…って思ってしまった。救命ボートは女性と子供が優先だったので、「女子供を押しのけて助かった」という汚名を着せられたらしい。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20120330/304032/

そのせいで元の仕事を続けられなくなったり、死後も親族が反論に苦労したりと色々大変だったらしい。
その汚名がそそがれたのは、同じ救命ボートに乗っていたアルメニア人の手記が発見されてからだそうな。特定の記者に粘着されていたようなので、当時から思い込みの正義感で人を叩く性格の人はいたんだよなぁ。という感じ。

亡くなった側の家族にも、生き残った側の家族にもドラマがある。
きっと何も記録の残っていない、名もなき一人一人にも、物語はあったんだろうな、と思った。