写真がひたすら緑色。ギアナ高地と秘境の穴

ギアナ高地にも穴は…あるんだよなゴクリ(※下手に降りると登って来られない)
図書館でウロウロしてたら何故か写真集コーナーにあったこれ。2003年にNHKのNスペで放映された番組の本らしい。

ギアナ高地巨大穴の謎に迫る (NHKスペシャル) - 早川 正宏, チャールズ・ブリュワー=カリアス
ギアナ高地巨大穴の謎に迫る (NHKスペシャル) - 早川 正宏, チャールズ・ブリュワー=カリアス

番組を作ることになった裏話や、当時はまだ可能だったベネズエラ観光の話が興味深かった。いや…ていうか…本の中身になっている2002年って、まだチャベス大統領が現役だった頃なんですよ。で、チャベス派と反チャベス派で国会占拠したりクーデター騒ぎ起こしたりで盛り上がってた過渡期。で、チャベスさんが亡くなったあとの後継が今のマドゥロさん。ベネズエラ経済が凄い勢いでボロボロになっていくのがこの期間なので、なんというか、…まだ「先進国」で「南米の優等生」だった頃の面影が残っている時代の話、ということになる。

取材に際して機材の持ち込みに苦労したとか、税関で止められた荷物を回収するのに偉い人に話をつけにいったとか、まだ現役だったのかと!するような古いロシア製のヘリが出て来たとか、なるほどベネズエラあるある…みたいな部分もあったりして、本編のギアナ高地の話そっちのけで興味深かった。でもこの頃はまだ、ヨーロッパから移住してきたベネズエラ人が国外に逃げ出してなかったんだよね。今はもう、かなりの人数が逃げてしまっているけれどね。


さて、本の中で主題となっているのは、ギアナ高地に沢山あるテーブルマウンテンの中のひとつ、サリサリニャーマというところ。山頂に巨大な穴が開いていて、その中の植生や生物を確かめる冒険になっている。テーブルマウンテンは恐竜がいた時代から形成されはじめ、独立して存在する断崖絶壁の環境なので、それぞれに生態が違うとさえ言われている。そのテーブルマウンテンに空いた巨大穴の底なら、何か特別なものがいるのでは…という話なのだ。

しかし予想外に穴の中には外の世界との繋がりを示すものが沢山あった。原因はアブラヨタカをはじめ「鳥がいる」ということだと思う。鳥が外から植物の種や虫を持ち込んでいるのだ。だから穴の中にはたくさん種が落ちていて、森が作られている。隔絶された環境なのに動植物が豊かだ。
そして写真は全て緑色。ひたすら緑。緑の魔境という言葉に相応しい世界。一年を通してずっと気温が高いから…。緑に覆われた断崖絶壁は、写真で見てもやはり圧巻だ。

地球上でここにしかない、まさに秘境。
冒険好きなら一度は行ってみたい場所だと思うのだが、残念ながら今は政情不安にハイパーインフレによる食糧難にと酷い有様だ。今は観光だけでなく、特異な動植物の研究なども止まってしまっている状況なので、早く正常化するといいよなぁと思いつつ、本を閉じた。



(なお、中の人がブラジルとの国境が封鎖される直前に行ったギアナ高地の話はこのへん
https://55096962.at.webry.info/201810/article_2.html

(マジでギリギリのタイミングだったんや…。