古代エジプトの庭園と水汲み事情 ~貴人の庭はとんでもなく人手がかかるという話

古代エジプトの庭園といえば、壁画などにもよく描かれているし、墓所に作られたものなどは花壇の実物も見つかっているのでイメージしやすい。果樹や花が植えこまれ、魚の泳ぐ庭があり、沙漠の国ではひときわ華やかで美しい。 が、このお庭じつはめちゃくちゃ維持に手間がかかっている。 水汲み水やりが死ぬほど大変なんである。 ナイルは…

続きを読むread more

読み終わるとタイトルがとても重い。「絶滅動物は甦らせるべきか?」

なんかオススメコーナーに置いてあったから読むぞー(テッテレー)みたいな感じでパサっと開いたら、うん、あの…内容重かったよね…。 この本では「ディ・エクステンション(逆絶滅)」という言葉が多く使われている。これは種の復活や回復といった概念を包括する言葉である。本の構成としては、よくある、ジャーナリストが書いてる「種を復活させるという…

続きを読むread more

「ネフェルティティは女王として即位した」説の問題点。これを定説と考えるのはさすがにちょっとな

「ネフェルティティは女王として即位した」という説は、宗教改革を行ったアクエンテアン王とツタンカーメン王の間にいる「スメンクカラー」という王が実は女性で、ネフェルティティその人だった、というものである。 日本の先生たちでもわりと支持よりの人は多いのだが、この説には、説明されていない多くの問題点があり、今の時点では完全に否定することも肯定…

続きを読むread more

またか…?! エジプトミイラ、CTスキャンしたら中身が思てたのと全然違う

今度はイスラエルのハイファ博物館。 「人間の心臓が入っている」と記録されていたエジプトミイラを2体CTスキャンにかけてみたら、中身は人間どころか人形と鷹だった。というお話。ミイラは50年ほど博物館にあったけど、誰も特に注意は払っておらず、記録が適当なのにも気が付いていなかったらしい。 Little ancient Egyptia…

続きを読むread more

アメリカ大陸に人類が到達したのは3万年前、定説を覆す!→覆ってないです…。

たぶん大元の記事はこれなんだと思うんだけど、「アメリカ大陸に人類が到達したのは3万年前!」みたいな話が一人歩きしてそうだったので、ちょっと注釈を。 人類、3万年前から米大陸に 通説より1.5万年早く https://www.afpbb.com/articles/-/3295255 今回の3万年うんぬんの元ネタはこの…

続きを読むread more

コロナ影響で博物館・美術館がピンチ。これからもそこで推しに逢うためには…

新型コロナウィルスの影響は様々な業界に影響を及ぼしているが、一定期間の閉館を余儀なくされた美術館・博物館も当然、財政的に厳しくなっている。さらに今後も密な状態を防ぐために、混雑するような大規模イベントを開けなかったり、入館人数を制限したりしなければならず、短期間の回収は難しい。開館しているだけでも、入館者の体温を測ったり、受付などの消毒…

続きを読むread more

ウルクの民はぜひ見よう。「ギルガメシュ叙事詩」翻訳者が語る物語の世界がYoutubeで見られるぞ!

再生数が少ないやんけ!! というわけで勝手に宣伝しておくことに。 池袋にある古代オリエント博物館の館長さんが語る、展示品の見どころトーク。「私が訳しました」←マジでそうだからなんも言えねぇ 月本昭男館長見どころトーク(展示解説)ーギルガメシュ叙事詩の世界編ー https://www.youtube.com/watch?v=3S…

続きを読むread more

シェルパに絞られた話としては面白かった。「シェルパ」と道の人類学

第一章はなんだかよく判らんかったけど、第二章からのシェルパの実体に迫る調査は面白かったので、とりあえず全部読んでみた。 シェルパの民俗学の調査としては面白かったのだが、おそらく著者が語りたかったであろう本のテーマからすると、調査内容がだいぶ狭すぎて序章とまとめの章が噛み合ってない感じがした。 「シェルパ」と道の人類学 - 古川 …

続きを読むread more

古代エジプト王女「叫びのミイラ」(女性のほう)、心臓発作で孤独死していた…

御年60歳の王女…心臓発作…うん、あれだ。何か色々察するところがある。 CTスキャンの結果、動脈硬化など成人病を患っており、発見時すでに死後硬直の状態になっていたためにミイラが「叫んで」いるような顔で作られてしまった、という結論になったようだ。 ※記事の先はわりとグロめのミイラ写真多め※ ※ミイラ見慣れてる人向け※ CT…

続きを読むread more

【おねショタの波動】ラメセス2世の即位10年目あたりの戦争に彼の息子が参加しているわけだが。

ラメセス2世は、名前が判ってるだけで子供100越えという超子だくさんファラオである。 もちろん妻も沢山いたわけだが、子供たちが一体どういうペースで生まれていたのは謎であった。 今回、ちょっと調べてみてたのだが、碑文で8番目に書かれてる「アメンエムウイア」という王子がラメセス2世の治世9~10年目あたりのシリアのダプール攻城戦に同行し…

続きを読むread more

奴隷は黒人、白人は主人、という固定概念は欧米限定だという話。だってオスマン帝国とか逆だもん…

黒人、白人という区別自体がそもそも不正確だし、世の中そう白黒キッチリ分かれているわけではないのでこの分類自体を使うべきではないと思っているので、便宜上ここでは使うが、定義として以下を設定する。 「黒人=アフリカ出身でサハラ以北の地中海地域、東アフリカなどに多いアラブ系住民を除いた者」  →アフリカにも肌がそれほど黒くない人たちは…

続きを読むread more

インダス文明はバッタの大群の襲撃を受けたか。ちょうど今、その地域が酷いことになってるけど…

ニュースになっているサバクトビバッタの大発生、先週あたりの蝗害のマップがこんな感じで、相変わらずインドとパキスタンの国境地域が群れに襲われている。ずって見ていて思ったんだけど、被害マップによくインダス文明地域がよく出てくるんだよね。 インドの地名で「ラージャスターン」とか「カッチ県」とか出てくる時、そこはインダス文明の遺跡のあると…

続きを読むread more

会社員をやっていて良かったと思うこと 「プレゼンのやり方を覚えた」

中の人は会社員なのだが、わりと真面目に、「会社員やってて良かったな」ということがある。 毎月収入があるので、フリーランスなどの不安定な職に比べれば計画的に趣味にぶっこめる、というのもあるのだが、いちばんは「プレゼンのやり方」だ。どれだけ知識があっても、伝えたい熱い思いがあっても、技術がなければ伝わらないのだ。これは、世の真理という…

続きを読むread more

アイヌ・琉球だけ取り上げても足りてない。日本は実は(定義としては)多民族国家だという話。

なんかアイヌだけ特別扱いされてるけど、えっ津軽(=古代の「つかる」)は? というか北海道から東北まで文化圏連続だよね? とかしょっちゅう思うんですよ中の人。6世紀には別の民族扱いでしたよね東北人。毛人とか、言葉通じないとか色々書かれてましたし…。考古学的に見ても、人骨の形状とか見てもけっこう特徴あるんですよね。 *「骨考古学と薩摩…

続きを読むread more

ローマン・ガラスの材料は何所から来たのか。地質学の知識で分析する新手法が公開される

ちょっと地質学の知識がないのでアワアワしたけど、うん、まあ、細かいところよくわかんなくても取り合えず「ガラスに使われた砂の成分が場所によって異なる」くらいで何とか意味は分かるだろ! ‘Alexandrian’ glass confirmed by hafnium isotopes https://www.nature.com/a…

続きを読むread more

アラビア語と民族アイデンティティ アラブ諸国の言語と憲法についての覚書き

アラビア語には、文書として書かれる「正式な」アラビア語と、口語とも呼ばれる実際に使われている砕けた言い方のアラビア語がある。 「正式な」ほうは古語に近くて、堅苦しい感じ。コーランに使われているアラビア語をそのまま使おうとしている感じなので、英語圏でいうとラテン語みたいなノリだ。アラビア語圏の人でも、学校でちゃんと習わないとほとんど理解…

続きを読むread more

古代エジプト時間旅行の注意点/昔に行きすぎても今残っている神殿は無いかもしれない。

いまエジプトに残っている「古代エジプト」の神殿の多くは、実は意外と新しい。 残りがいい=「古代」の中でも新しい。だから古代に行きすぎても、その神殿の昔の姿を見ることは出来ない…。 古代エジプトの歴史は長い。タイムトラベラーさんは「何」を見たいのかをよく考えて飛び先の時代を選ばなければならないのである。 というわけで、「時代を間…

続きを読むread more

海を渡る人類 ~ポリネシア住民と南アメリカ先住民の出会いの証拠がまた一つ。

イースター島など太平洋東部の島々に移住したポリネシア人は、西暦1200年頃には南米大陸にも到達して接触(混血)していた、という研究が発表された。この説自体は前々からあるものなので「定説が覆る!」みたいな話ではないのだが、「いつ接触したのか分からない」という段階から、先行研究から少しずつ年代が絞られてきているのが面白いなと。 ・…

続きを読むread more

そういや古代って釘ないよね? 古代人はいつから釘をさせるのか。

人と話していた時のすっげーどうでもいい流れから、「古代エジプト人にくぎを刺しても無駄だ。なぜなら釘が無いからな!!」とかいう話になり、あれっそういや釘っていつからあったんだったけ…。というのをちょっと調べてみた。 "「釘をさす」  あとで言い逃れや間違いなどが起きないように、あらかじめ念を押す。 釘を打つ。" …

続きを読むread more

古代エジプト人コスメをちょっと調べてみた ~ヘアカラーの歴史が意外と古い!

身もふたもない話をすると、古代人のコスメはだいたい肌によくない。 というか現代人のコスメもだいたい肌によくない。 そもそも専用のクリーナーがないと顔から落とせない物質を塗りたくって一日中出歩いてるっていうのがおかしいんである。何だよ汗をかいても流れない眉毛って。ウェットティッシュで拭いても落ちないファンデって。 しかし古代…

続きを読むread more

温暖化で水がピンチな時は! インド北部高地の対策が面白い

インド最北部のラダック地方は、地図で見るとほぼ国境で標高は3,500m。観光ガイドでは「小チベット」と表現されているが、その表現どおり住んでいる人々の顔立ちも衣装も、国境の向こうのチベット高原そのままである。 そのラダックで、温暖化のため発生している水不足を「仏塔」で解消しようという面白い試みが行われている。 インド 気候変…

続きを読むread more

微妙なとぼけ具合と緊迫感。在チュニジア日本大使の見た「革命」の舞台裏

「『アラブの春』とは一体何であったのか」といういかにも堅苦しいタイトルの本だったが、ぱらっと捲ったら「銃撃戦のさなかに食べてた非常食の安倍川餅がすごかった。水入れたらすぐ出来る。メーカーはxxx」とか、その情報必要だった?! みたいなノホホン日記が出て来て、興味を惹かれて読んでみた。いわゆる「ジャスミン革命」のまさにその時、チャニジアに…

続きを読むread more

二千年前の絵師のお仕事~ミイラ・ポートレートの絵師と素材とは。

あまりに大量にありすぎて見慣れているけれど、実はあまり研究されてこなかったというミイラ・ポートレート。 古代エジプト末期(正確にはローマ属領時代)に作られた、ミイラの顔の部分にはめこむ、死者の生前の似顔絵である。 西洋美術と古代エジプトの伝統美術の中間にあるようなこの似顔絵は、専門がどっちに入るのかもよく分からず、あまり専門家も…

続きを読むread more

【小ネタ】書記の座像はシステムエンジニアの日常に似ている。

これが古代エジプトの書記 そしてこれがサーバ室の床に座って機器の設定をしているシステム屋 この違和感のなさよ いやここしばらく忙しくてずっと2枚目の状態で朝から晩まで作業してたんですけど。 ふと気が付いて「これは…もしや古代エジプト的スタイル…?!(トゥンク)」みたいになったんですよね。 ※キツくなっ…

続きを読むread more