ヒエログリフをアルファベットに当て嵌めて、ローマ字の日本語をヒエログリフに置き換えて暗号文を書いてみる、というのは結構よくある遊びだと思う。有名過ぎてもはや暗号でもなんでもないのでは。というのはさておき、ぱっと見わかんないのは確かだし、雰囲気は出るので授業中などにこそこそやり取りする分には十分なんじゃないかと思います。
で…
エジプトの西部砂漠にあるファラフラ・オアシス(Farafra Oasis)は、現代でも秘境扱いされるヘンピなところにあるオアシスだ。面積はけっこう広いのに、住んでる人は少ない。現代では、奇岩の光景で有名な「白砂漠」への観光拠点として有名。古代エジプトは第五王朝の時代に早くも知られていた場所でもある。
Farafra Oasis a…
ナバテア文化/文明とは、サウジアラビアの砂漠に一千年に渡って継続した遊牧民の文化のことを指す。起源は不明だが、イエメンにあったサバ王国の子孫という説もあるらしい。だが、期限が一つである必要はない。砂漠に集まった遊牧の人々の一部が定住をはじめ、最終的にナバテア王国となったのだ。
そのナバテア王国、遊牧の民が神殿を「築いた」と表現され…
ダダン王国といっても、おそらく知名度はほとんどないと思う。謎、というより調査が不十分で今のところよく分っていないというほうが正解だろうか。イスラームの歴史は重要視されていても、それ以前の古代――特に北アラビアの歴史は、どうも今まであまり調査がされていなかったようなのだ。というわけで、少しまとめておくことにした。
サウジアラビア…
中南米のトウモロコシやアジアのコメ、アフリカのイモなど、世界各国には、主食となる作物をもたらした神様にまつわる伝承がある。
その中の一つに東アジアの「コメはイヌがもたらした」というものがあり、何だか不思議な感じになっていた。
これは中国の少数民族の一つで雲南省に住むハニ族に伝わる伝承。
「洪水のあと、大地は何もない状態にな…
色々あって調べているうちに少し資料が集まってきたので、忘れないうちにまとめておくことにした。
タイトルのテシク・タシュとは、ウズベキスタンの東の端っこ、タジキスタン・アフガニスタンとの国境付近にある遺跡で、ネアンデルタール人の子供の骨が出土している。最寄りの街の名前としてはバイスン。かつてここがネアンデルタールの分布の東端と思われ…
今年はコロナ影響で西アジア方面の発掘調査の報告をまとめて聞けるイベントが中止だったのだが、その一部でテル・レヘシュ遺跡の報告が動画で上がってるのに気が付いた。
この遺跡の下の方には、トトメス3世やアメンヘテプ2世の時代にエジプトが遠征していた町「アムハラト」が埋もれているとされる。
また、エジプトのアマルナで出土した外交…
ここ最近、エジプトのナイル最上流/アスワンの岩絵新しく発見したよニュースを何度か見た覚えがあるので今どうなってんのかなーと思ってちょっと論文漁ってみたら結構出てた。というか、近くの街(ニューアスワン)が急拡大していて、それに伴って調査されることも多くなってるようなのだ。ここもピラミッドと同じで近くに街が進出してくる過程で新発見が相次いで…
チベットというと標高の高いところが多く、高原というイメージが強いのだが、少し標高の低い端っこのあたりは森林限界以下なので森がある。
そして、その森の部分には仏教ともボン教とも別に、日本でいう神道に近い自然神や精霊の信仰が今も生きている。
…というのを今更のように知った。
「森のチベット」アルナーチャル・プラデーシュ州西部に…
大元の報道がこれ。シナイ北部で珍しい岩絵が見つかったけど年代わからんぜよ、という話。
場所は Wadi Al-Zulma 場所はal-Qantara Sharqの街から南へ90km、スエズ運河から東へ60kmとあり、地図を見ても何もない地域なのでどこだか特定が難しい。というか全然なんもない沙漠のど真ん中である。よく見つけたなこれ…。
…
新型コロナウィルスの流行条件は、今のところまだ謎が多い。なぜか日本を含むアジアはヨーロッパに比べて流行が急激ではない。なんだかんだと理由をつけようとする人も見かけるが、一日に何千人も死亡するめちゃくちゃな状態と、これまでの日本の推移とが明らかに違っているのは確実に言える。しかし、どうしてそんなに差異が出たのかは分からない。
手を洗…
アンデスと同じく高地であるヒマラヤでは、高地特有の家畜が飼われている。
以前チベットに行った時に見かけた(そして美味しくいただいた)ヤクと言われる牛の仲間もその一つだが、どうやらもう一種類、ミタンというのがいるらしい。日本ではあまり聞かない名前だ。
面白いことに、調べてみるとどうもこの動物、どうやって家畜化されたのかよく判らなか…
世界の牧畜事情を眺めていたときに、「アンデスの民は家畜の乳を一切利用しない、世界でも少数派の遊牧生活を送っている」という話が出て来て、ほう…? と思ったので、ちょっと軽く調べてみた。いや、確かにアンデスでは乳の利用を見たことが無いんだよね。生で飲むのはもちろん、チーズやバターのような加工食品にもしていない。
ユーラシア大陸…
同じジャンルで日本の山の生態学の本を読んだことがあったのだが、こちらはロッキー山脈のカナダ部分、「カナディアンロッキー」を舞台にした本。山全体の広範囲な生態学を扱った内容だ。
カナディアンロッキー: 山岳生態学のすすめ (学術選書) - 大園 享司
山の生態学というと、高山植物とか、山に住む動物とかをイメージしやすいが、この…
出版社の「テクネ」というのは、Amazonでオンデマ出版をしている出版社。
考古学系の本もけっこうあるじゃーん! ということで漁っていたら、鹿石の写真集があったので早速ポチってみた。「鹿石」とは、中央アジアで見られる青銅器時代の石碑のことで、石の柱にデザイン化された模様が刻まれている。鹿モチーフの模様が多いことからそう呼ばれている。
…
古代エジプトの像は本来、魂(の一部)がINした状態だった。なので、お着換えとかお食事とかお世話をしなければならなかった。
という話である。
古代エジプトの神官さんの日課の中に、「神像のお世話」というものがある。
神殿 = 神の家
家の最深部にある至聖所 = 家主の神様のいるところ
そして至聖所には神の像が置かれ…
古代エジプトで蝗害はどの程度起きたのかがずーっと気になって色々調べていたのだが、古代の気候がはっきりしないところもあるので頻度まではは判らなかった。だが、現代と似た通った部分や動かせない条件から、実際に蝗害が起きた時の被害状況を推測することは出来た。
結論から言おう。
エジプトで起きるバッタの害は、他国に比べてそれほど大きくは…
フラウィウス・ヨセフスという人がいる。
ローマ風の名前で、ローマの歴史家と紹介されることが多いがユダヤ人て、ローマがエルサレムを陥落させた時にローマ軍と戦って負けた。のちにローマに移住して平穏に暮らしたようだが、そのせいで同胞からは裏切り者扱いされていた人物である。生きた時代は紀元後1世紀。エジプトがローマ属州になった直後の時代で…
[>前段
プス様ことプスセンネス1世の表情バリエーション
https://55096962.at.webry.info/201512/article_11.html
今回は古王国時代の有名な木像、「村長」ことカーアペルさんでやってみました。
うーん普段善人ヅラの人がちょつと極悪っぽい表情で写ってる写真のギャップがいい!…
古代ギリシャの神殿や彫刻は、作られた当時には色鮮やかに着色されていた。
という話は有名なので、知ってる人は多いと思う。
今では真っ白なパルテノン神殿も、大理石の彫像たちも、本当はみんなカラフルだった。真っ白になってしまっているのは、長年のうちに色が落ちたり、博物館に保存するときに「洗浄」されて色の残りが汚れとして落とされてしまっ…
山とひとくちに言っても、世界にはいろんな山がありまして。
南極の山には雪と氷しかないし、乾燥地帯の山には岩と砂しかない。日本でいう「山」を想像すると全然違うものが出て来ちゃうわけですよ。というお話。
というわけでシナイ山の話。
以前、シナイ山の写真を見た知人が「えっこれ山じゃないじゃん、ただの岩じゃん」と言っていたのだが、…
少し前から王族にも感染者が出たとかコロナ関連でちょっと大変なことになっているサウジアラビアさん。
現在、聖地メッカへの巡礼者の受け入れも止めてますが、今年はどうやらハッジ(大巡礼)も中止されるかも。との話が出ていました。ハッジとは、世界中のイスラム教徒が集う大規模イベントで、イスラム暦で開催日付が決まります。今年の会期は7/28~8/…
トウモロコシといえば中米原産の作物である。アンデスのジャガイモと並んで、世界を変えた作物として知られている。
その高い収益性、ヨーロッパではメジャーな小麦では進出出来ない場所でも栽培できること。何より調理もしやすい。トウモロコシは、いまや世界中に広がっている。
意外な場所で見かけたのは、チベットに行った時のことだった。現地のチベ…
前提として、大量発生して群生相と呼ばれるどぎつい黄色になったサバクトビバッタは、筋肉質で固くなり、あまり美味しくないといわれる。駆除前の飛来したものを捕らえて食べようという人があまりいないのはそのためだという。
そして殺す時に殺虫剤をぶっかけるので、駆除されたものを食べることは出来ない。
しかし、平常時であれば、アフリカでは食べる。…
アフリカの神話、と一口にいっても、どの地域のどの部族のものかによってテイストは大きく変わる。それはアジアの神話、と言った時にアジアのどの地域を想定するかによるのと同じことだ。インド神話と中国の神話と、タイの神話と日本の神話では大きく異なるように、アフリカといっても、エジプトの神話(古代のものを除けばイスラム寄り)とエチオピアの神話(ギリ…
本にあるICIPEというのは、「国際昆虫生理生態センター」の略だ。
かつてそこで研究していた人たちが書いている、アフリカの昆虫の話である。実際に現地で研究した内容なのもあり、やたらと濃い。どこで役に立つのか全く分からないが、昆虫が好きな人はきっと楽しく読めるはず。今話題のサバクトビバッタや他のバッタ類をはじめ、フンコロガシ、ネムリユス…
何か読む本ないかなーと新刊を漁ってて一目ぼれして即ポチしてしまった本。表紙からして既に濃い匂いがぷんぷんするが、期待通り中身も大変濃かった。というかちょっと濃すぎるので、普通に考古学の本だと思って読み始めた人は真ん中あたりで挫折しそうな気がする。
まずこの本は、最初に「石割り」という章がある。その時点でお察しのとおり、ひたすら実際…