めも代わり「ネアンデルタールはなぜ滅びたか」コロナ時代に考える種の生存条件とは

新型コロナウィルスの流行条件は、今のところまだ謎が多い。なぜか日本を含むアジアはヨーロッパに比べて流行が急激ではない。なんだかんだと理由をつけようとする人も見かけるが、一日に何千人も死亡するめちゃくちゃな状態と、これまでの日本の推移とが明らかに違っているのは確実に言える。しかし、どうしてそんなに差異が出たのかは分からない。

手を洗う習慣?
花粉症が多くマスクすることが苦にならないから?
靴を脱ぐから家にウィルスを持ち込みにくい?
核家族が多い?
肥満が少なく悪化しにくい?

様々な原因が考えられているが、おそらく原因は一つではない。決定的な条件はあるかもしれないが、それ以外はほんのちょっとした条件の積み重ねによって死亡数の大きな違いになっているのだ。この、「ちょっとした違いの積み重ね」の部分に注目したい。

ネアンデルタールとホモサピエンスの生存を分けた理由も、「ちょっとした違いの積み重ね」だと言われているからだ。


いまこの地上に生き残っている人類はたった一種類、ホモ・サピエンスのみである。
近縁のネアンデルタールも、デニソワ人も、それ以外に存在したかもしれない未知の人類も、みな、我々のDNAに微かな痕跡だけを残して主としては消えてしまった。しかし、それが何故なのかが判っていない。

ネアンデルタールについては詳細な研究が行われていて、脳の大きさや知恵についてはホモサピエンスと大差ないか、むしろ優れていた面もあるとされている。なのになぜ彼らが滅び、我々が生き残ったのか、決定的な要因は不明のままだ。

体力任せの脳筋狩りをしていたから平均寿命が短かったのでは?
集団が小さく、全滅しやすかったのでは?
食べ物の選り好みが激しく気候変動に対応しきれなかったのでは?
道具を作る器用さで少し劣っていたのでは?

など、これも様々な説があるのだが、おそらく原因は一つではない。「ちょっとした違いの積み重ね」。そう、ちょっとした積み重ねが最終的に、種の運命を分けたのではないかと考えられている。


ちなみに、この頃の話では「ネアンデルタール人は狩りで無茶しすぎて傷が多かった」となっているが…

【人類誕生CG】5万年前 ネアンデルタール人 vs. 巨大生物【NHKスペシャル×1.5ch】
https://www.nhk.or.jp/ten5/articles/17/003704.html

その後出た論文では、「実はホモサピエンスと比べてもそんなに傷は多くない」となっている。

Skull damage suggests Neandertals led no more violent lives than humans
https://www.sciencenews.org/article/skull-damage-suggests-neandertals-led-no-more-violent-lives-humans

というか同じくらいの知能をもった人間なら、いつまでも脳筋狩りはしていないだろう。狩りに危険が多いのならやり方を工夫するなり道具を開発するなりできるはずだ。これだけが決定要因にはなり得ないと思う。

関係するとすれば、一部の動植物を利用する/しない あたりの条件ではないだろうか。海辺に住んでいる場合に海藻を食べられるかどうか、とか、キノコに手を出すかどうか、とか。今は想像するしかないが、そんな「ちょっとした」違いが、コロナウィルス拡大を考えた場合の「手洗いの習慣」や「マスクする/しない」のように、積み重ねで最終結果を大きく変える可能性があるのだ。

1000万人の国で5万人が亡くなっても、社会は存続できる。
しかし1000人の集団で500人が亡くなったら、社会の存続はかなり厳しくなるだろう。

有史以前の歴史上のイベントは証明することが難しいが、最終結果としてホモサピエンスだけが生き残ったという事実は判っている。何かが種の運命を決めたのだ。おそらく何かの積み重ねが。


ネアンデルタールとホモモサピエンスの運命を決めた「何か」は判らないかもしれないが、ヨーロッパとアジアの運命を決めた「何か」は、この先、研究されていくだろう。答えが出るかどうかは分からないが、多分それが、種の存続とはどういう条件で左右されるのかという、長年の謎に対するヒントになるのではないかと思っている。