イベリア半島、ホモ・サピエンスとネアンデルタールの出会いの真相とは

面白そうだけど今の段階だと何とも言えないなぁ、という研究があったのでメモがわりに。

ネアンデルタールは、南ヨーロッパでは12万年前~4万年前ごろに暮らしており、のちにホモ・サピエンスに追いやられるようにして消えていった。彼らのヨーロッパでの終焉の地はイベリア半島と考えられているのだが、その場所で、消えゆく前の最後の時代の、ネアンデルタールが製作したと考えられるワシの爪のネックレスが見つかったという。

この爪は、ネアンデルタールの特徴的な文化 chatelperronian(シャテルペロニアン/シャテルペロン文化) に属するものだという。この文化は、ホモ・サピエンスが生息域を広げていく中で、ネアンデルタールと接触していたかもしれない時代のものだという

The Last Neanderthal Necklace
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2019/11/the-last-neanderthal-necklace.html

The Châtelperronian Neanderthals of Cova Foradada (Calafell, Spain) used imperial eagle phalanges for symbolic purposes
https://advances.sciencemag.org/content/5/11/eaax1984

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しかしこの話の主題は「最後のネアンデルタール」という感傷的なものではない。元論文を見ると、異種族の接触によってネアンデルタールからホモ・サピエンスに受け継がれた文化があったのかどうか、という話のようだ。この鷹の爪のシンボルはネアンデルタールが好んで使っていたものだが、もし受け継がれていたなら、ホモ・サピエンスが住むようになった時代からも発見されるかもしれない。

場所はCova Foradada、Covaは洞窟という意味。
スペイン語だが動画で見ると場所や内部が分かりやすい。
https://www.youtube.com/watch?v=uR7nRiuntLQ

前段階となる研究内容
Findings in Cova Foradada change map of Iberian Neanderthal cultures
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2019/05/findings-in-cova-foradada-change-map-of.html

かつてはシャテルペロン文化はスペイン北部まで、と考えられていたのだが、この記事の時に、スペイン南部にも広がっていたことが分かって文化地図が少し書き換えられた。今回のはその続きの内容になる。

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そもそもネアンデルタールからホモ・サピエンスへ何かが引き継がれたかもしれない、っていう研究は今まであまりされてなかったような気がするんだよね。ネアンデルタールは劣った野蛮人、というイメージが強かったし…高度に象徴的な思考も苦手だっただろうと言われていたので。

それに、ホモ・サピエンスに個人差が大きいように、ネアンデルタールにもそれなりの個人差や環境による差が存在する可能性があると思う。異なる人間同士が接触することが刺激になって何か生み出される可能性も無いとは言えない。DNAのように科学的に「混じり合った」ことを確実に証明するのが難しい"文化"の混血は、どうやって立証していくのだろうか。