リビアン・グラスの使い方/ツタンカーメンの胸飾りにあるあの黄色い石は…

「リビアングラス」とは、ツタンカーメンの胸飾りの真ん中に使われている黄色い石のこと。
エジプトとリビアの国境、リビア砂漠と呼ばれる砂漠地帯でとれる石で、現代ではヒーリングストーンの扱いで販売されていたりするものだ。生成過程は不明だが、溶けた砂が凝固したような形で砂漠の一部分にひろく点在することから、地下熱によって生成されたとか、隕石の衝突による熱で出来たとか、いろんな説がある。

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リビアングラスとツタンカーメンの胸飾り
https://55096962.at.webry.info/201309/article_18.html

エジプト西部砂漠とリビアン・グラスの謎~巨大クレーター「ケビラ」の成分分析
https://55096962.at.webry.info/201807/article_15.html

リビアングラスの生成に隕石の衝突が関わったはず、という説ほとる人はこのクレーターで確定だと論じるが、これは本当にクレーターなのか…うーん? という感じなので、ここでは生成についての結論は特に出さずに置いておく。

今回調べていたのは、このリビアン・グラスの本来の使い方が黒曜石と同じ小型ナイフであったという話を見たのが切っ掛けだった。
えっ…この石… モノ切れんの…?

というわけでまず成分を調べてみたところ、ほとんどがSiO2(二酸化ケイ素、つまりシリカ)。そこに若干の不純物が混じってるだけ。
リビアン・グラスが天然ガラスと紹介される意味が分かった。ケイ素が酸化してるだけだこれ…。

そしてシリカであれば、実は日本でも石器の使用例がある。石英、水晶、メノウなどが仲間だ。
用途としても、黒曜石とほぼ同じ。小型石器として使われていて、矢じりとか、小さなナイフとかを作るための石という扱い。

縄文時代の石器 に使われた岩石および鉱物について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/98/7/98_7_911/_pdf

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というわけで、ツタンカーメンの胸飾りのせいで「アクセサリー用の石」というイメージの強いリビアン・グラスだが、実は元々の用途は石器だったかもしれない。同じシリカというカテゴリに入る水晶やめのうがそうだったように。

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