海を渡る人類、最初の渡海者たちと人類の渡海能力 ~紅海沿岸、出アフリカ

人類はアフリカで生まれ、故郷を旅立って世界各地に旅して広がっていった。いわゆる「グレートジャーニー」だ。しかしその始まりは、まずアフリカを出るために「海を渡る」ところからスタートしている。時代は学者によって説があるが、およそ10万年前から8万年前くらい。 ホモ・サピエンスが種として誕生するのが約20万年前で、インドネシアでトバ火山…

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象牙の違法取引を取り締まるためにマンモスをワシントン条約に入れちゃおう! という斜め上の提案が出される

少なくとも4000年以上前には地上から最後の一頭が姿を消したはずのマンモスが、絶滅危惧種としてワシントン条約のリストに載るかもしれない。そんなニュースが今月、世界を駆け巡った。 まとめると… ・温暖化でシベリアの永久凍土が溶け、大量のマンモス牙が発掘されている ・マンモスは絶滅しているので売買に規制がない ・マン…

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未知なるキノコ学の世界の魅力が分かる本「きのこの下には死体が眠る!?」

タイトルで惹かれて読みだしたらまんまと完読してしまった。たまに山でみつけたキノコをいじくってる程度の、きのこの世界をあまり知らない一般人でも楽しく読める本だった。 きのこの下には死体が眠る!? ~菌糸が織りなす不思議な世界~ (知りたい!サイエンス 57) ちなみにタイトルは、死体が分解されたあとに発生する「アンモニア菌」と…

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争点はそこじゃない アマゾンで大規模火災が! →実は今までもめっちゃ火災発生してたよ…

ブラジルのアマゾンで大規模な火災が発生したということでニュースになっていたのだが、色々報道の仕方がマズいなと思ったので、ちょっとコメントしておこうかと思う。 【解説】 アマゾンの森林火災、どれくらいひどいのか https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-49443871 …

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スコットランド北部でピクト人のシンボルの刻まれた石が新たに発見される。

初期のキリスト教徒の墓地を発掘してたら、思いがけずピクト・シンボルの刻まれた墓石が見つかったよ! という話。元々は1,200年前に作られたもので、1796年に墓石として転用されたらしい。ちなみに何で年代がピンポイントで分かるかというと、墓石に刻まれた墓碑に記載されているから。 Rare 1,200-year-old Pictish…

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この平和な日々は戦いの末にあった。「日本における伝染病との闘いの歴史」

いまの日本は、世界でもトップクラスに清潔な国で、伝染病で死ぬことはほとんどない。 狂犬病もなければ、寄生虫に感染することもめったにない。 少し前にはデング熱の報道がかまびすしく、最近では麻疹の流行が取りざたされているが、それらに対する恐怖感があまりないのは、「感染しても助かるだろう」という希望的観測をすることが出来る環境にあるからだ…

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ツッコミどころしかなくて困る…エジプト~黒海ルートを「葦船で」航海する"航海実験"が開始される

記事を読んでも意味が分からない…。そしてこの自称・航海実験も、全く「実験」になっておらず道楽としても50年遅い。 古代船で黒海からエジプトへ、数千年前の航海を再現 https://www.afpbb.com/articles/-/3240379 「数千年前」と言っているが、ヘロドトスの著書を参考にしているらしいので…

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食用キノコから毒キノコに変更されたスギヒラタケ、その後いったいどうなってるの?

かつて食用キノコとして広く食べられていたにも関わらず、2004年に脳症との関連が疑われ、とつぜん「毒キノコだから食べないで!!」に変更されたものがある。スギヒラタケだ。 農林水産省のページ http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/rinsanbutsu/sugihira_take.html …

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マヤ人「街を焼くぞ!」…マヤ文明の衰退に大規模な戦争が関与していた可能性

文明に対する評価というものは、時代ごとに違うことも少なくない。 マヤ文明についても、かつては「本格的で大規模な戦争は存在しない。あくまで王族や貴族の小規模で儀礼的な戦争だけ」「ただし生贄は多い」という論が強く、比較的平和な文化圏だったと語られることが多かったのだが、近年では「実はけっこう戦争やってた」「むしろ、以前言われてた生贄は言う…

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未踏破地域にまだ遺跡が沢山? インド・ケーララ州の古代墳墓

南インドの巨石遺跡については、以前まとめた記事を参照。 西ヨーロッパで見られる「メンヒル」や「ドルメン」によく似た形状の巨石で作られた遺跡が多数、点在している。インダス文明の衰退後、800年ほどしてから作られ始めているようなのでおそらく直接の関係はない…と思われるが、いかんせん、遺跡の数が多く、しかも範囲が広大、さらに調査もあまり進ん…

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もしも自分が「表現の不自由」展をやるとしたら。

色々モメてほうぼうで騒ぎになっていた「表現の不自由」展。 何が問題だったかというと結局は、  税金を使って一思想のみに傾倒した政治的なプロバガンダをやらかしたこと だったと思う。(一思想のみでなく、左右両派を均等に配置していればここまで炎上はしなかったのだろうが…) つまり「表現の不自由」について語るものではなく、自…

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「クレオパトラのエメラルド鉱山」エジプトのエメラルド鉱山が稼働し始めたのはプトレマイオス朝以降。

クレオパトラが好んだという話から何故か古代エジプトの歴史を通して使われてたみたいに思われていることもあるみたいだが、古代エジプトの装飾品には、エメラルドは使われていない。たぶんエジプト人の好みに合わなかったのだろう。エジプトには確かにエメラルドの鉱山があり、プトレマイオス朝から本格稼働していたようだが、それ以前は鉱山の付近に人間の活動の…

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聖書を研究しすぎて闇落ちした結果…「七十人訳ギリシア語聖書入門」

この本はめちゃくちゃ詳しくて面白い。面白いのだが、聖典を全て是とするキリスト教徒にはだいぶキツい内容になっているかもしれない。 なぜかというと、著者は 聖書を研究しすぎて闇落ちしている からだ。 聖書の成り立ちの曖昧さや矛盾、内容の不備、いやむしろ「聖」書の聖の部分だって人為的に付与された属性だろ? みたいなところから、旧約も新約も…

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尾瀬笠ヶ岳~湯の小屋 今までに一番キツかった山道の話をしたい…。

時間はかかるけどまぁ楽勝だろう、と思っていた道がキツかった。山道は登りより下りで体力を使う、そして整備されたメジャーな登山道より整備の行き届いていないマイナーな登山道のほうが歩きづらい。という話である。 尾瀬笠ヶ岳とは、↓こういうカンジの山。 見ての通り とてもピラミッドっぽい形をしている ので眺めて楽しい山である。 …

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200年後、いつか遺跡になるこの場所。エジプトの世界最大規模の太陽光発電施設

先日、エジプトで建設されていた世界最大規模の太陽光発電施設のニュースが流れていた。 建設場所はアスワンから40kmほどの場所。建設しているのはノルウェーの会社で、例によって他国に借金しての建設になる。「Benban Solar Park」でググると写真などは出てくると思う。 これがものすごく…その、遺跡っぽいんである。 砂漠に…

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粘土板の内容を解読したいのに一部欠けてる!(ビキビキ)→人工知能で続きが判るかも!

これすげー頭のいい人工知能の使い方だなと思った記事。古代の粘土板の「欠けてる部分」がどっか別の博物館に収蔵されていないか、データベースから瞬時に探し出すシステムを開発しているという。粘土板は文字どおり粘土の板なので、長年の間に破片になってしまっており、異なる時期に発掘されたり、同じ博物館の中でも収蔵品の中でごっちゃになっている場合がある…

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グリーンランドに行ったアフリカ人「An African in Greenland」

昔、クールランニング、という映画を見たことがある。 雪の降らない南国、ジャマイカ出身の三人が、ボブスレーという、雪の滑り台をソリで駆け下りる競技で冬季オリンピックに出て活躍する話だ。雪を知らない、雪の上を歩いたこともない男たちが、持ち前の運動神経でソリを操れるようになっていくさまはなかなかに面白かった。 今回それを思い出す話を見…

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「人が殴り殺せそうな厚さの本」は本当に人を殺せるのか。ちょっとだけ試してみた。ちょっとだけな

※バイオレンスな話ではありません 読書好きな人や、何か専門分野にハマって専門書を買い集めている人のお宅には、あまり一般家に無いような大判で分厚い本があるものと思う。 一般家庭によくあるものだと広辞苑とか(最近は無いらしいが)。 そうした分厚い本を指して、よく「人が殴り殺せそうな本」と冗談交じりに表現される。確かに分厚くて重たい…

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多言語のパピルス資料「エレファンティネ・パピルス」

Elephantine papyriとは、エジプトの南部、ヌビアとの境界にあるエレファンティネ島から発見されたパピルス群のこと。日本語でググったけどあんま資料出てこなかったから、とりあえずザクっと纏めておいた。個々の文書については検討していないので概要だけ。 ●概要 175の文書からなる、1000年近くに渡る期間のパピルス文…

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考古学の再現実験のやり方をチャート化しておいた。

考古学の「再現実験」と称するものには、それなりに妥当性のあるものから、参考にはなるけど再現とまでは言えないもの、そもそも論外のものなど様々なレベルのものがある。有名な学者のやってるものが妥当な内容なわけではなく、テレビや雑誌で宣伝されるからといってやり方が正しいわけでもない。ここでは、実験の妥当性がどこで見分けられるのか、という手がかり…

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その図像、ほんとにケルト固有なの? グンデストルップの大釜とガレフーズの大型角杯

「ケルトの図像と言われているものは、西地中海世界ではゲルマンの図像でも在り得る」。 これを説明するのによさげな例を追加で発掘したので、ついでに書いておく。 まずはこちらを見てもらいたい。 ガレフーズ(ガレフス)の黄金の角杯(Golden Horns of Gallehus) 作られたのは5世紀初頭…

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かつて「失われた技術」と言われたダマスカス鋼の秘密と、その顛末。

伝説は、いつまでも変わらず伝説で在り続けるわけではない。 科学技術の進歩によって幻から現身へと変わったものもある。ダマスカス剣の製法もその一つである。 というわけで前置きとかメンドクサイのでさくっと概要からいこう。 ダマスカス鋼の成分は既に判明していて、ダマスカス剣は現代技術だとだいたい再現可能です。 分からないのは…

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