象牙の違法取引を取り締まるためにマンモスをワシントン条約に入れちゃおう! という斜め上の提案が出される

少なくとも4000年以上前には地上から最後の一頭が姿を消したはずのマンモスが、絶滅危惧種としてワシントン条約のリストに載るかもしれない。そんなニュースが今月、世界を駆け巡った。

te.PNG

まとめると…

・温暖化でシベリアの永久凍土が溶け、大量のマンモス牙が発掘されている
・マンモスは絶滅しているので売買に規制がない
・マンモス牙を象牙と偽って売りさばくケースがある
・実際に象牙市場でマンモス牙の製品が発見されている(DNA鑑定で結論づけている)
・加工されたマンモスの牙と象牙の区別は難しい

つまりこれ、象牙の闇取引の隠れ蓑にされるのを防ぐために、現状は何も規制のないマンモス牙も流通の管理が出来るようにしよう、という話なのだ。ちなみに今回の提案は、取引を禁止にしようという話ではなく、「ワシントン条約の附属書IIに掲載して、取引時に許可書を必要とする」、つまり輸出時に確実にマンモスの牙だ、と証明書をつけてから売れよ、という話なのだ。そうすれば現状の、何も情報がなく、売られているのが本当にマンモス牙なのか実は象牙なのか分からない、という状態からはかなり改善されると思われる。

なお、象牙として売られているものの中にマンモス牙が混じってる、という逆パターンもあり、実際に両者が区別なく売買されてしまっているマズい状況が調査から発覚している。

象牙の違法取引調査で「マンモス牙」見つかる カンボジア
https://www.afpbb.com/articles/-/3205261

te2.PNG


既に絶滅した種を絶滅危惧種リストに入れるのはどうよ…とも思うが、記事を読むと、「現存する絶滅危惧種とよく似ている場合、絶滅種を規制対象にできるという条項が存在する」とのことなので、裏技的な方法ではあるが一応、ルールには則っているようだ。


これまでの枠組みでは、既に絶滅した種は規制しようにも規制する方法がなかった。
今回の話もちょっと無理があるというか、法の隙間をついた密輸業者に対し、規制する側も条文の隙間をついてルールを成立させようとしているような微妙感がある。本来は、絶滅した古生物の取引に関する国際的なルールを作ったほうがいいんだと思う。たとえば恐竜の化石などでも、今のところルールがないため、希少なものは片っ端からコレクターに高く売り飛ばされてしまい研究者が手に入れられない、といった事態が発生しうる。実際に問題になったケースもいくつかある。

正体不明の肉食恐竜、全身骨格が2.6億円で落札 パリ
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35120409.html

te3.PNG

ワシントン条約以外の条約から起案しないといけないので時間はかかるが、古生物全体で何らかの取引ルールを設けたほうが、将来のためにもなると思う。