グリーンランドに行ったアフリカ人「An African in Greenland」

昔、クールランニング、という映画を見たことがある。
雪の降らない南国、ジャマイカ出身の三人が、ボブスレーという、雪の滑り台をソリで駆け下りる競技で冬季オリンピックに出て活躍する話だ。雪を知らない、雪の上を歩いたこともない男たちが、持ち前の運動神経でソリを操れるようになっていくさまはなかなかに面白かった。

今回それを思い出す話を見つけた。
雪を知らない西アフリカのトーゴ出身の男性、Tété-Michel Kpomassieがアラスカを目指し、そこで現地住民とまじって暮らしていたという話だ。彼がアラスカで犬ぞりをあやつる様はなかなかにモノになっていた。

https://vimeo.com/166467859

An African in Greenland
https://en.wikipedia.org/wiki/An_African_in_Greenland

An African in Greenland (New York Review Books Classics)
An African in Greenland (New York Review Books Classics)

彼がなぜアラスカを目指そうとしたのかというと、子供の頃にヤシの木に登ったらてっぺんに蛇がいて、びっくりして期から落っこちてケガをしたのが切っ掛けだったらしい。よほど蛇が嫌になったのだろう、療養中に宣教師に借りて呼んだアラスカの本に「アラスカには蛇がいない」と書かれていたのを読み、ケガが治ったらアラスカに行こうと思い立つのだ。

日本人は意外とグリーランドに行っている。というのも、アラスカ先住民の文化を研究している本が何冊か出ているし、写真集もあるからだ。だから情報は持っている。それに現代ならインターネットもある。

しかしこの人がグリーンランドを目指したのは、今から半世紀以上も前なのだ。しかもアフリカの、トーゴという国からグリーンランドを目指して戻って来た人は、そうそういないだろう。ほとんど手探り状態での旅になる。行動力が凄い。

もちろん、冒険譚仕立てになっているので、多少は誇張された部分もあると思う。。しかしアフリカ人としてはじめてアラスカ先住民の村に降り立ち、そこである一定期間を暮らしていたのは事実である。真っ白な大地に犬ぞりを駆り、アザラシを仕留める大柄なアフリカ人の姿は一種、独特でだ。

現地の人も相当びっくりしたようだし、もう100年前なら、彼はもしかしたら一つの神話になっていたかもしれない