古代エジプトのスイカは赤くて甘かった。植物DNAの研究

古代エジプトの墓の壁画に描かれるスイカは、現代のものに似ていていかにもうまそうに見える。しかしスイカだって子孫を残さねばならないので、最初から美味しい果実をつけていたら色んな動物に食われてしまうので困る。
そこでスイカの原種である瓜はククルビタシンと呼ばれる苦み成分を持つように進化しており、果実は、野生のままではとても食えない。

だから苦み成分を作らないスイカは、人間が意図的に改良し、苦みを持たなくても人間の手で繁殖できるように調整したものだと判断出来る。


今回の研究は、19世紀に3,500年前のエジプトの墓で発見されていたスイカの葉から、ククルビタシンを抑えるDNAの有無を調べることで、甘くなっていたかどうかを調べるというもの。この葉のサンプルから、当時のスイカは「果肉が赤くて甘かった」と結論付けられたという。

DNA from mummy's tomb reveals ancient Egyptian origins of watermelon
https://www.newscientist.com/article/2204095-dna-from-mummys-tomb-reveals-ancient-egyptian-origins-of-watermelon/

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ただ、全てのゲノム配列が解読出来たわけではないため、スイカの形状などは不明だという。丸かったのか、細長かったのか…ただ、墓の壁画に描かれている外見を見るに、おそらく細長いタイプだっただろうという。

また、断片的に解読できたゲノムから、スイカの栽培化が始まった地域、もしくは栽培種の原種となるスイカの生えていた地域は、ナイル上流のダルフール付近ではないかと推測されている。なお、ダルフールのスイカの果肉は白いようなので、果肉か赤くなる品種改良も別のどこかで発生していたようだ。



考古学×植物学、といった感じの研究。
最近、植物のDNAに関する研究も各地で盛んにおこなわれていて、様々な種類の作物の起源が少しずつ明らかになってきてるのが面白い。

前から、古代エジプトの墓に描かれるスイカは現代のものに近そうだからきっと甘かったんだろう、なんて言われていたけど、それが証明される日が来ようとは。墓に描いてあの世にも持って行きたいと思うくらいなんだから、川で冷たく冷やしたスイカかち割って食うの美味かったんだろうな…。