クレオパトラの花飾り

引き続き、プリニウスのネタである。

プリニウスの「博物誌」の中、第21巻に「花輪」という項目があるのだが、そこに特別にクレオパトラが宴会で用いた花輪というものが挙げられている。


クレオパトラが宴会において様々な趣向を凝らした演出をしたことは多くの書物から知られている。

たとえば少し前にサントリーから発売された「炭酸文明」というソフトドリンクの怪しげな曰くの元ネタも、クレオパトラがビネガーに大粒の真珠を溶かして飲んだ、という逸話から来ているわけだが、彼女が催した豪華絢爛たる宴にはまだ他にもネタがあるようなのだ。

プリニウス曰く。
「毒見をさせずにものを口にしない、用心深いマルクス・アントニウスを宴に招いたクレオパトラは、客人の頭に載せる花輪に毒を塗っておいた。宴たけなわになったとき、彼女は客人たちにそれぞれの花輪を飲まないかともちかけた。何の疑いもなく花を盃に浮かべて飲もうとしたアントニウスを彼女は制し、盃を囚人に与えた。囚人は即座に死んでしまった」

――ここでは、クレオパトラはアントニウスを暗殺しようとしたのではない。ただ、「あなたは私を用心しているが、私は如何なる手段でもあなたを殺せる。けれども、そんなことはしない」とエゲツナイ脅しをかけているのである。いかにも、自分の女としての魅力を分かっており、エジプトの国を守るためにはいかなる手段も選ばなかった女王らしい一幕である。


さて、この話の前後に、花輪と関連してバラについての説明があるのだが、クレオパトラが特にバラを好んだという記述は見当たらない。クレオパトラは、商材に彩りを添えるネタにしようと思えばいくらでもネタが見つかる女王だが、クレオパトラのバラ風呂はいまだに由来がよく分からない。ていうかエジプトでバラ育つの??

いつかちゃんと調べてみよう…。