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zoom RSS 世界帝国ローマの誕生から分裂まで。「地中海世界とローマ帝国」

<<   作成日時 : 2018/06/27 00:10   >>

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まとめ買いした「興亡の世界史」の中でなんとなく後回しにしていた「地中海世界とローマ帝国」を読んでみた。冒頭部分と巻末の参考書で内容の想像がついて、無難に面白いのは判ってたから後回しに出来た、ともいう。色んなことがありすぎて、本一冊にまとめるのはなかなか大変なローマ史、それを「最初の世界帝国で人間はすべてを体験した」という帯になっているテーマに従ってチョイスしてきた本である。

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「すべてを経験した」とは、たとえば小国にすぎなかった頃のローマが、先進地域ギリシャに学者を送り込んで学び、最初の法律を作ったことが、戦後急成長しようとしていた日本の姿と重なる、といった比較で語られている。もちろん古代における「似ているように見える出来事」が近代の出来事そのままであるはずはない。しかし、原型となる出来事のバリエーションは確かにだいたい、ローマと、ローマに先行する帝国(アッシリア、ペルシア、マケドニア)の歴史の中で語ることは可能かもしれない。それと同時に、国家というものはどうすれば生きながらえることが出来るのか? というのが隠れたテーマだとも感じた。

ローマが、ブリテン島からメソポタミアに至る空前の世界帝国を築き上げたことも、その後は東西に分裂し瓦解していったことも、生き残った東側の帝国はその後、なお千年の命脈を持つことも、あえて述べることもなく知っている人は多いはずだ。その歴史の中で、帝国は何度も変容した。ほかの帝国や国家を見ていても、変容しつづけることは、存続の第一の条件であると思う。状況に合わせて自らを変革できるものだけが生き残れる。

変容したことによって選択を誤り、滅びることもある。しかしローマの場合は、おそらく、選択を誤ったのではなく最初から時限式の栄光だったのだと思う。戦争によって領土を増やし、他国を征服して富を得て、土地と褒章を兵士に配分するから軍事国家は成り立つ。もし新たに獲得されるものがなくなれば、軍事力を維持することは困難になる。エトルリア、カルタゴ、エジプト、パルミラetc、周辺に征服できる豊かな諸外国がなくなった瞬間から、ローマの衰退は運命づけられていたと思う。あとに残るビザンツは、ローマを征服戦争なしで持続できるサイズまで縮めた姿だろうと思う。なので、生存には己の経済力と規模が適切につりあうよう調整することも必要なのだろう。


ところで自分は、カルタゴがローマに競り勝っていたらどうなっていたかとか、エジプトがローマ属州とならず独立を保つにはどうしたらいいか、という歴史ifをよく考える。しかしその答えはなかなか思いつかない。
それと同じように、異民族の侵入を四方八方から受けまくっていた東西分裂前のローマを、そのままの図体で生き残らせる方法も簡単には思いつかない。もし仮に生き残っていたとしたら、逆に、ヨーロッパは大いなる文明の停滞を招いていたかもしれないとさえ思う。やはり歴史は、それまでに編み上げられてきたいくつもの伏線の先に生まれる「必然」なのかもしれない。

そう考えると、今の時代に張り巡らされた伏線のうち、どれが未来に繋がるのかも、少しは気になるのではないだろうか。

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