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zoom RSS 北欧神話の「島」と「大陸(ていうか半島)」の神話/北欧神話の「島」はなくなりませんよ!

<<   作成日時 : 2017/07/23 00:10   >>

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こないだ「島(ブリテン島とかアイルランドとか)側はケルト文化圏じゃなかった」「なので今まで"ケルト"神話って言われてたものも実はケルト神話じゃなかった」という話を書いていたら、「島の北欧神話はどうなるの」みたいな心配してる人がいたので、ついでに――

 島(アイスランド)の北欧神話は、北欧神話で問題ないです。



<根拠>

・アイスランドでの発掘結果から、アイスランドへの移住開始の時期はサガの記録とほぼ同じ。
・島と半島の間の移住記録が固く、現在の住人の遺伝子解析結果からも裏づけがとれている
・アイスランドの神話原典である「エッダ」と良く似た内容が大陸側(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、北ドイツ)にも一部残っており、神名もある程度一致する

 ↓ ↓

島(アイスランド)と大陸側では、全く同じではないにしろ同じ括りで語れる神話が存在したと言える。


逆に言えば、ケルト神話の場合はこれらの根拠が存在しなかったために「島と大陸は別」という話になったのだと思ってほしい。

・ブリテン島やアイルランドの発掘結果から、まとまった数のケルト人が移住してきたとは言えない。少なくとも今まで想定されていた前5世紀には確実な証拠がない
・移住記録は存在せず、現在の住人の遺伝子解析結果からは移住説が否定されている
・島側の神話テキストの内容と一致する伝承が大陸側に見当たらず、神名も一致しない


ってカンジなので、まぁそりゃ…うん…別モノじゃねーかよ! って話にもなりますわ…ね…(´・ω・`)



ただ「北欧神話」の場合は、ケルトとはまた別の、呼び名についての問題が存在する。
「北欧神話」が北欧だけに存在するものではないために、「北欧」という呼び名をいやがる人がいるのだ。

北ドイツくらいならまだ北欧に入れてもいいのだが、フランスやブリテン島に移住したゲルマン系民族も同じ神話を持って移住したので、地理的な意味での「北欧」以外にも「北欧神話」の仲間が存在する。そのため、民族名をとって「ゲルマン神話」と呼ぶのが妥当ではないか、という議論もあったりする。この議論はツッコんだ話をすると学派に別れて戦争になるので、ここではあまり詳細は書かない(笑)
とりあえずウチでは「ゲルマン神話の一部、北欧ローカルなものが北欧神話な。北欧以外の地域の神話は北欧のものと差異がデカいから別扱い」という感じのスタンスにしてある。



というわけなので、アイスランドは間違いなくヴァイキングの子孫(ゲルマン人)で、その神話伝承も元々の移住地であるノルウェーから引き継いでいるので、島の北欧神話が消滅することはないですよ! 安心してね!


[>おまけ
アイスランドの歴史がまた一ページ…首都レイキャビクから植民時代のロングハウス発見
http://55096962.at.webry.info/201507/article_12.html


<<北欧神話のバリエーションに関する細かい話>>

現在「北欧神話」と言われているものの大半はアイスランドの文献(というか"エッダ"がほとんどの情報源)となっているが、それ以外にも「北欧神話」のバリエーションは沢山存在している/していた。ゲルマン諸部族ごとに神話のストーリーなどが若干異なっていた可能性あるが、文字記録として残っているものは限られる。


・北欧神話の原典と呼べる文献は大陸側にも僅かながら存在する(デーン人の事績 とか ヘイムスクリングラとか)

・アイスランド以外の島嶼にも北欧神話と共通する伝承がある(フェロー諸島のバラッド とか)

・実際、ドイツあたりのゲルマン民族の神話は若干異なっており「ゲルマン神話」と呼ぶほうがより広範囲で包括的な名称となる

・ちなみに現在も生きている北欧神話の末裔たちは昔とはだいぶ変わっている。「ホレおばさん」の伝承とか。 ホレ=ホルダ=フリッグ(オーディンの妻である女神)のこと

・「ゲルマーニア」の時代から、いわゆる北欧神話の原典である「エッダ」が書かれるまでにはおよそ1000年。つまり「ゲルマーニア」の時代からはかなり神話が変化している可能性もある


****************

なお、古代の祭りがいかに現代に生き残っているかについては、以下の本をオススメしたい。

「キリスト教化によって、かつての信仰や習慣は完全に失われた」と思っているのは実は正しくない。意外としぶとく生き残っているものたちがいる。それに気づいたとき、単なるキリスト教世界だと一括りにしていた「ヨーロッパ」「西洋」が、実は今もなお多種の文化圏の集合体であり、古代と繋がっているのだということがわかると思う。

ヨーロッパ古層の異人たち―祝祭と信仰
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