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zoom RSS インカの結び目(キープ)は「手紙」として使われたか。新たな証拠を巡る可能性

<<   作成日時 : 2017/04/25 00:10   >>

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最近ナショジオの日本語記事にも流れていた、これ。

インカに「文字」?解読の有力な手掛かり発見か
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/042100078/?P=1

元論文を探しにいってみた。
フリー論文になっていて、買わなくても一般公開で全文が読めるようになっていたので興味のある人はドゾ。

Writing with Twisted Cords: The Inscriptive Capacity of Andean Khipus
Sabine Hyland
http://www.journals.uchicago.edu/doi/full/10.1086/691682

画像


キープとは、「インカの結び目」ともよばれるもので、糸につけた結び目や長さなどで情報を記録するシステム。
アンデス文明には文字が無く、インカでも文字が存在した記録はない。が、このキープというシステムで数量や品目を記録することによって税収や財政など帝国の維持に必要な情報を記録していた。
だが、スペインが侵略にやってきて帝国が崩壊、その後の疫病の蔓延や文化の喪失によりキープを読める人たちが皆いなくなってしまって、今では数字など限られた情報しか解読することが出来なくなっている。(だいたいスペインさんのせいだ。)

で今回の話は、簡単に言うと、「スペイン統治時代のお手紙と一緒に同時代のキープが見つかったから、手紙の内容をヒントにしてキープの数字以外の情報が解読できるかもしれないよ」というものだ。

昔から、キープには単純な数字いがいに高度な情報が記されているかもしれない、という説はあった。が、幾らなんでもノーヒントで解読はできない。今回の話はお手紙と一緒に見つかっていることや、キープを作った人の子孫による証言があるところがミソなのだと思う。解読できそう! と。

…ただ、「高度な情報が記録されている」=結び目が文字になる、ということではないところに注意が必要だ。

文字と記号は明確に区別されなければならない。たとえば、ある結び目が「王」とか「貴族」とかを意味していると分かったとしても、それは文字ではなく記号である。郵便局のマーク〒は、誰が見ても郵便局だと判る。しかしこれは文字ではなく記号。「ある形が一意の意味を持つ」ということだけでは文字とは呼べない。

もし、キープの結び目や色が本当に「文章」として情報を記録できているのなら、それは文字体系と呼んでいいと思う。
だが記号の羅列として情報をサマリーしている"記憶の補助装置"であったなら、文字体系とは呼びづらい。
どちらに近いものなのかが重要だと思う。


<文字と文字でないものの境目を具体的に説明するとこうなる>

・文字による記録

 『明日9時に東京駅で*さんと待ち合わせる』

・記号による記録

 /////////
==■==
 *

「/」一本が数字、==■==が駅、*が*さんを意味する。
意味は判るし情報伝達は出来るが、これは「文字」とか「文章」ではない。



**************************
関連

インカの結び目/文字のないインカだけど、実は文字以上に優れたシステムだったのでは
http://55096962.at.webry.info/201612/article_15.html

「記号」と「文字」の違いとは。"古代人は絵文字を使っていた?"というニュースの"?"の意味
http://55096962.at.webry.info/201606/article_11.html

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