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zoom RSS ゴキブリと歩んできた200万年、敵を知りまた一つ闇の扉を開く「ゴキブリ大全」

<<   作成日時 : 2016/12/27 00:10   >>

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発端
インドネシア帰りの人に「アジアではGはそれほど嫌われていない、そんなに叩かなくてもいい」「そのへんにいるけど素早くない」という話を聞いたこと


…そういやタイのGそんなに素早くなくて怖さが無かったな…?
というわけで、何をトチ狂ったのかゴキブリの本を探してきて読むことにした。

ゴキブリ大全 新装版
青土社
デヴィッド・ジョージ・ゴードン

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※詳細な図解はあるが写真は入っておらず、全体的にグロさはない
※ただし彼奴らについて知れば知るほど絶望が増していくので嫌いな人にはオススメしない



ゴキブリは、身近にいて何かと話題に上がることも多いのに、意外と知らないことの多い昆虫だ。
まず「え・・・」と思ったのがいまだに新種が発見され続けていて、現在3500種にもなるということ。人の住居近くに住むのはそのうち50種ほど。つまり残りの大半は目にすることもなく、生涯のうちに一度も出会うことがない。中には絶滅危惧種のゴキもいるという。

彼らはほとんどが赤道直下の暑い場所に住む。寒さにはとても弱い。だからカナダやロシアではほとんど生息しておらず、大半がアフリカやアジア、中米などの赤道付近に住む。マイナス5度で死ぬ。
だが、ヤツラのうちの一部は「人間と一緒にいると繁殖しやすい」ということに気がついてしまう。
それが我々の「敵」である、チャバネとかヤマトとかクロとかである。

人類のご先祖様がまだ洞窟で暮らしていたころ――ラップどころかフタの出来る土器すら持っていなかった頃、人類はゴキブリに暖かい住処とストックした食物を提供し、連中の繫栄を助ける手助けをしてしまった。そして人が広まっていくにつれ、その住居に次々と連中は住み着いた。大航海時代以降は船や飛行機に寄生して世界各地に広まることになった。

そう、実は一部種類のゴキブリの繁栄は、人類によって後押しされた、200万年の寄生の物語でもあったのだ。ご先祖様はこのメシ食って排泄するだけの寄生虫を養うことにあまり抵抗が無かったようだが、いつの日からか人類は嫌悪感を抱くようになる。

学者は「ゴキを嫌うのは文化的なもので、親から子に教え込まされる感情だ」と言う。ネズミのように伝染病を媒介するわけでもなく、そこまで危険性はないのだと。
確かにそうかもしれないが、一度でも顔の上をゴキブリに這いまわられる体験をしたあとでは、自らの純粋な感情としての嫌悪感を覚えざるを得ない。
クモは見た目がグロテスクだし、ベタベタする巣の糸で人間をイラっとさせはするが、ゴキブリのように人間の皮膚まで齧ったり、涎や涙の水分をすすりに顔に這い上がってくるほど図々しくはない!



何も絶滅させる必要はない。
ただ出会わなければいいだけの話である。

出くわさないためには単純に「餌になるものを散らかさない」、「水場をきれいにしておく」という対処法でいいのだが、しかし、残念ながら排水溝の中や天井裏、床下などはどうしようもない。都会のように人が集まって暮らす環境では、近所に整理整頓の悪い家があるだけでもそこから連中がやってくる。とどのつまり、出会わないようにすることは難しい。

ならばせめて、冷静に、そう、クールに、出会いがしらに倒せるようになりたいものだ。


***************

★この本で学べたゴキブリの戦闘力★


・脳が二つあるので頭を切り落としても数週間は生きていられる。
 数週間後の死因は餓死。

・生涯にどのくらいの子孫を残せるかは不明だが実験室環境では900匹オーバー

・ゴキブリが警戒してから実際に足を動かすまでの時間は0.045秒、人間のまばたきより早い
 (つまり出会いがしらに一撃で仕留めるのは相当難しい)

・それなりの学習能力がある

・家庭に出るゴキの最高時速は5.5キロくらい。人間よりトップスピードは遅いが、加速までの時間が短く急停止も可能。

・数ヶ月で薬剤耐性を得た例がある

・色んな化学薬品に耐性を持ちまくっているゴキブリ(通称HRDC)は、薬剤開発の実験用に研究所で繁殖して使われている

・核攻撃をしても放射線耐性が高いので、広島クラスのを食らっても生き残れる
 むしろ核の冬で食べ物がなくなって死ぬ可能性のほうが高い


***************

それにしても、ゴキブリがヨーロッパでは18世紀くらいまではあまり一般的な虫ではなかったというのは意外だったな…。

都市化で適した環境が増えた & 元々いなかった地域まで船で輸入された っていうのが大きいんだろう。日本は温暖な気候なのでゴキはわりと昔からいたけれど、ヨーロッパにとっては前世紀まで「なんか体の柔らかいカナブンみたいな未知の虫」っていう扱いだったみたい。17世紀半ばの扱いは「カカローチと呼ばれる、臭いフンをするインドの虫」。シェイクスピアの生きていた頃には、コックローチという単語すら無かったんだとか。

あ、でも、エジプトみたいな暑い国だと、紀元前から関わりはあるんですよ。


[>古代エジプト人「ゴキブリ・ゴミムシまじ怖い。」 死者の書36章は死体を蝕む虫と戦う呪文だった
http://55096962.at.webry.info/201402/article_7.html

※この本には「死者の書にはゴキブリの姿は出てこない」と書かれているが、上記のとおり、姿は出てくる。ただしこれはゴキブリのみを指しているわけではなく、おそらくゴミムシの一種をメインに、似たような虫全般を指している。そして「死体ほ毀損する(ミイラを食用とする)虫」という扱いであり、生活を脅かす虫としては出てこない。


***************

★おまけ ほかの国のゴキ事情★

聞き取りにより集まった情報まとめ以下のとおり。
おそらく「種類の違い」「この国の文化(ゴキを嫌うか否か)」「天敵の有無」「住み着いた時期(昔からいたか舶来ものか)」などの要素が絡み合って、その国ならではのゴキブリの認識、対処の仕方などが違うのだと思われる。

それぞれ1人〜2人から聞いた内容なので、必ずしも国単位でこうなっているわけではないと思うが、ゴキのすみやすい赤道に近い南アジア周辺で「巨大なゴキと共存する人類」という図式が見られているのが興味深い。極東エリアは、ゴキブリ大嫌いなのに倒せない、という人類軍とG軍の最前線みたいになってる。なるほどテラフォーマーズなんてマンガが生まれるわけだ…(笑)


--- 倒したいけど倒せない国 ---

・台湾 - 日本同様のGとの戦い

・香港 - 日本同様のGとの戦い


--- 今は余裕で倒せる国 ---

・アメリカ東部 - いるけど楽勝

・アメリカ西部 - いるけど楽勝 最近上陸した舶来のチャバネは危険

・シンガポール - Gはいるがそれほど強くない ダストシュートに一杯いる

・メキシコ - ゴキはイグアナで倒せる


--- 特に倒そうとしていない国 ---

・タイ - いるけど勝てる でかくてノロい あんまり人間と対立してない

・インドネシア - 飛ぶけど勝てる デカい

・オーストラリア - 都市にうじゃうじゃいる 戦闘力は不明 巨大なゴキをペットにしている

・オランダ - シミという虫がゴキのポジション

・ラオス - ゴキは鈍いがヤモリが素早い ヤモリがゴキを食っている

・スリランカ - ゴキはかわいいやつ扱い

・マレーシア - デカいが勝てる 家の密閉性が高くない国


--- そもそもいない国 ---

・カナダ - ゴキがいない清浄の地

・アイスランド - 見たことが無い

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