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zoom RSS ギルガメシュとエンキドゥのセッ○は、史実としてアリだという話

<<   作成日時 : 2016/12/25 00:10   >>

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まぁ本当にヤッたかどうかはともかく、現代人が二次創作でアリかナシか悩んでるのは片腹痛いという話です。
というわけで、某所で見かけた「古代メソポタミアに男性同士の性交はあったのか」という議論。

 あります。一般的です。

史実として証拠があるんで…。
禁止でもなく推奨でもないが、「自由恋愛に性別は関係ない、男でも女でもオケー」という扱い。なのでギルガメシュ叙事詩の問題のシーンにおいても、BLとかヤオイとかホモとか耽美とか気張る必要はなく、己の原典解釈に従えばいいと思います。


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<参考書>

メソポタミア―文学・理性・神々 (りぶらりあ選書)
法政大学出版局
ジャン ボテロ

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面白い本なのに、いま取り扱いないのかぁ(´・ω・`)
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上記の本から、関係するところを抜き出してみましょう。
古代バビロニアにおける自由恋愛の項より。

"同様に倒錯者の男娼もまたよく知られている。生真面目を気取った恥ずかしがり屋の辞書編集者たちは、明らかにそれとわかるもの以外は「祭司」「俳優」などとして可能な限り語彙をごまかそうと苦心惨憺しているのだが…。彼らもまた、組織的な同業組合とまではいかなくとも、ある種の集団を作っていたらしいが、その詳細についてわれわれは何も知らない。少なくともさまざまなカテゴリーがあって、そのうちでもアッシンヌ、クルガッル、クルウなどは最も知られたものである。しかしこれらの名称そのものからはほとんど何もわからない。逆に非常にはっきりしていることは、彼らはいずれも同性愛においては、受け身の役を演じていたということである。人々は彼らを「女性的な者」と見なしていたが、この形容については後でまた触れよう。われわれはこうした人々の中に女の名を持った者がいたことも知っている!"


第一線で活躍していた大学者、ジャン・ボテロが言うんだから仕方ないですね。男娼はみんなネコなんですね。
でもまだこれ序盤ですからね。

"彼らが必ず宦官であったとか、肉体的に変形させられたとか、生まれつき性的欠陥があったと証明するものは何もない。彼らのうちのかなりの部分はそうであった可能性はある。しかしある者たちには必ずしも養子ではない子供がいて、明らかに前もってなんらかの術をほどこすことなしに職業についた可能性がある。"


参考としてこちらもどうぞ…

「ホモは古代エジプト・古代メソポタミアの時代からいた!」→ホモを疑われる人々は皆、両刀使いです。
http://55096962.at.webry.info/201607/article_1.html

"われわれは彼らの職業活動について、これ以上詳しくは知らない。しかし先にも言及した同類のもののなかには、やはりストローでビールを飲みながら相手を背中にまわして性行為を行っている男の姿を描いたものがあって、たぶん同じように居酒屋においてであると思わせる。この体位は性的営みについて叙述している卜占(ぼくせん)タブレットすべてに共通して出てくるものである。一家の主人が使用人を同性愛の相手にしたこともあったが、その場合プロが相手でなかったことは明らかである。娼婦とまで行かなくとも、婚外の性関係をもつことが可能だったこととやや状況が似ている。アッシリア中期の「法典」は、このような同性関係が同じ身分の人々の間でも存在したことを示唆しているから、必ずしも主従関係にのみ依拠していたわけではないことがわかる。"


ただし、これらはバビロニア人の「自由恋愛」という枠内で語られるものだということも同時に言及されてます。

 ・同性愛が禁止されたり恥ずべきものとされたことはない
 ・しかし同性愛は異性愛に比べると少なめ
 ・少年愛という特別なジャンルは存在しないように思われる
 ・両性具有に言及された例はない
 ・神々が同性愛をした例はない


これらの史実を踏まえた上で、「シュメール人原作のギルガメシュ伝承を萌え要素過多の叙事詩として魔改造したのがバビロニア人」「ギルガメシュとエンキドゥがイチャラブすぎて辛い」「ギルガメシュの母が息子に”その者に接吻するでしょう”とか予言してる」というあたりをご検討いただきのすと、現代人の二次創作レベルのイメージは、バビロニア人が既に通ってきた道であると主張する理由も、お分かりいただけるのではないかと…

ギルガメッシュ叙事詩を改めて読み比べしたらバビロニア語版だけおかしい気がして来た
http://55096962.at.webry.info/201510/article_11.html

そもそも「同性のセッは倫理的に問題がある」「ホモは差別しろ」みたいな概念が最近のものなんですよ。時代によって違うのは当たり前。ボノボだって同性で性的な遊びをするし、群れを作る動物の世界では普通なのかもしれない。
近代は体位より性別や年齢にタブーが置かれてますが、古代だとむしろ体位のほうにタブーがあって「この体位はアリかナシか」とか議論があったりするのが面白いです。
古代メソポタミアの体位は、基本的にコレ↓です。

画像

※ビールを飲みながらヤるバビロニア人の図


まあこの体位なら男も女もイケますね。
性行為の成功を祈る祈祷文の中には「男同士の性行為の成功」というものもあるようで、まあなんだ、あれだ、やっぱり男同士でも初めての時は緊張したのかなぁとかなんとか、フフッ

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なお、翻訳は訳者のセンスとか単語のチョイスによるところが大きいので、気に入った作品や神話は、ほかの人の訳で読んでみるとイメージが変わって面白いです。本棚に同じタイトルの本が並ぶハメになりますが…(笑

特にギルガメシュ叙事詩は完全に残ってるものがなくて元となる粘土板に欠損があるものばかりなので、残ってるものをどう繋げるか、どの版を採用するかでもけっこう違うんです。

矢島訳の文庫版でもあらすじはわかるんですが、好きなのは月本訳版ですね。
バビロニア語版とかアッカド語版とか、言語ごとの区別もつけてくれているので、バビロニアさんの魔改造っぷりがよく判ると思いますYO。

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というわけで古代メソポタミアも面白いですよ? バビロニア人と一緒に薄い本の塔を築くもまたよし。おいでませこちら側の世界。

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