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zoom RSS シェイクスピア「アントニーとクレオパトラ」 ――これは、喜劇である。

<<   作成日時 : 2016/09/19 00:10   >>

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シェイクスピアの作品は、キャラが喋って、動いてナンボというところがある。
小説とかじゃないので台本だけ読んでもつまんないんである。でも今回は映像を見たあと邦訳の台本も読んでみた。なんでかっていうと、アントニーが突然キレ出す理由がわかんなかったから。

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結論から言うと、 文章で読んでもよくわからん。

アントニーはクレオパトラが裏切ったと思い込む→クレオパトラ、やり過ぎたと思って何故か自殺したことにする→アントニー真に受けて後追い自殺しようとするも死に切れず→クレオパトラはパニックに、アントニー死亡→結局クレオパトラも死ぬ

っていう流れだと思うんだけど、そもそもキレてる理由が全く分からない。アントニーは終始、言動の一致しないなんだか良く分からない男のままであった。そして愛におぼれるクレオパトラもまた滑稽だ。死の直前の彼女は39歳アラフォー。子供も三人いる。古代世界においては分別をもつ立派な大人の年齢である。にも関わらず、女王という立場からも、一人の女性の立場からも、妻や親としても不適切な行動ばかりをとっている。

これは昼ドラ的な中年男女の愛憎劇、いや、喜劇である。みんなマジメにバカを演じている。クレオパトラがいかに美しかろうとも、その感傷的な死を笑わずに済ますのは、少々難しいような気がしている。

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説明すると、この作品はシェイクスピアの戯曲の一つで、古代エジプト王国の最後の女王、クレオパトラ7世と、最後の愛人であるマルクス・アントニウスの関係、政敵との決戦、そして破滅を描いたものである。

アントニウスはローマの権力者の一人だが、愛欲に溺れてローマに帰ろうとしない。その間にライバルのオクタウィアヌスはアントニウスを失脚させるキャンペーンを行い、二人は激突することになる。

結果、アクティウムの海戦でアントニウスは敗北し自刃。勝利品としてローマへの凱旋に添えられることを拒否したクレオパトラも自殺し、独立王国としてのエジプトの歴史は終わる。この史実を男女二人のメロドラマ仕立てにしたものが「アントニーとクレオパトラ」。
内容はプルタルコスの記述に因る所が大きいという。


これが若い男女の、立場や家柄に縛られて思うように結ばれることの出来ない、敵国同士の若者の話とかだったらまだ同情できたんですけどね。冒頭に書いたように、歴史上の実際の二人の年齢はいい年だし、制約とか立場とかふりきってやりたい放題した結果の破滅なんで、やっぱり「喜劇」としか。

それにしても、この時代から恋愛脳の「スイーツ(笑)」な女性像ってあったんだな。
この作品の中のクレオパトラは、まさにそれだと思うから…。


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あと、バーナード・ショウの描くクレオパトラだと、全然違うイメージになってて面白いです。

「教育されるクレオパトラ」B・ショウの戯曲 "シーザとクレオパトラ"が描く新しいクレオパトラ像
http://55096962.at.webry.info/201605/article_12.html

実際のところ彼女は「政治家」であったと思うので、女を武器に使いはしても、恋愛脳な人ではなかったと思う。冷静に自分の見せ方を計算できる人だったはず。でなきゃローマの実権を握る男たちを篭絡して意のままにするとか出来ないよ。

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