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zoom RSS エジプト政府の遺跡ビジネス:エジプトでの発掘はすべてエジプト政府に政治利用されている。

<<   作成日時 : 2016/07/09 00:10   >>

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まあ見方によっては、というべきかもしれないが…
他の国でも多々あることだが、エジプトで発掘する外国の発掘隊はすべて、エジプトさんに政治利用されている。「政治とカネ」ならぬ「政治と学問」。今日は、業界外の人が外から見えていることをちょっと語ってみたいと思う。

まず最初に言っておきたいのは考古学者は職業であり、調査や発掘でメシを食っている人たちである、ということだ。考古学はお仕事! れっきとしたお仕事なのですよ。自分で稼いだお金で趣味で発掘してるとかじゃなければね。

今のエジプトさんの発掘とは、ざっくり言うとこういう図式になっている。



エジプト政府>

発掘資金がない。学者も人材不足。
 しかし遺跡と遺物は豊富。
 そこで海外の調査隊に手弁当で発掘してもらおうとしている。
 いい遺跡や派手な発見があれば観光客も呼べる。

外国の調査隊>

 自分の実績のためにエジプトで発掘がしたい。
 予算が下りないとメシが食えないので発掘権や調査権がほしい。
 エジプト政府が許可を出すので、怒らせてはいけないと思っている。

 

古代エジプトは古代史の中でも人気ジャンルだし、何か見つければ必ず報道されるから、発掘したいとか調査したいとかいう引き合いの手はいくらでもある。
エジプトさんは「いいんじゃよ、文句あるなら何も触らせないよ?」と言えるわけで、お察しのとおり、この図式はエジプト側に圧倒的に有利。エジプト学者とかはエジプトさんの気分次第で手も足も出なくなってしまうので意に反することは出来ない。

自らはお金を出さなくても、外国の調査隊がお金を持ってゾロゾロやってきて掘り出してくれる。そして遺跡や遺物が出れば、それらはすべてエジプトさんのもの。発掘や調査のために現地の人を雇って雇用も生まれる。いわば考古学はカネ稼ぎの手段の一つなんである。

ついでに大々的に宣伝のできる発見があって観光客が来ればなお万々歳。観光業は、エジプトさんの主な外貨獲得手段である。

これが、遺跡ビジネスと言われるゆえん。
つまりエジプトで発掘や調査をしている学者さんたちは、エジプトに資金援助をしに行っているようなもんなのだ。


しかも、発見の発表内容やタイミングは、すべてエジプトさんが管理している。以前何度かこそっと書いたとおり、エジプトさんはテロ事件などがあると、ネガティブなニュースにポジティブな遺跡発見などのニュースをぶつけてインパクトを削ごうとする習性がある。

ついでに、エジプトさんの政府は「エジプトは偉大な歴史を持つ立派な国である」という国民へのイメージ戦略をやっているが、遺跡発見ニュースなんかはそれにも利用されている。


お金を貢いで実績を買っている学者さんたちは、自分のキャリアと明日のごはんのために必死だが、その行為は根本的にエジプト政府に政治利用されている。高潔な学問は汚い政治とは無縁! とか思っている世間知らずはまさかいないと思うが、考古学ほど政治に利用されてきた学問ジャンルもあまり無いと思う。

ちなみにほかの国の考古学の政治利用例では、こんなものがある。


・ペルー

 まだプレ・インカの研究が進んでいなかった頃、インカの起源は中米の先行文明なので中米のほうがエライという説を覆すためにマヤ・アステカより古いインカ以前の文明が捜し求められてた。結果的にインカはインカで別の起源を持ってたことが判明したものの、今に繋がる「文明はどっちが古いか・古いほうがえらい」みたいな争いの一つ。

・ドイツ

 偉大なるゲルマン民族バンザイ、俺たちは優秀な人間である! という思想がはびこった。結果はご存知のとおりです…

・イスラエル

 とにかく遺跡が出てきたらぜんぶ旧約聖書に当てはめようとする。イスラエルが古代から自分たちの民族のものであると裏付けようとすることに余念がない。出エジプトとかも史実として扱われちゃってる

・インド

 リグ・ヴェーダは史実とする派閥が強く、インダス文明はリグ・ヴェーダに繋がるアーリア人の遺跡とする説が幅をきかせている。そのためインド国内でのインダス文明の研究は明後日の方角になっている…


・中国

 ちゅうごくごせんねんのれきし! を現実のものとするためのファンタジー工作が現在進行中。色んなものの起源地とか最古の○○とか

・日本

 三万年前の沖縄近辺に日本人の祖先が移住してきていた!と主張し、島嶼地帯は三万年前から日本の領土、というファンタジー史観が現代進行形で形成されようとしている



政治利用にも色んなパターンがあるが、だいたいロクな結果にならないのはドイツの例を見るまでもなくお察しのとおり。そして面白いことに、エジプトを含むどのパターンでも、当事者である現場の学者たちの抵抗がほとんど見られない。むしろ嬉々として利用されたがっているように見える。余計なことにこだわると実績を上げられず、抵抗のあるような人は考古学ではメシが食えずに消えていってしまうのかもしれないな。








本当は、考古学こそ、最も政治と"戦う"べき学問なのではないかと、時々思うんだよね。


#アベガー! とかそっち方面じゃなくて

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