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zoom RSS 日本の遺跡から稲を発掘する。「DNA考古学のすすめ」

<<   作成日時 : 2016/02/02 00:10   >>

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タイトルにDNAってついてるから骨の分析でもすんのかな? と思いながら手にとってみたら植物の遺伝子分析をしてる人の本だった。そして植物の種や花粉、特にイネについての分析をしてる研究者だった。

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内容はそんなに難しくなくて中学生あたりからでもいけそうな感じ。DNA抽出の方法や、実際に遺跡からどんな感じでモノが見つかるのかといった話など具体的に話をしてくれているので分かりやすい。

へえ、と思ったのは以前読んだ本にあった「縄文時代にも農耕はあったのではないか」という説がさらに進んでいて、縄文時代に稲作があったことが既に確定されているということ。決め手はプラントオパール(イネ科の植物が取り込んだ珪素の結晶)だそうだ。これにより、縄文時代に稲作があったことが確実だと言えるようになったらしい。
ただ、当時はまだ「水田」ではなく、品種もうるち米ではなくもち米だったようだが。

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遺跡の土からは、色んな植物の一部が出てくる。それは、当時の遺跡周辺の景観を明らかにするものであるとともに、遺構からだけでは見えない人間の暮らしを知る手がかりとなる。
ただ、出てきたものを分析するのは人間なわけで、そこには解釈の余地が生まれる。

以前引っ掛かった 弥生時代にバジルが伝来していた、という話題 と同じで、「渡来して一時的にそこに自生していた」ものなのか、「死んだ植物だけ持ち込まれた」のかの区別なんかは、なかなかつかないのではないかと思う。

本の中にも例として書かれていたが、今とつぜん災害で日本が滅びたとして、上野の動物園跡が何千年かあとに発掘されたとしたら、未来人は、ゾウやキリンが「日本に住んでいた動物ではなく持ち込まれたもの」と正しく判断できるだろうか。未来の気候が今と全然違っていて日本がサバンナになっていたり、ゾウやキリンが絶滅してほとんど記録が残されていなかった場合は、誤認されてしまうかもしれない。

逆に言えば、現代の我々が発掘して見ている古代人の住居跡なんかでも、当時の人からすれば自明のことが判っていなくて、とんでもない間違いをしている可能性があるわけだ。

データはデータとして、解釈の部分はやっぱ大事だよなぁと思った。
DNAを解析しても、それは万能ではない。他のジャンルと組み合わせないと効果的な使い方が出来ない。


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植物の遺伝子解析とか、地味なジャンルだけど面白いんだよね。遺物だけでは見えてこない風景が再現できるから。よほどの発見がないと一般向けには報道されない分野だと思うけど、地道に証拠を積み上げていく系の学問が好きな人にはオススメのジャンルかもしれないです。

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