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zoom RSS 「トルコのもう一つの顔」の続編、「漂流するトルコ」を読んでみた。

<<   作成日時 : 2016/01/04 00:10   >>

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トルコのもう一つの顔」が面白かったので、続編となる本も探してきて読んでみた。前作出版から20年経過した2010年の本。ちゃんと、トルコから追い出され隣のギリシャに入った前作ラストの場面から続いているので、尻切れトンボになっていた続きを知りたい人は探して読もう。

漂流するトルコ―続「トルコのもう一つの顔」
旅行人
小島 剛一

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こちらは前作に比べ内容がよりキツい感じになっていて(たぶん前作で校閲を喰らった部分をそのまま出しているから)、枠外に用語の補足などがついていて分かりやすくなっている。旅行記っぽさのあった前作と違い、今回は、いかにトルコの少数民族の現状を世の中に伝えられるか、という部分が大きいかと思う。外交官とのやりとりや警官からの尋問など、ヘタな小説より緊迫している。

しかしそれにしても…
著者はフランス在住なのに、フランスの大学でトルコ語を教えるために赴任してきている人物がトルコ政府のスパイで、身辺を嗅ぎまわられるとか、なんつーか一般人はしないような体験だなぁ…(汗
スパイ小説かと思ってしまうところだが、トルコはそういう国らしい。
そしてトルコさんと同時にトルコからの難民を多く受け入れているフランスさんの闇、難民の虐待や監視…の部分なんかも薄っすら見えてくる。難民問題はシリア内戦で最近始まったわけではないんだと分かる。

それと、国外に出れば「難民」だけど、村を国に焼かれても国外に出なかったら単に「避難民」と呼ばれる、というのは、言われてみればそうだけど、言われなきゃ気がつかなかった。トルコ国内には果たしてどのくらいの、故郷を追われた少数民族がいるのだろうか。国内問題なので外から手が出しづらいだけに問題が重そうである。そういう人たちが、現在、爆弾テロを起こす反政府勢力になっているのだろうと思うと根が深い。


前作から今回の本までの間に、トルコは、タテマエ上は「トルコは多民族国家である」ことを認めたことになっている。また近年、EU入りを希望していることもあって死刑制度の廃止や一定の人権配慮など変化している部分もある。しかし実際に著者が国外退去をくらっていることからも分かるように、その変化は多分いまは表面上だけのものだ。隣でソ連が崩壊したショックを今も引きずっているせいだろう。トルコもいつか四散してしまうのではないか、と。広大な領地を持つ民族の寄せ集めな国ならではの悩みだろうか。

イスタンブールあたりに遊びに行くと、いかにもヨーロッパ風の近代的な町で、過ごしやすい国だと思うのだけれども、ここ最近のクルド人地域への空爆や、ISとの繋がりの噂、首都ですら頻発するテロの具合なんかを見ていると、どうしても裏の顔のことを考えてしまう。つかISよりPKKを優先して攻撃してるあたりで、もうトルコさん何やってんのか全然わからんからね…。



著者は、トルコの新聞に勝手に自分の名前と、書いてもいない内容を掲載された経験もあるという。
しかもそれが訂正もされない。「うわぁ、、、」って感じだった。いや日本の大手新聞社でもそういうのよくありますけどね(ちらっちらっ) ネットの無かった90年代末までは、一回新聞に載せられてしまったらもう一般人にはどうしようも無かったので、大変だっただろうなと思う。

トルコの出版社に預けた原稿が勝手に改ざんされるとか、出版されるはずのものが出版されないとか、いかにも情報統制をやっている国らしいエピソードもあって苦笑してしまう。結局、著者はラズ語という少数民族の言語についての本を出版した直後にトルコからの永久追放を食らってしまうのだが。


そんな著者だが、最近は日本語のウェブサイトも作っているらしい。今の時代は、新聞が間違ったことを書いても、本人が即訂正を入れられるのだからいい時代になったものだ。それが都合の悪い国だとインターネットを検閲してる場合もあるけれど。

名前でググるとブログなどが出てくるので興味のある方はどうぞ。
おいらは言語学は全くダメなので、著者の専門分野である言語学の話が全然分からなかった(´・ω・`)が、お遍路話の部分ですれ違った人の方言を分析してたりするあたりさすが言語学者だなと思った。

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