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zoom RSS それほど暗くはない中世の技術事情 アジアとヨーロッパの逆転はいつ起きたのか

<<   作成日時 : 2015/12/10 00:10   >>

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同じシリーズの「中世ヨーロッパのxx生活」を読んでいたのでとりあえずシリーズもの制覇すっかなーと買ってきたのがこれ。ちなみにxxには「都市」とか「農村」とかが入る。間違っても懸賞生活や無人島生活ではない(笑)



まぁそんな目新しいことは書いてないしスラーっと読める感じかなぁというところ。
タイトルにある「大聖堂」「製鉄」「水車」のもたらした技術革新の概要を知っていれば、だいたい本書の内容は想像がつくのではないだろうか。

大聖堂 → 宗教にカネ突っ込むようになり壮麗な教会がたくさん作られた。広い空間を確保できる高い天井を作る技術が誕生。

製鉄 → 特に農耕器具の発達によって農地改革が進んだ。

水車 → 粉引きに人力が要らなくなったことによる大幅な労働力の削減。

中世に集落の景観と人々の暮らしを大きく変えた要素が盛り込まれているわけだ。
かつてのヨーロッパ史では、ローマ終焉後、ルネサンスが始まるまでのヨーロッパは知の停滞を伴う「暗黒時代」と呼ばれていた。しかし最近では、記録があんまり残ってないだけで技術革新がとまっていたほけではない、という方向に考えが変わりつつある。それが本の前半部分の話で、後半からは特に中国から輸入された技術知識について詳しく説明している。紙や火薬、羅針盤といったものだ。

ヨーロッパには、エジプトやメソポタミアからの遺産もある。また一時期にはアジアから多くをとり入れて発展してきた。逆転現象が起きるのは14世紀。中国では火薬を使った兵器の開発は停滞していたが、ヨーロッパは戦争利用するためにソッコーで大砲や大型銃火器を量産しはじめる。また中国ではかつて自分たちの生み出した技術の大半を忘れてしまうが、その記録はヨーロッパに残された。

後半を読んでいて思ったのは、ヨーロッパの中国びいきというか、過大評価ってのは、このへんから来てそうだということだ。たぶん彼ら「中国」は昔からずっと中国だったと思ってるんだけど、途中で政体も民族もガッツリ入れ替わってたりするし、楼蘭は現在は中国領土だけど元々中国じゃないだろう…。馬具なんかも、中国っていうより中国奥地に住んでた騎馬民族のほうだよね?

「古代中国」を「現代中国」の版図に重ねるのは、「ヨーロッパ」を国の違い無視して「ヨーロッパ」とひとまとめにするのと同じくらい危険だと思う…(笑) 

いや日本も昔は中国さんから色々教えてもらってたんですけども。
あの頃の中国さんはもういないわけで…。
「中国が」自らの発明品を忘れた、というよりも、そもそも中国なんて国はなくて、その地域に興った国が変わったからリセットされたっていうのが近いんじゃないかな。


本は、中世の終わりとして大航海時代の異文明との出会いあたりで終わっている。
言及している時代が長いので、どの時代も中途半端に細切れになっているのは否めないが、全体の流れを知る上では分かりやすい本だと思う。

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