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zoom RSS 水中考古学の代表的事例と日本の発掘。

<<   作成日時 : 2015/12/23 00:10   >>

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水中考古学 で検索するとだいたいこの著者が引っ掛かってくるんだ…
多分いまの日本で一番有名な一人なんだろうな。

水中考古学 - クレオパトラ宮殿から元寇船、タイタニックまで (中公新書)
中央公論新社
井上 たかひこ

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水中考古学は水の中にある遺跡の考古学で、陸上の考古学との一番の違いは"発掘(アプローチ)手法"。なにしろ水の中にあるので、まずダイビングできる人がいなきゃならない。土を階層ごとに掘り下げていくようなことも出来なくて、海底の堆積物をそろそろーっと取り除いていくような感じになる。

場所柄、対象は沈没船であることが多いが、エジプトのアレキサンドリア沖に沈む、かつてのクレオパトラの宮殿のように、天災などで沈んだ「町」「遺構」であることも多い。日本だと琵琶湖の「湖底」遺跡あたりが有名ですかね。

水中考古学は、対象物が水中にあるものの「考古学」のひとつのジャンルには違いなく、しかも地球は陸より海など水中に没している面積のほうが多い。人類の歴史の多くが水中に隠されているのは言わずもがなだ。ただし水中に長時間もぐるということ自体、空を飛ぶのと同じように、技術の発達を待たなければ可能にならなかった。このジャンルが最近になってようやく発達してきているのは、潜水技術の進歩によるところも大きい。「これから」のジャンルなのだ。


そんな水中考古学の代表的な事例を挙げて、沼ならぬ海へ誘おうと熱烈アピールしてきているのが、この本。エルトゥールル号やクレオパトラの宮殿、ヴァーサ、タイタニック、マリー・ローズ号なんかは有名どころなので、考古学に興味がない人でも知っている人は多いかと思う。日本が関わってくるのは本の後半部分だが、中国と日本との間の交易船や、いわゆる「南蛮交易」の船なんかは意外と日本人でも知らないんじゃないかと思う。

日本は世界的に見て、文献資料が豊富な国だと思う。
大昔から政体が一定していたこと、支配民族が変化しなかったこと、かなり早い時点から文字を持ち文字記録を残していたこと――などがその理由として挙げられる。おそらく千年前の自国の文字記録が残っている国は、世界的にあまり存在しない。が、それゆえに、逆に文字以外の資料が軽んじられる風潮があるのではないかと思う。

元寇船の話を読んだときにそう思った。元寇についての絵巻物や文字記録は見た覚えがある。学校でも習ったような気がする。が、元寇兵士が確かに日本に来ていた証となる遺物など見た覚えがないのだ。まして船の実物が今もアクセス可能な場所にあるというのは、「あー言われてみれば確かに、そこで沈んだんだから今もそこにあるよなぁ…」という感じだった。

たぶん文字記録に頼りすぎてるから、書かれてないもの(書かれたけど失われたもの)は逆に想定もされずに放置されてると思うんだ、日本の"歴史期"の考古学って。奈良で何か遺構が発掘されたときも、それが何かを考えることをせずに、まず文献を漁って、「xxって書いてあるからたぶんこれはxxだ」と想定してしまってから掘ってるケースがあった。最初に想定してしまうと、そのワクに沿った発見しか出来ないから、本当はやっちゃダメな気がするんだけど、「大事なことは書いてあるに違いない」っていう文字信仰みたいなのが(一部の人かもしれないが…)強い。

琵琶湖に沈んでいる遺跡のケースもそうだったが、水没して失われた遺跡って必ずしも文献に残ってるわけではないと思うんだ…。



日本で流れる水中考古学のニュースといえば、「沈没船と豪華な財宝」のイメージだが、それは単なる宝探し。本来はこういうものなんだ、というのが分かるので、水の中の遺跡に興味がある人はこの本あたりで勉強してみるといいと思う。そしていつか、誰か瓜生島の謎を解いてくれまいか。瓜生島! 日本のイスの町。水の中にも古代のロマンは沢山あるんじゃよ。

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