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zoom RSS マジカル変身★死者の書! 呪文で変身できるABC

<<   作成日時 : 2015/09/02 00:10   >>

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エジプトの死者の書といえばフルでそろえると200章もある超絶に長い「冥界攻略マニュアル」。
その中の77章から88章は色んなものに変身するための呪文。でもなんのためにそれに変身するのかはイマイチよく分からない。

…お経みたいなもんですからね死者の書。
そうそう分かりやすい内容だと有り難味もないってもんです。でも現代の感覚だから意味が分からないというよりは、古代人自身も良くわかんないまま伝承してた可能性があったり。

とりあえず全章リストから変身の部分の呪文だけリストアップしてみた。

※英語タイトルは大英博物館出版の資料から。


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第76章

Spell for being transformed into any shape one may with to take
人自ら欲する如何なる者にでも己を変ずる呪文

第77章

Spell for being transformed into a falcon of gold
黄金の鷹に変化する呪文

第78章

Spell for being transformed into a divine falcon
聖なる鷹に変化する呪文

第79章

Spell for becoming an elder of the tribunal
法廷の主催者となる呪文

第80章

Making transformation into a god and giving light and darkness
暗黒の中に光与うる神に変化する

第81章

Spell for being transformed into a lotus
水連に変化する呪文

第82章

Spell for becoming Ptah, eating bread, drinking beer, purifying the hinder-parts, and being alive in Heliopolis
プタハ神へと変化し、パンを食べ、ビールを飲み、自由に歩行し、ヘリオポリスにて活ける者となるための呪文

第83章

Spell for being transformed into a phoenix
不死鳥ベヌウに変化する呪文

第84章

Spell for being transformed into a heron
アオサギに変化する呪文

第85章

Spell for being transformed into a living soul and not entering into the place of execution.
He who knows it will never perish

活ける魂に変化し呵責の部屋に入らざるための呪文

第86章

Spell for being transformed into a swallow
燕に変化する呪文

第87章

Spell for being transformed into a snake
蛇(サ・タ)に変化する呪文

第88章

Spell for being transformed into a crocodile
鰐に変化する呪文

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76章は前段とでもいうべき部分。この呪文はパピルスに描くのではなく死者に似せた像に刻むものらしい。

77章はタイトルのまま「黄金の鷹」へと変化するというもの。王の五重名の中に「黄金のホルス名」というのがあるので、そこに通じているのかもしれない。

78章は「蒼い鷹」へと変化するというもの。ホルスの名前も出てくるが、ホルスそのものというより天空神になるという意味合いにも読み取れる。というか77〜78章の呪文は、オシリスとかラーとかがまでいなくて、ホルスが王そのものであり最高神であった古い時代の呪文を、そのまま受け継いでいる可能性もありそうな気がした。



79章は法廷の主催者とか神々の年長たるものという言葉が出てくるが、「我はアトゥムの神にしてヌトを生み出すもの」という内容からして、神々の始祖であるアトゥム神に変化する、という呪文だと思う。

80章は「世界の始まりにありて闇を照らす」という呪文からして太陽そのものに変化する…のではないかと思われる。

81章は水連、ネフェルテム神に変化する呪文。

82章はネフェルテム神の父、冥界神プタハへと変化する呪文。

83章は不死鳥ベヌウへと変化する呪文。そもそも死者の魂は不滅だといっているのに敢えてここで不死鳥になる意味はよく分からない。死者の書は色んな呪文の寄せ集めなので、前後の統一性がないのは仕方がないのかもしれないが。

84章はアオサギに変化する呪文。ベヌウもアオサギじゃねぇか、という話だが、別々に呪文があるので仕方がない…。ちなみに83章と84章の違いは、

 83章→ベヌウが世界の始まりに自らを生み出したという神話に絡み、「自らを生み出せしもの、形なき物体より存在するに至れり、ケペル(ヘプリ)の如く在り」という内容が入っている。

 84章→なぜか「我は強き牡牛なり」とか書いてあってアオサギあんまり関係ない。捧げものとされた獣を支配する、というような内容になっているので、墓の供え物としてのアオサギを指しているのかもしれない。

絵で区別する場合は、頭にアホ毛のついてるのがベヌウのようだ。

画像


85章はそのまんま、「我はラーの活ける魂…」という呪文となっている。80章でも太陽になっているのにここでは太陽神ラーに化身しようとしている。

86章はツバメに変化しようとする呪文なのだが、内容が不思議だ。「我はツバメ、サソリの神、ラーの娘」となっている。まず死者が男性だったらこの呪文おかしいんじゃないか、という話もありつつ、ツバメなのにサソリってどういうことだよともツッコみたい。ちなみにサソリの女神で有名なのはセルケトだが、彼女はツバメに化身することもあったのだろうか。

87章はヘビに変化する。「我は再生のヘビ」と言っているが、このヘビただのヘビではない。何しろ足が生えているのだ。「完全にヘビになれてないじゃん足でてるじゃん」というツッコみを誰もしなかったのだろうか(笑)

88章はワニ。まんまワニ。なぜワニが必要なのか何も書かれていない。きっと冥界の川を渡るとかのクエストに必須の呪文なのだろう。





…これらの変身の呪文が何のために「死者の書」に入っているのか、今のところうまく説明するのは難しい。そもそも宗教文書なんてものは理屈がなくても「そういうものだ」と納得してナンボなところがあるので、こういうものだと思うしかない。

しかしあえて理屈をこねてみるならば、変身の呪文が示したかったことは「汝は世界のすべてである」「普遍的にあまねく存在せしものとなる」ということではないだろうか。


死者の書が使われていたころの古代エジプトの死生観では、死者は冥界へ赴き、冥界の神オシリスと一体化する。つまりオシリス神そのものとなる。そして同時に、朝がくるごとに地平線より復活する太陽とも合一する。つまり、「死者の書」そのものが「変身」のための大いなる儀式の呪文書、と言うことができる。


ゆえに死者の書に変身の呪文が入っているのは不思議なことではなく、むしろ書かれていないだけで、「すべての動物、すべての神々、あらゆる存在に変身可能」くらいの意味合いだったんじゃないかと思うんである。変身する内容にやたらと鳥が多いのは、やっぱ死んだら空飛んでみたいよねーみたいなカンジで鳥の人気が高かったからじゃないかと思うんだ。

というわけで、もしあなたに「死んだらなってみたいもの」がある場合は、ここらへんの呪文をいじくって自分専用のオーダーメイドな呪文を作るといいと思うよ。何にでもなれる、そう、オシリスの信徒ならね!

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