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zoom RSS ヤマナ族が裸族だった合理的な理由を考えてみた

<<   作成日時 : 2015/02/15 00:10   >>

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ヤマナ族を詳しく扱った資料が見つからない、何故か途中で脱線してヤノマミ族に行っちゃったりして進まないのでもう、忘れないうちにとりあえずまとめておくことにした。


●ヤマナ族とは。

シャマナ族、ヤーガン族とも言う。
南米の南のほう(いわゆる"パタゴニア"地域)に暮らしていた先住民。アステカだとかインカだとかの文明を築いた人々と同系統だったかどうかは不明だが、外見的には似たようなアジア系の顔立ちをしていた人々。ただし現在では生粋のヤマナは一人しか残っておらず、残りは混血。
多くがチリ側に住んでいる。


画像とかはてけとーに検索してください。ネタっぽい写真が一杯でてくると思いますがガチです。


住んでいたとこはこのへん↓
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住んでたとこが南米最南端、つまり南極にほど近い寒い地域だったのに、ヤマナ族は服を着ない、いわゆる裸族だった。しかし人間の寒さに対する耐久度なんか大して変わらない。イヌイット(カナダの北極圏に住む)やサーミ(北欧の北極圏に住む)なんかは、アザラシやトナカイなどの毛皮を使ってあったかい服を作り、家も耐寒のものを造って耐え凌ぐ。なのに南極に近いパタゴニアに住むヤマナはほぼ全裸で家もてけとーである。なんでなん? それほんま生きていけたん? というのが昔からずっと気になっていた。

現地行ってきたついでに、ちょっと考察してみる。




●パタゴニアは意外とあったたかかった

まず一つが、北極圏に比べて南部パタゴニアは意外とあったかいということだ。
ていうか北極圏も森はあったんだけどさ、積雪量が違う。海流のせいなのか日照時間のせいなのか、気候にあまり詳しくないので詳細な理由は不明。だが冬季でも海が凍らないことは確かだ。

ヤマナ族がかつて住んでいたという住居跡はこんなかんじ。

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ここは森の中で、周囲が山に囲まれている湾なのであんまり風も吹かない。
山は高度1000mあたりで植生限界を越えるのだが、その下は南極ブナに覆われていて植生は豊かだ。

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冬の平均気温は、最低の月で5度くらい。 →参考 ウシュアイア
北極圏は-20度くらい平気でいくことを考えれば、相当あったかいといえる。


そして森があるということは、火を燃やすための木材調達も楽だということである。
遠出しなくても、裏庭から木を拾ってくればいいのは大きい。

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●食料の調達が容易

海に出ればアザラシなんかもいるが、ヤマナ族は積極的に大きな獲物を採りに行かなかったようで、主食は湾で取れる貝や魚。つまり住んでるとこの目の前の湾にちょろっと出かければ、ごはんが手に入る生活をしていたらしい。

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ここの透き通るような水の中には、たくさんの貝がいた。
手づかみでとれる感じである。カニもいたし、国立公園のシンボルとして使われているカモなどもうろうろしている。

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苦労して食料調達する必要がなく、天気のいい日にちょこっと出て行って食べ物を集めて、寒い日は家の中で火に当たって過ごせばいける。雪が降ることも滅多にないのだから、意外と冬季でもいけたんじゃないかという説。まあでも一枚くらい着てもいい気はするんだけども…。



●毛皮をとれる動植物があんまりいない

そもそもヤーガン族の暮らしたあたりには、実は毛皮を取れそうな大型生物があんまりいない。グァナコやリャマのような毛皮をとりやすい動物がいなかったために、コストと実益の兼ね合いから、むりに服を着ない道を選んだという可能性もある。

アザラシの皮が手に入れば確かに服にはなったのだが…。肉がめちゃくちゃウマイとかあれば別だけど、取りにいくコスト考えたら敬遠するのも致し方なし。カモの羽毛や、そのへんに生えているコケなどは服に使えなくもないのだが、残されている写真を見る限り、彼らはそれを飾りとして使ってしまったようだ。




まとめると、

・北極圏に比べると寒くない、服着なくてもギリ死なない
・食べ物をとりに遠征する必要がない
・服を作りやすい大型動物が近くにいない

…といった条件が重なって、着衣文化が育たなかったのではないかと思う。
ヤーガン族は決して特別に寒さに強い特殊な人種だったわけではない。我々と同じふつーのモンゴロイドである。慣れによる寒さへの耐久度はあったかもしれないが、なんかすごい血流器官を持ってたとか、気温が下がっても霜焼けにならない不思議な皮膚を持っていたとか、そんなのではない。だとすれば、常識的な範囲で服を着なかった理由を考える必要がある。




他のアメリカ大陸先住民と同じく、ヤーガンの祖先たちはヨーロッパからの侵略者たちとの接触により、免疫の無い疫病や、土地を巡る争いによって多くが死に絶えてしまった。かつてヤーガンの暮らした土地は国立公園となり、今はもう、そこには誰も住んでいない。

けれど時には思い出してみてほしい。
アフリカを出た人類が5万キロの旅の果てに最後にたどり着いた、世界の終着点の美しい風景の中に暮らした人々が、かつては居たのだと。ヤマナ族は、最も偉大な冒険者たちの子孫だったのだ。

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