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zoom RSS サバイバル都市メキシコシティーと死の聖人サンタ・ムエルテ

<<   作成日時 : 2014/05/15 00:10   >>

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ナショジオチャンネルの「ペテン観光都市2 メキシコシティの特急誘拐」に、サンタ・ムエルテが出るらしいーというので早速チェキってみた。
http://www.ngcjapan.com/tv/lineup/prgmepisode/index/prgm_cd/1390


●サンタ・ムエルテとは?

今メキシコで着々と信者を増やしつつある新興の地方聖人。アステカ時代の神を復活させて聖母信仰とチャンポンにしたもの。おどろおどろしいドクロに死神の鎌を持つが、どんな人間からの祈りも拒まず受け入れるという。

以前紹介したときの記事は↓これ。この時は「麻薬聖人」なんて呼ばれていたけれど、現在は殺人犯、誘拐犯、売春婦などありとあらゆる罪深い商売の人々にとっての第一の神になっているという。

現代メキシコにアステカの死の神が復活― 「サンタ・ムエルテ」信仰
http://55096962.at.webry.info/201005/article_2.html



●番組の内容

公式サイトより

観光地で待ち受けるペテン師たちに、わざと騙される!

世界的に有名な観光地の闇を暴き出す。コナー・ウッドマンが隠密捜査を敢行。罪なき旅行者を食いものにする詐欺師の面々と対峙する。観光地にはびこる悪どくかつ巧妙に仕組まれた詐欺の実態に迫る。あなたに代わってコナーが詐欺に引っ掛かる。


…というもの。

いかさまギャンブル、パチものだらけの闇市などに潜入するのは序の口、狙いはメキシコシティで頻発する、観光客狙いの「特急誘拐」の手口を暴きだすことだった。これはタクシー運転手が乗客を人気のないところに連れ込んで銃で脅し、ATMから現金を引き出させるという誘拐だ。誘拐犯と接触するため、コナー・ウッドマンは犯罪者たちの聖人であるサンタ・ムエルテの礼拝堂も訪れてている。


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寸感:
 メキシコシティまじ修羅の国。


いやーテオティワカン行ってみたいんだけどねえ…。
スリはまぁいいよ、南米のごちゃごちゃした町はもう体験済みだし雰囲気は分かるよ。でもさー乗ったタクシーが誘拐犯ってのはちょっとなー…。
前にエクアドルで新婚さんが強盗殺人に巻き込まれてましたが、やっぱ流しのタクシーやばいんすね。
流しじゃなくてもヤバそうなのがメキシコの恐ろしいところですが。
警察が頼りにならないというのは目が点です。そりゃ麻薬戦争終わらねぇよ。ていうか治安どーした。


メキシコシティに行くときは絶対ガイドつけよう、そんなことを思いつつ、サンタ・ムエルテの話に戻りますよ。
礼拝堂はいろんなところにあるみたいですが、番組が訪れていたのはそのうちの一つ、メキシコシティで最も治安の悪い地区にあるこちら。真っ白でこぎれいな、外見だけだと南米のキリスト教特有の地域チャーチみたいな感じなんですが…

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…祭壇にいらっしゃるのは、このお方なのです。
死の聖人。いや聖母。黒髪もふつくしいドクロの顔をもつお方。

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ああ、やっぱり現地の人もアステカ時代の冥界神ミクトランテクトリをイメージして作ったんですねこれ…。
全く新規の神ではなく、ご先祖の崇めた神の流れを汲むからすんなり受け入れられたというのもありそう。

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死神の鎌を持ってるみたいなんだけど? と聞いたコナーに対して礼拝堂の管理人が答えます。
厄払いで武器を持つ神様は日本にもいるので、なんともいえませんね。

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死をもって生を象徴する。それがこの国の思想。

アステカではなくインカの話になってしまうが、かつてインカでは、インカ皇帝は死後もミイラの姿で生きていると考えて、それを輿に乗せて定期的に民衆の前前を練り歩いたという。明らかに死んでいる肉体だが、形がある限りは、別の形で「生きて」いる。死せる肉体は、第二の永遠の生を象徴する。

だからドクロの顔を持つ聖人は、その顔を持って「生」を意味することになる。死せる聖人は、ミイラとなったインカ皇帝と同じく、生者を導くものとなりえる。

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そして多分、ここが教義の中で最も肝要な部分だと思う。

 「何も誓わずとも、我々をお導きください。」


スペイン人の到来とともに与えられた外来の宗教は、人類に勝手に「罪」をなすりつけ、良く分からないまま罪を償えという。そして、信者に契約を迫り、信仰することを強制しながら見返りを与えるとは限らない。信じるものしか救わないくせに、模範的な清く正しい生き方をしないと救われるチャンスはめぐってこない。生きるために犯罪に手を染める人々は、自分たちはその神には決して救われないと知っている。だから誰でも助けてくれるサンタ・ムエルテに祈るんだと思う。

「誓う」というのが、神への約束、契約のことだとするならば、それを棄ててサンタ・ムエルテに祈る人々は、もはやキリスト教徒ではないだろう。ある意味でよいことだと思います。彼らは一度奪われた祖先の神を自ら取り戻すことに成功したのですから。押し付けられたまま受け入れて融合しちゃった諸民族は歯軋りしてるんじゃないかな(笑)

ちなみに番組の最後に登場した誘拐犯も、サンタ・ムエルテを信仰していると告白していました。「彼女は何者も拒まない」、と。それはつまり裏返せば、キリスト教の神は自分を拒み、救ってくれない、という意味だと思います。

助けを求めるあらゆる人間を受け入れる聖母のごとき寛容さをもって、死の聖人は、これからも信者を増やしていくのだと感じさせられる番組でした。

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