現在位置を確認します。

アクセスカウンタ

zoom RSS 「いつも綺麗に使っていただきありがとう」ーそれは社会心理学の実験結果だ…。

<<   作成日時 : 2013/02/25 00:10   >>

トラックバック 0 / コメント 0

わりとどうでもいい話題なのだが、こんなのを見つけた。

トイレの「いつもきれいに使って頂きありがとう」に違和感あり
http://news.livedoor.com/article/detail/7414187/

「いつもきれいに使っていただきありがとうございます」──初めて訪れたコンビニやファミレスのトイレでよく見かけるこの張り紙。どこか違和感を覚えないだろうか。“しゃべりのプロ”であるフリーアナウンサー・梶原しげる(62才)にはどうもひっかかってしまう。

「この言葉には意図があって、感謝というかたちで“トイレを汚すな”というメッセージをオブラートに包んでいるんですよ。こういうのを見るとね、言葉フェチで言葉ストーカーの私は気になって仕方がないんですよ」(梶原、以下「」内同)


一般人は知らんでも無理はないのだが、私はこの言い回しの理由を偶然にも知っている。
決して故なくして、こんな言い回しが流行ったわけではない。
「どういう言い回しで注意した時に人が最も従うか」という心理学実験の結果、日本人の場合、感謝を込めて行動を支持されると従いやすいという結果が出たというのが根底にあるんだ。


親にすら忘れられているけれど、私の大学での専攻は社会心理学だった。

私が大学に在籍していた時には、注意書きとその効果に関しては既に先行する研究がいくつかあって、先輩が名古屋大学の人と共同研究していた覚えがある。ググってもソースが出てこないのだが、その時の研究内容は、名古屋大の駐輪場で、以下の様な張り紙をして、違法駐輪がどのくらい減るかという観察だった。

・駐車ルールを守りましょう(標語)
・ここに自転車を止めてはいけません(単純な禁止)
・ここに自転車を止めるとxxxに罰せられます(罰則をチラつくせる)
・ここに自転車を止めるとxxxな人が困ります(他人の迷惑をチラつかせる)
・いつも公道をあけていただきありがとうございます。(感謝)

張り紙の選択肢の内容はウロ覚えなのだが、だいたいこんな感じで何種類かの看板を用意してみたところ、「マナーを守っていただき、ありがとうございます」のような感謝形の文言が最も効果的という結果になったのである。

先輩は当初、「困る人がいる」という文言が最も効果的だと踏んでいたので、この結果は予想外だったと言っていた。あるいは日本人は、他人からどう思われているのかというのが至極気になるメンタリズムを持っていて、他人に「いい人」と思われていると認識すると、本当にいい人らしく振舞おうとするバイアスが働くのかもしれない。

…と、いう流れから私の卒論がソッチ系の内容になったわけだが、まあそんなわけで、「トイレを綺麗に使っていただきありがとうございます」は、この時の研究に沿ったルールで作られた注意書きなんだと思う。



ちなみに、名古屋大は今も駐輪場で色々と実験をしているようで、ググってみたらこんなものが見つかった。

大学構内におけるコミュニケーションによる放置自転車の削減
http://www.jcomm.or.jp/4th_jcomm/pdf_file4/PB-34.pdf

相変わらず放置自転車がネタになっているあたり、どうやらあの時の研究結果を持ってしても、構内の放置自転車は減らなかったらしい(笑) 
「〜していただきありがとうございます」の標語だって万能ではない。同じ標語を何十回も見ているうちに効果が薄れるというのも、あるんだろう。


ま、心理学ってぶっちゃけ、単体ではあんま役にたたない学問なんで。

人の心理を操って違法駐輪が完璧に無くせるような魔法の呪文をひねり出せる学問というわけではなく、焼け石に水だけどちょっとは温度下げられるよね的な、そんな感じ。

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

「いつも綺麗に使っていただきありがとう」ーそれは社会心理学の実験結果だ…。 現在位置を確認します。/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる