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zoom RSS アーサー王伝説「石に刺さった剣」の刺し方が思ってたのと違ってた件

<<   作成日時 : 2012/03/08 00:10   >>

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石に突き刺さった剣、というモチーフは、最初からアーサー王伝説に存在したものではない。

マビノギオンにも、アーサー王伝説を歴史として書いたジェフリー・オブ・モンマスの著書にも、宮廷文学として仕立てたクレティアン・ド・トロワの物語にも、石に刺さった剣は登場しない。
それは13世紀頃の写本からはじめて組み込まれるようになり、15世紀のトーマス・マロリーの「アーサー王の死」まで受け継がれていく。

というわけで「石に刺さった剣」の描写なのだが、13世紀の写本のイラストがなんか思ってたのと違ってた。

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垂直に石にさすんじゃなくて、ナナメにこう、「石の割れ目にはさかってる」みたいな感じ。
ソース↓

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アーサー王伝説がいちばん沢山書かれた13世紀の写本の挿絵がこぞってこんな感じなんである。
もちろん他の絵師の描いた挿絵の構図を踏襲することもあったんだろうとは思うが、作者も製造場所も異なる写本で共通してるってことは、その当時の「石に刺さった剣」っていうのは、これで違和感なかったってことなんだろう。

…なんていうか、垂直にまっすぐ刺さってるもんだとばかり思っていたので、これはこれで発見が新しい。
鉄床の割れ目に「挟まった」という感じだなーと思いながらよくよく読み返してみると、最初に「石に刺さった剣」が物語に登場し、挿絵イラストが描かれ始めた頃は、石の上に置かれた鉄床に剣が刺さってたのである。石じゃない! そりゃ、この描写になるわ!

で、15世紀のマロリーの「アーサー王の死」を読み返してみると、鉄床が消えて「石に垂直に」剣が刺さったことになってる。おおぅ200年経つ間に物語が変わっちゃってる…?


というわけで、石に刺さった剣は、最初は、超自然的な力で石に「突き刺さった」んではなく、力任せに割れ目にぶち込んだら抜けなくなりました、力持ちさんしか抜けないよテヘッ★ みたいな感じだったのが、のちに神の力で垂直にザックリ刺さったんだよ、という感じで、物理的におかしい部分はぜんぶ「神の奇跡」ってことにして変えられちゃったようだ。


細かいところだけど、意外とこれ重要な改変部分なんじゃないのかな…。


***************

<2013/11/1 追記>

なぜか文内に登場する「はさかる」という方言に引っかかっている人がいるようなので。

「はさかる」 は 阿波弁で「挟まる」の意です。

ただし、標準語の「挟まる」とは若干ニュアンスが異なり、狭いスキマにぴったり入っていて、取れそうなのに取れない、みたいな雰囲気の時によく使われる言葉です。

例)「 網戸とガラスの間にセミはさかっとう」=セミがはさまってる
  「歯にモノはさかっとう」=食べたものがはさまってる

机の間に書類が落ちてる場合などは「はさかる」とはあんまり言いません。狭い隙間などに、入っちゃいけないものが入っちゃってて落ち着かない、みたいな。そういうニュアンスを出そうとすると「はさかる」以外の単語が浮かばなかったんだ! はさかってるから取らなきゃ。もうちょっとで外れそうなのに、あぁー見ててイライラしてくるわー。

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