テーマ:その他の神話・叙事詩

現代人も心が痛い訓戒集。「シュルッパクの教訓」

古今東西、「教訓文学」と呼ばれるものを持つ文化圏は多く在る。 たとえば古代エジプトの「プタハヘテプの訓戒」「イプエルの訓戒」「アメンエムオペトの訓戒」など訓戒シリーズや、古代北欧の「オーディンの箴言」など。父親や神など年長者から息子や弟子、後世の若者などに伝える形式となっている。 古代のメソポタミア、シュメール人にもそれはあった…
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クルド人の祖先にまつわる伝承と、肩先のヘビの話

以前、クルド人の口承伝承について気になる記述を見つけたことがあった。 「古代ペルシャにはザッハークという残虐な王がいた。両肩からヘビが延び、全身に痛みが走る。ある日、医者に化けた悪魔から『若者の脳みそを両肩のヘビに食べさせれば痛みは収まる』と聞かされ、王は毎日、二人ずつの若者を殺させるようになった。だがある日、若者を殺すのをためら…
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原始キリスト教と同時代に分岐。歴史はあるけど知名度低い「マンダ教」について

日本語でマンダ教の資料探しても全然出てこないのである…。 Webだとこのへんとか。 謎の古代宗教「マンダ教」の教団をイラクで訪ねた https://bunshun.jp/articles/-/12218 唯一載ってたのがこの本で、元々グノーシス主義の本なので一節だけ使って概要と神話の一部が書かれている程度。ただ、ある程度…
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東地中海世界の文化圏の交錯:キプロス島から古代エジプトの遺物が発見される。

キプロス島は、東地中海のちょうどいいとこに存在する島である。 エジプト文化圏とも、メソポタミア文化圏とも、アナトリア文化圏とも、そしてギリシャ文化圏とも被っている。なのでそれらの遺物が重なって出土する。 今回報告されている発見も、その一つだ。 Gold Jewellery From The Time Of Nefertiti …
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北アメリカ先住民社会とイケニエの儀式。人身御供はインカやアステカだけじゃないよという話

天文学の本を読んでいたはずなのに、そこに出てきたネイティブ・アメリカンの一部族、ポーニー族のイケニエ儀式の詳細な描写が気になって調べはじめてしまった…。 ポーニー族というのはアメリカ中部のネブラスカ州あたりに暮らしていた人々。 近隣の大部族、スー族とは敵対関係に合ったため、ヨーロッパからの入植者に協力してスー族を追い払わせたとい…
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そいうやメディア王国ってちゃんと調べたことなかったよなー、というわけで軽く調べてみた

メディア王国(Media)とは、かつてイラン高原にあった王国。北方から移動してきたインド・ヨーロッパ語族の民族集団とされる。 マンガ「ヒエトリエ」の↓このシーンで有名なハルパゴスさんもメディアの武人である。 西側の国境は分かってるのに東側が謎で、知名度のわりに意外と分かってないこと多いな…とか思ったので、ちょっと真面目に…
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「九人の司祭たちの魔法の指輪」。スペインに伝わるリアル指輪物語の話

スペインのガリシア地方には、「千年前に生きた、清貧を誓った九人の司祭たちは、癒やしの力を持つ指輪を所持していた」なる伝説があったんだそうだ。 その指輪のうち四つが最近、修道院の修復中に見つかったという。 これはなかなかにファンタジーだな! 面白そうじゃん! というわけで、ちょっと調べてみた。 https://www.bbc.c…
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「世界最古の幽霊の図」、古代バビロニアの悪霊払いタブレットで発見される

紀元前1,500年頃のバビロニアで作られた悪霊払いの儀式を描いた粘土板を調べ直したら、幽霊の図がうすーく描かれていることに気がついた、というもの。 大英博物館がバビロニアで回収して大量に所蔵する粘土板のうちの一枚で、サイズは片手に収まるくらいだということなので、かなり小さくてよくよく見ないと絵を判別出来ないのだと思われる。 Ol…
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ヴァイキングが北米に定住した年代を特定!→従来説どおりでした

いや、コロンブスより500年前にヴァイキングが北米行ってたのって今もう定説化されてますよね? みたいな。 しかも年代も従来の文献研究などからの推定と同一だし。 なので、新発見が! というよりは、考古学的な知見でも文献研究からの推定が正しいことが示唆された という話である。 研究自体は面白そうだけど、これまでの研究経緯を知らない…
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キリスト教はいかにしてユダヤ教から分離したか。「キリスト教の幼年期」

歴史書でも宗教学でもなく、微妙に中途半端だったのと、本一冊ぶんあるわりに抜粋したら内容はそんなに濃くないな…という感じ。 でもまあ、たぶん好きな人は好きかも。ざっくり言うと、キリスト教が母体となるユダヤ教集団から独立して、「キリスト教」という別の宗教団体として成立するまでの約100年を詳細に書いた本である。 キリスト教の幼年期 …
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「神の怒りに触れて滅ぼされた町」は隕石の爆発によって滅びたのでは? →その研究ちょっと怪しいです。

なんかね、このテの研究が出てきたら、まず眉にツバ塗ってから大元の論文を見に行くのオススメします。 旧約聖書の内容はすべて史実に基づくはず、という思想があり、記述に沿って証拠を並べる考古学者が一定数いるから。今回のもまさにソレですね…。 「天の火」で滅亡した都市ソドムか? 中東の遺跡に隕石爆発の痕跡 https://news.y…
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ヒッタイト帝国はなぜ滅びたか。もしかして、移民が多すぎたんじゃ…

ヒッタイト帝国がなぜ滅びたか、については諸説あるが、はっきりしていない。 「海の民」に滅ぼされたとするのももう一昔前の話で、多少の難民が襲ってきたくらいで大帝国が滅びるわけが無いだろ、というのが常識となっている。帝国が消滅する前、内政のゴタゴタや天災による飢饉などが重なっていたようだから、政情不安だったところにトドメを刺したのが「…
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[逆じゃねーか]古代オリエント世界でのエジプトの浮き具合

エジプトとヒッタイトの地図を見比べていて、ちょっとしたことに気づいてしまった。 どちらも「上の国」と「下の国」という言い方があるのに、その位置関係が真逆。 どういうことなのかを地図で出してみると… ★エジプトの場合 ナイル川が方位の基準になっていて、川の上流(=南)が「上の国」、川の下流(=北)が「下の国」。 …
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文書破棄も楽ではない。粘土板文書時代の書庫整理にはショベルを用意して

アフガニスタンがわちゃわちゃになり、各国大使館員が取るものもとりあえず退避するに当たり機密文書の処理をしている話を見て、ふと思ったことがある。 紙の文書なら燃やせば処分は可能である。完全に灰にしてしまえば、復元もできなくなる。  ――しかし、粘土板文書はどうなるのか。 古代メソポタミア周辺で多く使われた、あの筆記具…そもそ…
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西アジア世界の青銅武器の変遷を軽くおさらいしてみた

蛮族は! 武器が好き!!(バーン 通信講座で青銅製武器の変遷とか履修してきたので、その確認として。 エジプト以外のメソポタミア周辺の西アジア地域の傾向として、青銅製武器の形状が、こんなかんじで変化していくという。 ・青銅製の剣 紀元前2,000年ごろに有茎式からソケット式に形が変更される ・斧(主にイラン/それ以外の地…
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ギリシャの夏、蝉のなく声。

日本の夏といえばセミの声。オリンピック中継でもセミめっちゃ鳴いてるなっていうのが外国人に指摘されていたりした。 だが、セミがうるさいのは別に日本やアジアに特有の話ではない。アメリカの13年セミや17年セミのみならず、ヨーロッパでも大量に発生してウルサイ奴らはいる。 古代ギリシャの古典にはちょくちょくセミの話が出てきたよな…と思っ…
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古代エジプト人もピタゴラスの定理に相当する何かは知っていた。古代世界の数学事情

わりと最近、古代バビロニア人がピタゴラスの定理を知っていて応用もしていた! みたいな話が大々的に報じられていたけれど、うーんいや、それ別に新発見じゃなくて昔からあったよねえ…と、ちょっと思った。 数学問題の解き方として数式などが紹介されているけれど、どう解釈すればいいのかが悩ましく、解釈によって古代人がどこまで理解していたかの説が変わ…
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アングロ・サクソン時代の「ソード・ピラミッド」、宝石はインドかスリランカ産だった

ソード・ピラミッドとは何ぞやという話だが、ブリテン島のアングロ・サクソン時代に剣留めに使われていたピラミッド型の飾りのことである。 こういう感じのもの。2コでセット。 大英博物館のコレクションでは「ピラミッド状のソード・ハーネス」という呼び方をしている。だいたい6-7世紀頃によく使われていたらしく。金と宝石を組み合わせて…
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古代の騎馬民族の話をする時によく出てくる「スキタイ」についての覚え書き

スキタイ(Scythians)は、ヘロドトスの著書で有名な、かつて黒海沿岸に住んでいた騎馬民族である。 ウマ利用の歴史を語る際にはほぼ必ず言及されるが、他の騎馬民族も同時に複数存在していたため色々わかりにくい。そして相変わらずウィキペディアがイケてない感じになっているので、自分用にまとめておくことにした。 ●民族としての「ス…
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南インドに最初に伝来したキリスト教は東方正教会系だった、というのをちょっと調べてみた

南インドには、一定数のキリスト教徒が存在する。 外務省サイトによれば、キリスト教徒は2.3%、少数派だ。大半は南インドに存在する。 しかし調べていくとどうもこのキリスト教、かなり古い時代からインドに存在するようなのだ。 そして、インドにあるとは思えないほど正統的なキリスト教教会がある。 こんな感じで。 https://…
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知られざる山頂の都市、秘境シウダー・ペルディーダについてのメモ

ナショジオチャンネルで、コロンビア北部にある天空都市、シウダー・ペルディーダ(Ciudad Perdida)をやってたのでダラダラ見ていた。山頂に造られた「失われた都市」、ガッチリした石組み。マチュピチュの小さい版みたいなところがあるが、建物が全く残っていない。どうやらマチュピチュと違って建物の部分は木製で、腐って消えてしまったらしい。…
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解読の見込みのない「未解読文字」ロンゴロンゴ、その最近の研究について

ロンゴロンゴ文字は、イースター島の住人が使っていたとされる文字である。 19世紀後半に発見され、収拾された二十数点ほどの品が全てであり、それ以外の資料は無い。読める人もおらず、未解読文字とされている。 詳しくはWikipediaとかで見てほしい。 にほんご https://ja.wikipedia.org/wiki/%E…
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トロイア戦争の概要が一通りわかる良入門書「トロイア戦争 歴史・文学・考古学」

歴史書コーナーにあったけど、タイトルどおり「歴史」視点の第一部、「文学」視点の第二部、「考古学」視点の第三部に分かれているので、実はどれでもあったりする。全部の視点をまとめた概要書になっているのでバランスも良く、初心者でも読みやすいと思う。 トロイア戦争:歴史・文学・考古学 - エリック・H・クライン, 西村 賀子 歴史視点…
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ヴァイキング時代の織物と、作るためにかかる手間暇についての覚書

最近発掘された、ノルウェー中央のヴァイキング時代(850~950年ごろ)の裕福な女性の墓から、羊毛の織物が見つかったというニュース。 ヴァイキング時代の織物が発掘されることはなかなかないのでこれは貴重な発見。 Unique Viking Textiles Found In Woman’s Grave https://archa…
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ファンタジー世界によくあるアレ~壁に囲まれた町の起源とその発展型のメモ

町を壁で囲うのは、周囲に敵がいるからである。 動物の敵なら柵でだいたいいけるので、石積みの高い壁をあえて作るなら、それは人間の敵を想定しているものと思っていい。 最初に町の周囲に壁を作り始めたのはメソポタミアの都市国家で、たとえばウルの町なんかは再現図だとこんな感じになっている。 町の周囲に高い壁があり、中心部には都市の神をま…
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よく考えると「一次文明」っていう概念が謎すぎた。そもそも「一次」なんて無いのでは?

「一次文明」とは、自力で最初に登場した文明、という概念である。 最初に提唱したのはおそらくトインビーで、以下を上げている。 ※トインビーの「歴史の研究」より。 一次文明の鍵数は限られていて、他の文明は一次文明の後継または衛星文明とされる。 たとえばギリシャ文明はエーゲ文明の後継だし、日本はシナ文明の衛星。辿れるだ…
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ポポカテペトル火山と人口移動の理論。火山噴火はやっぱ怖いよね…

ポポカテペトル火山、メキシコにある富士山ライクなスタイルの美しい火山で、たまに噴火してニュースにもなる。 この山の過去の大噴火が先古典期のマヤの人口の偏向に関係したかもしれない、という話。 ざっくりいうと、大噴火で近辺の集落が吹っ飛び、堆積物でしばらく住めなくなってしまったため、人々がまだ住める近くの都市に移住し…
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アフガニスタンのラピスラズリはなぜ枯渇しないのか? →近代に至るまでほとんど掘れなかった可能性

古代オリエント世界におけるラピスラズリは、紀元前3000年ごろから最も重要な宝石でありつづけた重要な品である。とれる場所は現在のアフガニスタン奥地の山奥の鉱山のみ。すなわち、ラピスラズリが発見された場所は、その時代にアフガニスタンからつながる交易路のどこかにつながっていたと言うことができる。 しかし、現在に至るまで採掘されているこ…
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ニワトリはいつから西洋呪術に使われるようになったのか。飼育と呪術の歴史を考えてみる

アテネの広場だった場所の地下から、古代ギリシャの呪いのツボが発見された、という記事があった。 ツボに書かれているのは呪詛対象の人物名で、なんと55人ぶんも名前が書かれており、さらに砕かれたニワトリの頭部や足の骨が入っていたという。 2,300-Year-Old Curse Jar Found In Athens Agora h…
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