「先住民の文化を保護する」という概念がマズい理由/そこにある前提を考えていますか…?

百年前なら同化政策のほうが多かったのだろうが、近年ではマイノリティは保護しようといった意見が多く、「先住民の文化を守る」というのが当たり前の概念のように扱われているのを目にすることが増えた。世の中の風潮として、おそらく、この言葉は特に違和感もなく、ふぅん意識高いけど良いことしてるんかな? という感じで捉えられるのではないかと思う。 …

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失われた3,500年前の記憶 ミタンニ時代の宮殿がモースル・ダムの底から出現

ミタンニは、かつてエジプト・ヒッタイトとともに東地中海世界で覇権を担っていた帝国の一つ。イラクの北、クルド人の住んでいるクルディスタン地方にあるモースル・ダムが旱魃で干上がり、ダムの底に沈んでいたミタンニ時代の宮殿跡が浮かび上がってきたらしい。イラクで他にミタンニの遺跡っていうと、目の偶像で有名なテル・ブラクくらいしか浮かばない。いまだ…

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古代の死者の「顔」と、見た目からの想像力の限界について

古代エジプトのミイラ、アンデスミイラ、あるいは北欧の泥炭地から見つかるボッグマン。 数千年か、あるいはそれ以上前の死者でありながら、形が残っており、顔も、表情もはっきりとわかる。 その死者と対面する時に感じるものは人それぞれだろうが、何も感じないという人はおそらく少ないだろう。目の前にあるそれは、明らかに異形でありながら、明確に…

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狩猟と農耕の人口密度の違いを図にしてみた

狩猟で生きてると人間はあまり増えないけど、農耕メインにしたとたん人口キャパがいきなり増えるんだよ。という話を図解してみる。 まず自然界において、人間も、エモノとなる動物も、極端に増減することはなく自然界のキャパに従って存在している。 具体例を挙げる。鹿は草や木の芽を食べる。食いつくすと鹿は全滅してしまう。従って、ひとつの山に…

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G20は終わったけど次はTICADが横浜で開催だよ!

エジプトのニュースを見ていたら、エジプト大統領シシさんが日本でこんなことやりました! あんなことやりました! みたいな盛り上げ報道が沢山流れていた。エジプトはG20ではないが、AU(アフリカン・ユニオン)の議長国として招待されているのだ。 で、その中で、「次は外相が8月にTICADに出席しに横浜に行く」という記載があったので、TI…

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ゲーム脳で考える「狩猟社会が農耕との併用に移行するまで」

農耕の開始の理由とか、あんま難しく考えなくても文明発展させる系のストラテジーゲームやってれば理解できるぞ。 っていうお話を図にしてみたので見てほしい。 まずスタートがこれ。 マス目1つ分が10km四方くらいの範囲だと想定してほしい。フィールド上には獲物の多いスポットが幾つか存在し、狩猟民はそれらを狩りながら移動生活をしている。…

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ベネズエラ経済破綻の社会実験、15年を経て革命の答え合わせを

図書館で古い本を漁っていたら、15年ほど前のベネズエラ経済の本が出て来た。 2002年のクーデター未遂の少しあと、故チャベス大統領が革命を打ち出したあたりに出版された本である。反米・社会主義といったキーワードが踊っているのは現在と同じだが、どの本も、革命によって状況が好転すると信じて書かれている、ポジティブな雰囲気が印象的である。もち…

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ペルー南部にある謎の「サークル」状の地上絵について

そういやこんなのもあったんだっけ…ということで、今更のようにメモしておく。 Sihuas Valley の地上絵。ペルー南部にある。 地理的にはナスカ地方に近いが、ナスカではない。なおgoogle mapでSihuas Valleyを検索すると、ペルー北部にある別の場所がヒットしてしまうので注意。 https://www.…

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ナスカの地上絵に描かれた鳥の種類を特定したよというニュース

日本の研究者ナスカ大好きやな…。 というわけで最近こんなニュースが流れていた。 ナスカ地上絵、鳥3点特定=生息しないペリカンも-謎解明に期待・北大ど https://www.jiji.com/jc/article?k=2019062200122&g=soc 英語記事だとこんなん Mysterious Etc…

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古代人の「顔」の再現にまつわる問題点など

縄文人顔、弥生人顔、などというフレーズを、最近ではよく目にするようになった。 耳垢のタイプだのシミ・ソバカスのできやすさだので、縄文人タイプだとか弥生人タイプだとか、テレビのバラエティーなどでよく流されていたりする。 だがぶっちゃけ、顔なんて個体差が大きいはずである。現代に生きる日本人の顔を見ても、いろんな人がいるのが判ると思う…

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シリアの危機遺産とデジタルデータによる遺跡の保存プロジェクト

シリアには、パルミラをはじめ貴重な遺跡が沢山あったのだが、2011年から始まった内戦と、2015年ごろからのISの台頭により片っ端から破壊されてしまい、今では全てが危機遺産となっている。喪失した遺跡・遺物も多く、今もなお治安が安定しない状態のままどのように保存や修復を成すべきかが議論されている。 その中で日本が関わって支援している…

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古代人が「きゅうり」と呼んだものは実はメロンだった…? メロンとスイカの歴史

この間、「エジプトの墓から見つかったスイカの葉のDNAを分析したら、既に甘い果実になっていたことが分かった」という記事を読んだ。スイカやメロンの野生の果実は必ずしも甘くはない。それが甘くなってきたのは人間による品種改良のたまものであり、今では様々な品種が世界各地で栽培されている。 古代エジプトのスイカは赤くて甘かった。植物DNAの…

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国際スシ・デイとエジプトの寿司事情

International Sushi Day(国際寿司の日)なるものがいつの間にか出来ていたらしい。6/18がその日なのだがそんなものの存在は知らなかったぞ。というか、どうも日本が制定したんじゃないっぽくて謎である。いつのまにかどこかから始まり、海外で勝手に祝われて勝手に寿司デリでキャンペーンやる日になっているようなのだ。 で、…

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遺伝子による優位性が確保されるのは、過剰繁殖をした場合だけ。という話

タイトルは要するに「5人生んで3人死ぬ世界じゃないと遺伝的な優位性は持ってても意味がないよ」という話。 遺伝的な優位とは、たとえば  ・毛並みのいい雄が健康で繁殖相手としてふさわしいと見做される所属において、毛並みが良く見える遺伝子  ・捕食しにくる天敵が近くにいる環境で、擬態に適した黒い斑点をつくる遺伝子  ・特定の疾…

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今年も夏山ハイシーズンですが、人が増えていて登れる山が少ない

山登りにはいい季節となりました。そろそろ3,000級の高山も山開きが近くなるのでソワソワしている人も多いかと思いますが、今年は山によっては残雪多めなので山開きに溶け切らないとこもあるみたいですよ。まぁ富士山とか見れば判ると思いますが。上の方が白いのあれ全部雪ですからね。 さて、最近は中高年の登山ブームみたいで町に近いアクセ…

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オリュンポス山に行きたいのでメモ

オリュンポス山 = ギリシャ神話のアレ ギリシャ神話マニアはきっとあまり行っていない、主に体力的な意味で。なにしろ3,00om近い山なので…。 しかし行ってみたい、気になる。 というわけで調べてみた内容をちょろちょろと書いておく ●雪が溶けるのは7月から、なので行くなら7-9月の夏休みシーズン ●メジャ…

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ニジェール川流域の未発掘ジャンルから。「西アフリカの王国を掘る」

エチオピアで見たドゥングル宮殿の石の積み方、なんかアフリカの他のとこで見た気がするーって探してて見つけたのがこれ、マリの「古ガオ遺跡」。ガオはガーナとともに西アフリカに7世紀ごろに成立した王国で、その王宮とされるのがこの遺跡だ。日本人が発掘に関わってるので、多分それでどっかで見かけた。 ガオ遺跡の発掘現場[再現] htt…

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現存するエトルリア語の最長テキストがエジプトミイラだった件

エトルリア人、とは、ローマに征服されるまで北イタリアに住んでいた民族。 ローマ文化の成り立ちに、ギリシャと同じくらい影響を与えた、として近年では再評価されつつある民族。元から北イタリアに住んでたのか、どっか別のとこから移住してきたのかについては所説あり、いまだ定説らしきものは見当たらない。 …というあたりをおさらいしたくて、こち…

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スペインのユダヤ人、共生と追放の歴史

世界史リブレットシリーズぜんぜん読み終わらんわっていうか、むしろこれ制覇は無理な奴だな(白目 今回は、ユダヤ人のスペイン定住から、強制改宗や追放に至るまでの流れをサクッとまとめたやつを読んでみた。 スペインのユダヤ人 (世界史リブレット)山川出版社 関 哲行 Amazonアソシエイト 面白かったのは、スペインのユダ…

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「サハラは砂漠という意味だからサハラ砂漠はおかしい」←これ

いや、なんか昔から「サハラは砂漠という意味だからサハラ砂漠って呼ぶのは同じ意味の言葉を重ねてるんだ」みたいなドヤ顔の論をたまに見かけるんですが、厳密には同じ意味じゃなくね? っていうのと、「砂漠」という言葉をつけないと意味がわからなくね? という話をしたい。 ●そもそもの「砂漠」の定義とは 砂漠の定義は「年間降水量が25…

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クリスティーズのオークションにツタンカーメン像の頭部出品、エジプトさんが物言い

オークションにツタンカーメンの頭部が出る、ということでエジプトさんが物言いをつけているというニュースが流れていた。 エジプト、「ツタンカーメン胸像」の競売中止を要請 盗品と主張 https://www.cnn.co.jp/fringe/35138365.html このニュースだけ見ると、「こんなもん売っちゃだめでし…

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オーストラリア先住民・アボリジニ、その「前」にヒトはいたのかどうか

最近、オーストラリアに人間が到達した証拠、と言われているものの年代が、次々と時間を遡っている。 最新の研究に…追いつけない…! オーストラリアへの移住が6万5千年前まで遡る(かも) https://55096962.at.webry.info/201707/article_24.html この説は果たしてどうなるか。オース…

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(ネタバレなし)ゴジラ キング・オブ・モンスターズの神話要素

日本人ならたぶんみんな知ってるだろう、ゴジラの新作ハリウッド映画を見に行ってきたわけですよ。 今回のは2014年に公開された「GODZILLA ゴジラ」の続編で、ゴジラvsキングギドラをメインに、他の怪獣たちも参戦して大暴れだぜヒャッハー! みたいな内容です。ちなみにパニック映画ではなく純愛映画です。人間は軒並みアレな感じですが、…

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「世界一過酷」と言われるダナキル砂漠の遺跡を探してみた

エチオピア北部~エリトリアに栄えたアクスム王国と、その関連の遺跡を調べていて、ふと気が付いたことがある。  ダナキル砂漠のあたりだけ遺跡の空白地帯になってる ダナキルは「世界一過酷」とか「人間の住める限界」とか言われている場所で、現在では秘境ツアーの行先になっていたりする。岩塩の採掘場はあるようだが、町などは無いようで、その…

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これが本当の鉄(Fe)オタの頂点「人はどのように鉄を作ってきたか」

古代の製鉄についての資料を探していた時、人づてに「ヤベエ本がある」と聞いたのでさっそくポチって読んでみたらガチでヤベエやつだった。古代の製鉄を炉から再現してる研究者がいたよ…。 人はどのように鉄を作ってきたか 4000年の歴史と製鉄の原理 (ブルーバックス)講談社 永田 和宏 Amazonアソシエイト タイトルどおり「人はど…

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めも アディスアベバの国立博物館で見たこの像の詳細が分からないので

アディスアベバの国立博物館に収蔵されていた遺物の自分用リストとかは こちら このリスト内でどうにも気になるのが Addi-Gelamo から出土している女性像で、見た目からして、エジプトの伝統的な神々に捧げものをするファラオの座像と、メソポタミアの祈願者像を足して割った感があるのだが、この解釈でいいのかどうかが分からない…。 …

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ユネスコ「マチュピチュ人多杉。減らして」ペルー「新空港作って観光客呼ぶでー^^」←今ココ

ペルーさんも最近エジプトさんっぽいノリになってきたわね…というお話。 <<前提>> ペルーにはインカおよびプレ・インカの遺跡が多数あるが、目玉は何といってもマチュ・ピチュ。 しかしあまりにも観光客が押し寄せ過ぎており、大混雑で遺跡の保護が危ういところまで来ている。 ※ちなみに中の人が訪れた20…

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