著者は、昨年末にニュースになっていたアフガニスタンのために尽くし、凶弾に倒れた医師の中村 哲 氏。しかしこの本は最近の話を取り上げたものではない。「名著復刊」という帯がついているように、復刊されたかなり古い本だ。書かれているのは1980年代から1990年初頭あたりまでの話で、文庫版としてのあとがきも2004年となっている。つまりは本の中…
今回ノーベル平和賞を受賞していたWFP(世界食糧計画)ってなんだよ、って話ですが、この組織、バッタウォッチャー的にわりと良く見かける組織なんで、ちょっと雑学とか書いときますね。
春からずっと「サバクトビバッタは中国なんて行かないから…デマだから」って言い続けてたけど、実際にバッタに襲われていた地域の食料危機までは本当。
で、アフ…
そーいえばはるか昔に「オーパーツ・ラブ」っていうラノベあったよな…確かよくある冴えない男子のもとにミイラから蘇ったセクシーエジプト王女がやってくるやつ…と思ってググってみたら、だいたい合ってた。そういやこんなストーリーだった気がする…
オーパーツ・ラブ 〜いけません! ファラオさま〜 (オーパーツ・ラブシリーズ) (スーパーダッシ…
「虹」に関する神話は世界各地にあり、多くの国で蛇と結びつけられている。
そんな話を読みながら、ふと、「雨降らないエジプトで虹ってあったっけ…」と思い出していた。結論から言うと、虹という単語自体は存在する。しかし用例がそんなに多くなく、元々は「蒼穹」、つまり天に関係する単語でしかなくて、蛇と結びつけられることも、何か特別な神話が作ら…
スマホや最近のWebブラウザだとスタイルシートが崩れてたりしたので、サイトの片隅の「空想絵物語館」に置いてた古代エジプトテーマの小説類を書き直し・追加して外部に移転させました。
(移転させたもの以外はもとの場所に残す予定。ぶっちゃけ書き直しより新しく書くほうが楽なのと、最初期の作品は思い出として残しておきたいのもある…。)
移転…
エジプト本見てたらいきなり「ゲート・オブ・ザ・プリースツ!!」とか魔法の技名みたいなの出て来て何事かと思ったけど、よくよく見たらバーブ・エル・ガスス(Bab el-Gasus)の英語訳名でした。
これが何かというと、王家の谷のロイヤル・カシェ(王族ミイラを一か所に集めて隠したもの)に対して、神官や貴族たちのミイラを集めて隠した隠し…
このブログを書き始めたのが2008年2月。同じ頃に、とりあえず登録だけしてみたツイッター。
なんだかんだで13年目となった今、見返していてふと気が付いたことがある。
10年より前のリンク先
ほぼ 無い
あるのは自分のサイトくらいなもので…。
なぜ、というのは考えれば分かる。13年前のWebてまずHT…
つい先日サッカラで見つかった、第26王朝の棺の発見記者会見。
最近の遺物発見時の記者会見は大抵こんな感じなんですが、…相変わらず死者への敬意も何もない。
これさミイラなんですよ、かつて生きていた人で、人の形がそのまま残ってるわけですよ。モノ扱いで、それでほんとにいいの…?
In Photos: A collection of …
ミタンニは紀元前15世紀くらいにシリアとトルコの間あたりでブイブイ言わせていたフリ人の国だ。一時期は大国だったのだが、お隣ヒッタイトとの戦争で負けて結局、約100年くらいで滅びてしまう。しかしその前に、エジプト第18王朝の何人かの王たちがミタンニから嫁を貰っている。ミタンニとしては、ヒッタイトとエジプト両方を敵に回すより、エジプトとは同…
「夢の碑文」とは、古代エジプトの第18王朝の王トトメス4世がギザ台地のスフィンクスの足元に建てた碑文だ。厳密に言うと小神殿と一緒につ作ったらしいのだが、現在は本体の碑文の上の方しか残されていない。
一般に「Dream Stele」という名前と、夢の中でスフィンクスに「お前を王にしてやる」と言われた、という内容はよく知られている。
…
9月までに取らないと消滅する夏休み
ようやく1日だけとれました
こんばんは、なんかわりとアレがアレな中の人です。まぁいつものやつです。
そんなわけで名古屋までエジプト展を見に行ってきました。コロナで福岡と札幌の回が中止されたので、名古屋が実質の日本初開催です。
公式
https://leidenegypt.jp…
エジプト中部の町、ルクソール(テーベ)といえばアメン神の本拠地として有名で、カルナック神殿やルクソール神殿も主神はアメン神なのだが、古い時代には戦の神モントゥが主神だった。その神殿は古王国時代からプトレマイオス朝にかけての長きに渡り改修されつづけた痕跡のある場所である。
で、最近の発掘とか見てたら、中国チームがちょうどモントゥ神殿…
楔形文字の中でシュメル語とアッカド語が共存している、とか、アッカド語とヒッタイト語が同時に書かれいてる、とかの例はよく見かけるのだが、ギリシャ語書いてるのがあるというのは知らなかったので、ほほーと思いながら見ていた。いや、てか、よく粘土板にギリシャ語書きましたね書記の人。曲線の部分とか書きづらかっただろうな…
…
その昔、昆虫標本をつくるのにハマっていた時期があり、チョウについてはけっこう詳しいつもりだったのに見たことないやつがご近所にいて、「ん?」ってなって写真撮ってきた。あとで調べてみたら、なんと近年になって生息範囲を広げつつある、特定外来生物のアカボシゴマダラ(駆除対象)だった。
…そう、実はこれ、ここにいちゃいけないチョウだ…
美容用語にあまり詳しくない人に説明しよう。
エクステとは、地毛のボリュームを増したり長さを長くしたりする付け毛のことだよ。
コスプレイヤーさんは、お姫様風のくるくる巻き毛のエクステを持っていたりするよ。
――古代エジプト人も、髪の毛にエクステつけてたんですよ! っていうお話。
ソースはこちら
Photos: 3,300…
古代エジプトの農業がどのように行われていたかの記録はさすがに残っていないのだが、コプト暦が使われていた時代の文書は多少残っている。
そこに出てくる、以下の記述の意味が、スーダンの洪水を見ていて分かったぞ…。
"トウト月にはナイルの増水は止まり、エジプトの土地に一通り水が行き渡る。増水したら、どの村でも灌漑水路から水を土地へと流し…
記事が雑! 言いたいこと判るけど記事が雑!! 2つの川は全然別モノ…!
チグリス・ユーフラテス川が干上がる? 上流のダム建設で流量激減
https://www.afpbb.com/articles/-/3304516
ティグリス川もユーフラテス川もトルコに水源があるんだけど、大型ダムが作られているのはティグリス川の…
古代エジプトの戦争では、捕虜の手を切り取るという野蛮な習慣があった。
これはラメセス3世の時代の壁画に描かれた、手だけを積み上げた山。その数を書記が記録している。捕虜の手の数をもって戦功を数え、兵士たちに報奨金を出していたというのだ。
この習慣がいつから始まったものかは不明だが、最古の、そしておそらく現時点でも唯一だろう…
【ここまでの研究の流れをおおまかに】
*自分が追えてる分だけなので、抜けているものはあるかも
(1)ボタイ遺跡、デレイフカ遺跡から馬の骨が沢山出土。飼育馬の最古の例として有力視される
(2)デレイフカ遺跡の骨の年代に誤りがあったことが判明、実はスキタイ時代だった →説として消滅
(3)ボタイ遺跡の3,000年前のものは有力…
「ワンショルダー」とは、肩の片方だけ袖がついてたり、片方の肩だけ布があったりする服のこと。
片方の肩を腕ごと剥きだしにしたファッションスタイル。ジョジョで言うとポルナレフのアレ。
わかんなかったら画像検索でもしてください。
ここ数年、なぜかこのファッションが流行りらしくてたまにお店で見かけるんだけど、女性向けでこれのス…
エジプトの神殿というと大抵の人が新王国時代のルクソール神殿やカルナック神殿を思い浮かべると思うんだけど、ピラミッド作ってた時代以前のものは全然違う。
ピラミッドの付属神殿はそれなりによく残っているのだが、あれは葬儀用の施設なので、実際に神々を祀っていた、いわゆる「神殿」とはちょっと違うものだ。どうも実際の神殿は、その地方ごとにムラ社会…
スーダンで起きているナイルの増水が観測史上最高の17.66mを記録したらしくて「マジか」ってなってる。
いやマジか。そりゃ街も沈むわ。しかし9月ももう半ばなので今がピークのはず。この先、追加で雨が降らなければ。
洪水で影響を受けてる範囲は、ここが分かりやすかった。
青ナイルとアトバラ側(右側)の支流のほうが、影響が大き…
アンテフ(インテフ)二世は、第十一王朝の三人目の王様。
やたらと猫ばっかり取沙汰される古代エジプトにおいて、忘れてはいならない愛犬家の王様である。自分の飼っていた犬四匹を墓の入り口の自分の肖像の横に掘り込むくらい大好きだった。その肖像は、今はカイロ博物館で見ることが出来る。各イヌの特徴まできっちり描かれていて、なんとなく犬種の想像も出…
えっいや、井戸なんて湿ってるとこに死者放り込むわけないでしょ。湿気は(ミイラの)お肌の大敵なのよ?!
というわけで、このニュースはそもそもの勘違いから書かれてます…。井戸じゃないです。
× well
〇 burial shaft
正しく書いてる記事もあるんですけどねぇ…。
井戸から2500年前の棺13基を…
実際にパピルスを育ててみて分かったことのメモなのだが、乾燥させるとめちゃくちゃ容量が減る。
「ほとんどが水」とか「乾燥させるのに数週間かかる」とか本に書かれているのはマジだった。というか、乾燥していた古代エジプトにおいても、完全に乾燥させるために紙づくりには日数がかかった、と言われているのを身をもって体験したのだった…。
…
スキタイとかフンとか匈奴はちょくちょく本を見かけるけど、そういや大月氏って本見たの初めてだな…というわけでちょっと読んでみた。
匈奴や漢の話してる本でいつも西の端っこのほうに書かれてる、ちょっと切ない感じの騎馬民族。アジア系では、と大雑把に言われるけれど、アジアのどのへんがルーツなのかなど詳細が不明なのだが、この本ではある程度は自説に…
少し前にあった、この話。
ちょっと意味が分からない…。フランス南東部でマグダラのマリア像が破壊される
https://55096962.at.webry.info/202008/article_20.html
この像自体はわりと最近作られた、作者不明のもののようなので、古美術的な価値などはおそらくほぼ無い。が、髪の毛で体を…
前提知識として、スーダンはエジプトの南側に隣接する国で、ナイル川の上流にあるということをイメージしてもらいたい。
かつて古代エジプトで毎年夏に起きていたナイルの氾濫は、上流のエチオピアやスーダンに降った雨が青ナイルに流れ込んで下流に到達したものだった。その雨が今年は降りすぎてしまい、上流で氾濫を起こしている、という話である。
で…
<前提としての知識>
人間の死体からDNAが回収できるように、人間に寄生していた別の生物のDNAも回収することが出来る。たとえば、生きていた頃に感染していた病原体がそうだ。
近年では、ペストで死んだ昔の人の遺体からペスト菌のDNAを回収し、ペストが何時頃、どこで誕生したのかといった研究も為されている。
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約2,000年前、エジプトがローマ支配化の時代に紅海沿岸は、インド交易の重要拠点として使われていた。
主な交易品はコショウなど、貴重なスパイス類である。航路や交易の実体については、当時に記録された「エリュトゥラー海案内記」があるためよく研究されている。特に最近では、ベレニケという港での発掘調査が行われている。
今回は、そのベレニ…