コロナ禍で展覧会などのイベントが時間指定制となった結果、会場が快適になったという話。

コロナ禍により、展示会や展覧会で過密状態を作らないよう、入場に人数制限がされるようになったわけですが。 …人気のイベントでクッソ過密状態にうんざりすることも多かった中の人的には、今の方がええやん?? と思うわけで。 今週から開催のエジプト展の初週土曜日の予約状況、こんな感じなんですよね。 確かにチケットの値段は割高…

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アゾレスアゾレス! アゾレスに最初に移住した人は誰なのか、という話

アゾレス諸島といえば、大西洋のど真ん中に浮かぶ絶海の孤島的な場所。DOLクラスタなら場所はばっちりイメージ出来ると思うが、それ以外の多くの人は「どこだっけ、マディラなら知ってるんだけどな」くらいの認識じゃないかと思う。 ココです。 ポルトガルの船乗りが発見したとされ、現在もポルトガル領。 しかし、大航海時代の訪れよ…

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古代エジプトの税収機関に必要なもの「船」

エジプトは、ナイル川沿いにしか人が住めない国だ。川べりの水の手に入る場所を除けば、大半は居住不可能な砂漠。オアシスなど多少人が住める場所はあるものの、現代に至るまで、人口のほとんどは川沿いに集中して暮らしている。 そんなエジプトでは、船は主要な交通手段の一つだった。 なにしろ川沿いの土地が狭いので、荷車とか使うより船を使ったほう…

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気候変動と人口移動の時代。「人はどうやって世界に拡散したか」という一つの答え

気候変動は、数万年単位で見ればごくありふれた現象である。 というか、ここ1万年の気候が例外的に安定的だっただけで、本来、地球の気候は定期的に変動し続け、安定しないほうが普通だという見方もある。 …という話を、少し前に読んだ本の感想として書いた。 地球は過酷な場所だった。「人類と気候の10万年史」 https://550969…

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エジプトで実施された90年代のリモートセンシングと、未知のピラミッド探索プロジェクトについて

お国のお金がこんなロマンいっぱい夢いっぱいなことやってたんだ、知らんかったわ。という感じ。 たまたま日経サイエンスの50周年企画で過去の特集記事一覧とか出てたのを見ていて、その中に、1997年というかなり昔にエジプトで実施されたリモートセンシングの記事があったので、どんなことやってたのかをちょっと探してみた。 宇宙から古代エジプ…

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「縄文時代は植物利用をしていたけど農耕ではない」という議論に見る日本特有の視点について

タイトルにつけたそのまんまの議論は、日本の考古学の話ではよく見かけると思う。 これに対してざっくりと、農耕を縄文時代と弥生時代の境目にしたいために、「縄文時代の農耕は考古学的な意味では農耕ではない」と理屈をつけているのが現状なのでは? それ全世界規模で見ると日本独特の定義じゃね? というツッコミをしたい。 …とまぁ、ざっくりすぎ…

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ニューギニア高地の古代人はヒクイドリを飼育したか。古代の卵のカラから分かるミステリー

古代人は果たしてヒクイドリのヒナを育てていたのか、それともヒナとして食べていたのか。 ニューギニア高地の遺跡から出てくる大量のヒクイドリの卵のカラを調べてみると、孵化する直前のものが多く、故意にその時期のものを集めていた可能性が出てきたのだという。 時代は更新世~中期完新世(約8,000年前まで)。ヒクイドリは言わずと知れた凶暴…

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これは間違いなく物議をかもすヤツ。「アメリカ大陸から2万3千年前の足跡が見つかった」という話

アメリカ大陸から2万3千年前の人間の足跡が見つかった、というニュースが流れていた。 ええまあ、うん、あれだ。いつものアレで、「定説を覆す」とか言ってるのはページビュー稼ぎたい適当なやつなので置いといて良くて、年代間違っているのではと言っている学者もいるので精査はこれから。その上で、もしこの発見が正しかったら、という話をしたい。 …

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人類が海を渡るために必要な技術や成功率について

昔から、人類がどうやって海を渡った先に拡散していったのかを不思議に思っている。 陸路なら歩けばいいだけなんだけど、海が間にあると、泳ぐか、イカダのようなものが無いとムリ。ぐうぜん流れついただけだと、一世代で全滅してしまう可能性が高いため、まとまった数で意思を持って「移住」することが必要だと思われる。 最近の研究では、アフリカから…

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【ケロッ★】古代エジプト→コプト教へのカエル信仰の変遷について

ダクラ・オアシスのローマ支配時代のミイラを眺めていたら、男性がカエルの護符を持って埋葬されている事例があって、「ん?」と思った件。 もともと、カエルは多産の象徴で、女性や妊婦の守り神。カエルの女神ヘケトは妊婦の守護神で、人間創造の神クヌムの伴侶とされている。カエルの護符といえば女性のもの、というのが古代エジプトの定番だった。 だ…

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キリスト教はいかにしてユダヤ教から分離したか。「キリスト教の幼年期」

歴史書でも宗教学でもなく、微妙に中途半端だったのと、本一冊ぶんあるわりに抜粋したら内容はそんなに濃くないな…という感じ。 でもまあ、たぶん好きな人は好きかも。ざっくり言うと、キリスト教が母体となるユダヤ教集団から独立して、「キリスト教」という別の宗教団体として成立するまでの約100年を詳細に書いた本である。 キリスト教の幼年期 …

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火山が噴火してもピラミッドは作る。エルサルバドルのマヤ人の物語

つい先日読んだ本では、メキシコのポポカテペトル火山の噴火後に人が戻るまでかなりの時間がかかった、という事例が出ていた。 ポポカテペトル火山と人口移動の理論。火山噴火はやっぱ怖いよね… https://55096962.at.webry.info/202106/article_13.html しかし今回の研究では、火山が噴火…

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「神の怒りに触れて滅ぼされた町」は隕石の爆発によって滅びたのでは? →その研究ちょっと怪しいです。

なんかね、このテの研究が出てきたら、まず眉にツバ塗ってから大元の論文を見に行くのオススメします。 旧約聖書の内容はすべて史実に基づくはず、という思想があり、記述に沿って証拠を並べる考古学者が一定数いるから。今回のもまさにソレですね…。 「天の火」で滅亡した都市ソドムか? 中東の遺跡に隕石爆発の痕跡 https://news.y…

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英語圏、何故かギザのピラミッドを「古い」の指標に使いたがる

日本では、広さの基準として何故か東京ドームが使われることが多い。「東京ドーム●個分」とか。いや行ったことないし…わかんねぇ…。 たぶん漠然と「広い」という意味で使ってるんだろうな、とは思っている。 そんな感じで、英語圏ではしょっちゅう出てくる表現が「ギザのピラミッドより古い」もしくは「ピラミッドより高い/大きい」。 特に遺跡や…

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歴史要素が重すぎる。「ロシア正教の千年」

元々のタイトルには「聖と俗のはざまで」という副題がついていたらしい。 ロシア正教会が、時代ごとにいかに政治と結びついてきたか、あるいは弾圧され、あるいは方向転換してきたか、という話である。 ロシア正教は、その名の通り正教系、東方教会に属するキリスト教の宗派であり、ギリシャ正教やコプト教などと同じ系統になる。なので、ローマではなく…

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ラメセス2世と「ライオンの谷」、ワディ・エッ・セブア

そういや「ライオンの谷」とかいう超カッコいい名前の遺跡あったよな…って調べ直したのでメモ。 というか、元々ラメセス2世が作らせた神殿なんだけど、5世紀にキリスト教の教会として転用されてしまったので、エジプトの古い教会リストに入ってて、「???!! あっ…一応、教会でもあったんだっけ…」ってなったので。 ●建造時代 …

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エジプトより上流地域のキリスト教圏にある「聖母マリア」伝説、もしかして一部はイシスかもしれない。

以前エチオピアに行った時、タナ湖に浮かぶ島の教会で「聖家族はエジプトだけじゃなく、実はここまで逃げてきていたんだよ」という話を現地の人がしていた。そういう伝承があるらしい。 聖家族がヘロデ王に追われてエジプトまで行った話も、辿った道筋がエジプトの古来からの聖地を巡っていることから、実は古代の信仰と新しい宗教であるキリスト教の折り合…

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古代エジプトの医療パピルス一覧めも

医療パピルスといえばエーベルス・パピルスとか有名だけど、他にも実はあるんだよね。 いつかまとめようと思ってたら丁度いいジャーナルが落ちていたのでそこから翻訳して置いておくよ。 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1319562X21005027#b0730 …

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「植物」展に行ってみた。植物学者の愛が詰まりすぎている…

そろそろ感染者も減ってきたし、会期も終わりかけなので、思い切って「植物」展に行ってみた! 上野でやってるコレね。 https://plants.exhibit.jp/ オオコンニャクのくさい匂い体験やってみたかったので。めちゃ臭かった。臭いからって花を伐られて絶滅しかかった理由もわかるぜ。そりゃ伐るわ。 …

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本物のエスカルゴ、フランスでは絶滅危惧種だった…食べられるのは何と日本?!

ウニの本を読んだあと、「人間ってヘンなもん食いたがるよなーそう言えばエスカルゴとかもよく食うよな…」ってちょっと調べていたら、「エスカルゴ農場」なるものがあるらしく、ほう…となった。 そして、そもそも本物のエスカルゴは食べすぎて絶滅寸前、現在フランスで食べられているのは代用種なんだとか。ナ、ナンダッテー!! 世界で初めてエスカ…

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ウニの全てが分かりすぎる。「ウニ学」

タイトルからしてネタくさい、と思いきや初っ端からブーストかまして「貴様にウニの全てをわからせてやる!!」みたいな本である。 専門書と見せかけて一般向けでもあり、パラリとめくるといきなり濃厚なQ&Aが始まる。本の各章のサマリーがついているのである。答えは教えてやる、だが詳しく知りたければ後ろの章を読め。という作り。まんまとハマってそのま…

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コプト教のお正月は9/11だけど、古代エジプトのお正月は9月じゃない。という話

コプト教のお正月(ノウルーズ)は9/11である。 古代エジプト暦を受け継いでいる、と説明されることもあるので誤解している人もいるかもしれないのでちょっと説明しておきたい。 コプト暦は、正確には「古代エジプト暦を元に3世紀に設定されたもの」なので、みんなが想像する、ツタンカーメンなどの生きていた時代のいわゆる「古代エジプト」の暦で…

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イルカは本当に右利きなのか? そもそも研究の前提から定義を間違えてた可能性も。

最近読んだ話で面白かった話。「イルカにも右利きが多い」という話はインターネット上でググればイヤというほど出てくるが、実は、これは現在では、研究し直さないと結論は出せない話になっている。そもそも「何をもって右ききとするか」の前提が間違えてた可能性があるからだ。 わかりやすく言うと、人間は直立歩行しているが、イルカは腹ばいの状態で生活…

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古代エジプトは地理的に防衛がわりとeasyだという話。

某文明を作るゲーで、ちょっと栄えてきたらすーぐ蛮族攻めてくる! 文化投資に回す金がねぇ! ってキレてる時に気が付きました。 …周囲が平野だと、街を広げやすいけど防衛不利だな? いや、当たり前なんだけど、都市の背後が崖とか、目の前に川があるとかいう地理って、実は天然の防御壁みたいなもんだから、防衛費がケチれるんだな?? てい…

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「最古の酒」を巡る研究の疑問。発酵工程がどうなってるかは省いてはいけないのでは…。

最近ちょこちょこ探していた「古代の酒」に関する論文、世界最古の酒を見つけました! と1万年くらい前の年代をぶちあげてくるものがが何か怪しいなぁと思いながら見ていた。 いや、農耕が開始されている時期で、それなりに人口規模のある地域でなら、酒造りが始まっていてもおかしくないとは思うんだ。 ただ、「酒造りの証拠」として挙げているものが…

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冒険は、お好きですか? 「世界最果ての島」が新たに発見される

世界地図は日々書き変わってゆくものだ。 たとえば日本では、最近になって島が増えた。島が増える場合は、未知のものが発見されるというよりは、火山活動や、北極海の氷の融解によって隠れていた陸地が出現するというケースが一般的。今回の発見もその一つ。 Scientists Discover What May Be the World’s …

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人類、アフリカを出たり入ったり。アラビア半島の砂漠から数々の証拠が見つかる

ホモ・サピエンスの「出アフリカ」は、一昔前まで一回か二回と考えられ、「なぜそのような特異な状況が起きたのか」と論じられてきた。 しかし最近の研究では、「実は何回も出たり入ったりしていた。我々はその中でも最も遠くまで出かけた人々の子孫に過ぎない」という感じになってきている。 どうやら、気候条件がいい時には遠くまで出かけ、悪くなると別の…

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