プントの国、とは、古代エジプト人が交易していたアフリカ内部のどこかにあった国である。
特にハトシェプスト女王の葬祭殿に描かれた、貢物と高貴な人々の行列が有名だ。しかし、古代エジプト人が「プント」と呼んだ国がどこにあったのかは、まだ特定されていない。
輸入していたものがキリンやペリカン、ヒヒなどの珍しい動物で、植物では黒檀や乳香、…
人文科学の世界って10年も経てば常識や定説がガラっと変わることは珍しくないので、「xx全史」みたいな大きなタイトルはつけないほうがいいんだよな…とは思ったけど、内容を分かりやすくするなら確かにこのタイトルで間違いではない。書いているのはシュメールが専門の競馬が大好きな先生。なのでハンムラビやサルゴンの話をしたあとあとがきでコントレイルの…
リモートワークで家にいる時間が長いので加湿器買おうかなーっと思って見ていたら、何かかたっぱしから「次亜塩素酸水対応」って書いてあるんですよ…。
どうもコロナ対策で次亜塩素酸水を中に突っ込んでミストとして使うらしい。
いやそれ、死にますよ。
まず一般常識で考えてほしいのです。
除菌作用のある液体を、超音波で水分を空…
似たような研究で、古代人の骨に残された歯石(歯にくっついている食べ物のカス)から古代人が何食べてたかを調べるのを見た覚えがあるんだけど、今回は壺の中にうっすら残ってる有機物から、どんな食べ物を壷に入れてたかを探る試み。最近出て来た、壺の中に残る僅かな有機物でも分析できるようになったという研究と関連していると思う。
What’s c…
最新といっても去年のものなので、もしかしたら新しい研究が出ているかもしれないけれど。
古代の牛の骨からDNAを採取して、現在のウシがどのようにして家畜化されていったのか、というのを調べている研究がある。
Ancient cattle DNA reveals a bullish tale
https://www.natureas…
大昔の人たちが、洞窟の岩絵をどうやって描いたのか、という話をしたい。
絵そのものはよく知られているが、道具や使われた顔料については知名度が低いのではないかと思う。実は洞窟に絵を描くのは、現代人が考えるよりとっても大変な作業なんである…。
以前日本でラスコー展をやった時に、そのへんの資料は一通り展示されているが、ラスコーを…
今年もはや、この季節がやって来ましたか…。
今年はコロナ影響で発掘止まってたところも結構あったけどな…。
というわけで今年のTOP10とか適当に整理しておく。
https://www.archaeology.org/issues/406-2101/features/9263-top-10-discoveries-of-2020…
なんか広告見かけて、ん? 見覚えあるな? と思ったら以前ツタンカーメンでツッコまれまくってたとこじゃないですか…。
今はヴァイキングのゲームが発売されたりしているので、こういう売り方なんですかね…。
https://www.igenea.com/en/vikings
「あなたはヴァイキングの子孫かも? DNAテストをや…
リモートワークが基本になると、会社帰りにぷらっと本屋に入るってことが無くなって、休みの日にガッツリ行くしかないんですよねぇ…。
というわけで、久しぶりに本屋に行って漁って来たのがこちら。増補版が出たのは5年ほど前だけど、初版が出たのはけっこう前らしい。古代ローマによるブリテン島の支配がテーマの本である。
※緑色の表紙のほうが最近…
別々の博物館に収蔵されていた彫刻が、実は元は一つの像だった、ということが判明した…というお話。
しかもこれ、実は指摘されたのは1987年。最近亡くなったJ.F. Borghoutsという学者の遺品の中から見つかった、未開封の手紙を開けてみたら、その中に「実はあの像は一つだと思うんですよ」的なことが書かれていたという。エェー…。
…
いつの間にか靴下の片っぽが消えてしまう、と悩んでいる人が意外といるらしいので、ここはひとつ、学生時代から靴下の片方を亡くしたことがほとんどない私が秘儀を伝授しようと思う…。
まず、靴下の片方が謎の消失を遂げる機会は、主に洗濯の時であることに注目したい。
大きく分けると以下のようなパターンだ。
(1)洗濯機で回しているうち…
古代エジプトの音楽は楽譜が残っていない。
にも拘わらずネット上には謎の楽譜が出回ってるよね? あれ何なの? って話から始まった話。
結論から言うと、エジプトのものだとしてもおそらくローマ属州時代のもので、「古代」の楽曲を記したものではなく、そもそも楽譜なのかどうかも突き止められなかった…。
問題の「楽譜?」はこちら。
ぱ…
あるじゃん! 五重名ぜんぶ載ってる本あるじゃん!! みたいな感じになった。
ていうか何気にこのシリーズ、色んな機会に辿りついてちょびちょび手に入れては揃っていく感じ…。
The Great Name: Ancient Egyptian Royal Titulary (Writings from the Ancient World…
既に絶滅した動物も描かれていることから、推定される年代は12,600 ~11,800年前ごろ。氷河期が終わろうとしている時代、まだアマゾンが今のようなジャングルになる以前の時代にそこに住んだ人々が描いたものだろう、とされている。
Sprawling 8-mile-long 'canvas' of ice age beasts di…
こういう尖ったことやりたがるのだいたいここの大学だよね…。
筑波大学で、ゴキブリを操る技術が開発されたそうだ。マダガスカルゴキブリという頑丈で大きめの種に電極を埋め込んで、その電気刺激を使うのだという。言われてみると科学っぽく聞こえるけど、やってることは軽く呪術の類。壁からソッと現れたゴキブリが目の前にメモを置いて帰る、そんなSFが実…
古代エジプトの遺物の中で、ビーズを繋げたネックレスやブレスレットで出土地が判ってないものはだいたい再建(見栄え良く繋ぎなおしたけど元の形が分からない)ものだよ…という話をしてみたい。
ビーズは腐らないけど紐は腐る。というか劣化してボロボロになってしまう。
そして出土地が不明ということは、盗掘や、記録のない時代に掘りだされていつの…
ベルリンのエジプト博物館(正確に言うと博物館島の中にある「新博物館」)から来たエジプト遺物を展示するエジプト展が開催。
コロナご時世なので混みそうな三連休と天気のいい日は避けて朝イチで行ってみた。
公式
https://egypt-ten2021.jp/
現地博物館行ったことはあるんだけどね。
ちょっと珍しいやつが…
儀式的なゲームだったそうで、南米だしもしかしたら負けたらイケニエとかあった可能性はあるけど…とっても楽しそう。
Playing Moche Badminton
モチェ文化は、ペルー北部で紀元後200-700年頃に栄えた文化圏の一つ。ほぼ同時代、ペルー南部ではナスカ文化が栄えていた。
この図の元になっているのはモチェ文化…
硬派な出版社だしタイトルからしても普通っぽいのに、パラ見した時に「ん…?」みたいなのがあったのでとりあえず前から順番に読んでみた。
結論から言うと、これは一般人はあまり読んではいけない。複数人で書いているのだが、中にオカルトの人が混じっている。ヤベェ話をヤベェと嗅ぎつけられる人向けの本だが、そこまでして読める部分だけ読むなら、個別に参…
縄文時代の人は、住居の近くにクリやドングリなど食べられる植物を集めて栽培していたことが判ってきている。
ということは、それらを食べにくるクマとも必ずどこかでカチあったはずである。
…というところから、昔から人とクマって森の境界で常に領域を争っていたんだよなぁ。と、ふと気が付いた。
*クマ目撃情報の多い登山道はクマの…
エジプト南部のエスナ(ルクソールより55キロくらい南にある)にあるクヌム神殿は、プトレマイオス朝~ローマ属州時代にかけて作られた、古代エジプトの歴史の中では最も新しい時代の神殿の一つ。最後に工事が行われたのは紀元後250年頃。なので厳密には古代エジプトの遺跡かどうか微妙なラインで、文字や芸術の様式は新しい時代のものが採用されているのだが…
なんかこのままだと来年もリモートワークが続きそう。
同じチームの人、何人かは一度も会ってねぇな、、、そんなかんじの中の人です今年も気が付いたら年末進行になっててちょっと死にそうです。いや、ていうか12月たぶん しぬ(真顔) 3-5月の遅れたぶん11-12月で取り戻さないといけないから…うん
で、ふと今年一年を思い返してみたと…
ナショジオが出しているので写真は良し、図も判りやすい。年表は無いし、ちょっと話盛りすぎてるな感のある部分もありつつ、無難な感じにまとまっている一冊。(アサクリシリーズの最新作がヴァイキングだからちょうどいい時期にぶつけてきたわけですね…わかりますよそういう…アレ…。ゲームのほうはちょっと内容が微妙で全然進めてないけど…。)
バイキ…
「宇宙考古学」というとなんかオカルトっぽい響きもあるのだが、別名は「衛星考古学」とか「リモートセンシング」。これなら聞いたことがある人も多いかもしれない。要するに人工衛星から撮影した画像の中から遺跡を探し出す、という手法である。
かつては実際にその場所まで行って、地表を歩きまわって怪しい場所を探していくしかなかったのだが、最近では、実…
縄文時代、縄文人が既に利用可能な植物を人工的に育成していたことは、最近では常識になりつつある。特にクリやドングリ、ウルシなどを居住地の近くにまとめて栽培していた証拠は豊富に見つかっており、これは農耕のはしりと言って良い。縄文時代は狩猟採集、農耕は弥生時代から、というのはもはや古い。そして農耕につきものの害虫も、縄文時代から人の近くに沢山…
今の時代だと、そういうのアリなんだ…。という感じの研究。
Denisovan DNA Found In Sediments Of Baishiya Karst Cave On Tibetan Plateau
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2020/10/denisovan…
通りかかった本屋で見つけた瞬間、タイトルに一目ぼれして スッ… てレジまで持って行ったよね。これはずるい。タイトルのインパクトよ。
そして開いた瞬間に目に飛び込んでくる
「偉大さ」は何で決まるのか
というキャッチーな言葉。
「悪党」たちが時代を動かす。偉大さとはその人の道徳的な正しさではなく業績の善悪である。
こ…
エジプト本かなと思ってぱらりと開くと、内容はエジプトなんだけど解説がめっちゃくちゃ数学だった。
よくよく見たら書いている人は数学の専門家だった。古代エジプトの数学を、数学者が面白く説明する、そういう本である。
NHKスペシャル「知られざる大英博物館」 古代エジプトの数学問題集を解いてみる - 三浦 伸夫
この本は、古代エジ…
お米は! 大好きなので!!!
牧場物語とかサンシャイン牧場とか色々やってましたんで!!!
というわけで、ごく一部で話題沸騰、予約特典が米一袋、店頭で品薄が続くことから「令和のコメ騒動」とまで言われてしまった「天穂(てんすい)のサクナヒメ」をswitchのDL版でプレイしてみたぞ。(DL販売はいいぞ。品切れがないし遊びたいなと思っ…
考古学者さぁ、いっぺん自分でやってみればいいじゃん…みたいな気分になった。
「男は狩り、女は採集」という常識を覆したぜ! という話なのだが、そもそもその思い込み自体が前提としておかしいよね。って話。
9000年前に女性ハンター、「男は狩り、女は採集」覆す発見
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl…