世界各地のお正月、冬に一年が区切られるほうが少ないんじゃよ。という話

お 正 月 ― !

さて、現代では1/1がお正月(あるいは、イベントはしないまでも一年の区切りと認識する)という国が多いですが、実は伝統的な暦では春はじまりが多いです。主に農業が主体の地域。
農業の区切りとなる時期に一年始まったほうが都合いいですからね。麦作の地域は3月半ばくらいが多いです。

シュメルの暦などはわかりやすくて、「主食の大麦の収穫が終了する3月半ばで一区切り」。
古代ペルシャ暦やバビロニア暦、ユダヤ暦などもこの流れを汲んでいて、現代暦でいう3月半ば頃で一年が終了します。

古代エジプト暦は7月半ばが一年の区切りですが、これはナイルの増水が開始される時期のため。
エジプトの農業はナイルの増水依存なので、これも農業サイクルが基本の暦になります。エジプトを除けば、西アジア圏の伝統的な1年の始まりは圧倒的に3月が多い。


では麦じゃなく米が主食のあたりはどうなのか、ですが、アジアのほうを見てみると、面白いことに4月くらいが多い。
たぶん育苗が終わった植え付け開始くらいの季節ではないかと思います。

バングラディシュは4月半ば始まり。
シンハラ暦は3月半ば。
ビルマ暦が4月。
タイの仏教暦だと4月始まり。
インドの暦からの系列だと、だいたい4月始まりになってます。日本の「年度」の考え方も4月なので、アジア圏では4月始まりが標準だったと言えそう。


あと狩猟採集がメインの地域だと、アイヌ暦では2月が「日が長くなり始める時期」として一年の区切りに採用されていて、なるほどという感じ。


こうして見ると、近代以前の人類は、一日の長さはそこまで気にしてなかったのではないかと思います。
現代の1年は冬、つまり一日の時間が最も短い冬至の頃に区切られますが、そうなったのは人類史でいうとわりと最近の話。暦は太陽や月の観測から生まれたかもしれませんが、太陽や月の動きに対する意識が生活の中心にあったわけではない。

農業なり狩りなり、食料調達の手段と必要な作業に対する意識がメインなのです。
まぁメシ食わないと生きてけないですからね。当たり前ですね。
太陽の運行がどうこう、小難しいこと考えてられるのは、明日のメシに困らない特権階級だけですからね…。

我々人間を一種の動物として見た場合、生物的なサイクルとしてはやはり春はじまりがいちばん、しっくり来ると思うのです。
春になって暖かくなっとくると、「一年始まった!!」って感じで新しい気分になりますもんね。

そんなこんなで、年は明けたけど何となくやる気が出ない、エンジンがかからない…って皆。
うかうかしてたら、あっという間に3月まで終わっちゃうぞ! 心は春、の気分で今からエンジンかけていこうな。