今年も考古学発見物のTOP10が発表されていたので見てきた。

年末といえば、「10大xx」とかアレですかね。
ここんとこ毎年見ている発見物Top10が今年も出てたんでちょっとリスト化。ただ今年の内容は、うーん…これチョイスするの? もっと面白いやつあったやん? みたいな感じだった。

Top 10 Discoveries of 2021
https://www.archaeology.org/issues/451-2201/features/10183-top-10-discoveries-of-2021

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◆Golden City

エジプト/ルクソール対岸の「失われた黄金の街」。
アメンヘテプ3世が築いたとされる街。アメンヘテプ3世の息子がアクエンアテンなので、アメン信仰が衰退し、アテン信仰へと切り替わる過渡期に位置する都市とされる。
ただ、この都市単体の発見だとイマイチ、インパクトがなく、「黄金の街」というのも実際に古代にそういう名前だったわけではなく、メディア受けするように現代に付けられた名前なわけで、なんでこの発見入れたん…? という微妙感がある。

毎年、TOP10には一つはエジプトが入っているが、エジプトで選ぶにしても、これじなゃなくていいと思った。


◆World’s First Artists

これもタイトルがミスリード。世界で最初の芸術家が誰だったのかはわからない。ただ、今見つかっている最も古い証拠、という観点があるだけ。
今までに見つかっている中でも最古級の岩絵が見つかったという話。推定年代が最も古ければ22万年前ごろとなり、しかも場所がチベットなので、現生人類ではなく、デニソワ人かネアンデルタールだろうと考えられている。なお、デニソワ人やネアンデルタールが芸術的なものを作っていた証拠は過去に見つかっている。

※なお、中国から発表される考古学発見は年代が古く見積もられていることが多く、後から大幅な訂正が入っていることも少なくはないので、この件もちょっと様子見なのでは…? と個人的に思っている。


◆Earliest Leatherworkers

モロッコの洞窟から見つかった、大量の「皮なめし」道具。17年前にはもう、人類は皮なめしによって衣類を作っていただろう、という研究の根拠となる発見。


◆The First Americans

これも年代がまだ議論されているもの。アメリカ大陸に最初に到達した人類のものと思われる足跡が泥の化石として見つかったが、年代が2万3000年前と従来説よりだいぶ古く、疑問を呈している学者さんもいる。
これについては別に記事を書いてあるので、そちらを参照。


◆Oldest Animal Art

アラビア半島北部で見つかったラクダやロバの岩絵の年代が、紀元前5千年より遡るものだったことが判明。実物大の動物の壁画としては世界最古、という触れ込みだけど、なぜ「実物大」にこだわるのかはよくわからない。
ラスコーとかは実物大じゃないから比較しなくていい、ってことなのか。ただ、この地域での岩絵としては確かに古く、珍しい発見ではある。当時は気候的にアラビア半島に緑があったはずの時代。(同時期のサハラにも動物の岩絵がある)


◆Bronze Age Map

フランスのブルターニュ地方から過去に見つかっていた、謎の図の描かれたいた岩。紀元前2000年~1600年くらいの青銅器時代のもので、描かれているのは地図だろうという話。新規の発見ではないが、新解釈が出たので今年の発見に入れたってことらしい。


◆Rare Boundary Marker

下水道工事によって見つかった、古代ローマの時代の聖域の境界線を示す境界石。この手のものはあまり見つかっていないらしい。
今回のものは紀元後49年のものだそうだ。


◆When the Vikings Crossed the Atlantic

ヴァイキングがニューファンドランド島に入植した年代が、考古学的な証拠として木の年輪を数えて確定されたという。
ただし年代は今まで古典文学などの研究から出されていたものと同一。これは発見としてというより、現代の年代特定の技術がすごいなって感じの話だと思う。
これも別記事に書いた


◆Crusader Mass Grave

十字軍時代、シドンの街を守っていたキリスト教徒の兵士たちの集団墓地が見つかったという話。
この兵士たちはイスラム教徒との戦いで命を落としただろう、という。


◆Slave Tag

19世紀、アメリカ南部で使われていた奴隷用のタグが見つかった、という話。このタグはチャールストンに特有の品だったそうで、現代では多くが個人コレクターの手にあって研究出来ないという。


以上。

なんか、なんで選ばれたのかよくわからんな…という感じのがぽつぽつあった。中南米とか入れないんだ? みたいなのもあったり。
あと、今年はアジア圏のほうが面白い研究多かった気がするんだけどな。コロナ禍で、発掘や調査をまともに出来てた地域が偏ってたのもあるかもしれない。