人類の系統樹にまた一つ名前が増えた。ホモ・ボドエンシス登場にまつわるあれこれ

このニュースは、何か新しい発見があったというよりも、今までの発見を整理し直した結果、化石の分類が妥当ではない可能性が高まったため再分類し直します! という話である。まだ各学者間のコンセンサスが取れているわけではなく、提案として出てきている話なので、今後どうなるかは分からない。専門家同士の殴り合いを遠くから見守ろう。

Meet Homo bodoensis: Newly named species deepens understanding of human ancestry, researchers say
https://www.theglobeandmail.com/canada/article-new-species-homo-bodoensis-proposed-to-explain-human-descent/

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Newly named human species may be the direct ancestor of modern humans
https://www.livescience.com/new-human-species-named-bodoensis


Experts Name New Species Of Human Ancestor
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2021/10/experts-name-new-species-of-human.html



●ここまでに起きていた問題

現生人類 ホモ・サピエンスとネアンデルタールの直接の祖先は、ホモ・ハイデルベルゲンシスとされていた。
しかし、DNAを分析するなど詳細の確認をする中で、今までホモ・ハイデルベルゲンシスだと思っていた化石の多くが実はネアンデルタールだったことが判明した。
つまり、ホモ・ハイデルベルゲンシスという種族名が妥当なものかどうかが微妙になってきている。


●提案された内容

中期更新世(チバニアン。77万4,000~12万9,000年前)の人類に対して、アフリカのエチオピアで発見された化石を代表サンプルとして、「Homo bodoensis」という種族名を設定。
現生人類 ホモ・サピエンスの直接の祖先とする。

ホモ・ハイデルベルゲンシスの扱いをどうするかは未定。
また、ホモ・ハイデルベルゲンシスの一種とされてきたホモ・ローデシエンシスについても、名前が残るのかどうか不明。


というわけで、今までの化石の分類方法と種族名の設定が実態とそぐわないものになってきているため、再分類し直し、種族名の設定を変更したい、という話なのである。

なぜこんなことになったのかというと、今までは骨の形状からしか種族名を分類できなかったからなのだ。「なんとなく形からしてxx人かな~」という感じでやってたのだが、現生人類を見ても分かるとおり、人間には個性というものがある。彫りの深い人、平たい顔の人、丸顔の人、四角い顔の人。果たしてその形状は種族全体の特徴なのか、個性の範囲なのか。また、姿かたちはある日とつぜん変わるものではないので、時代の境目には、その次代を挟む二つの種族のどちらに所属するのかわからないような姿の人もいるだろう。

そうした分類の分かりづらい化石を全部まとめて放り込んだものが「ホモ・ハイデルベルゲンシス」になってしまっているのが現状だという。
なお、現代では古い骨でもDNAを分析することが出来るため、見た目で区別がつかなくてもDNAから「xx人」というのが分かるようになっているのだ。

議論はこれから続くだろうが、眺めている限り、この研究チームは「ホモ・ハイデルベルゲンシス」や「ホモ・ローデシエンシス」の名称は残して、「ホモ・ボドエンシス」などの新しい種族名を設定して分類し直す方向にしたいようだ。というわけで、「ホモ・ボドエンシス」が新しい種族名として定着するかどうかもまだ未定。

今後の動きを注目しておきたい。