【ケロッ★】古代エジプト→コプト教へのカエル信仰の変遷について

ダクラ・オアシスのローマ支配時代のミイラを眺めていたら、男性がカエルの護符を持って埋葬されている事例があって、「ん?」と思った件。
もともと、カエルは多産の象徴で、女性や妊婦の守り神。カエルの女神ヘケトは妊婦の守護神で、人間創造の神クヌムの伴侶とされている。カエルの護符といえば女性のもの、というのが古代エジプトの定番だった。

だが、よく調べてみると、プトレマイオス朝時代以降は意味が変化し、「冬眠から目覚める」「オタマジャクシから成長して姿が変わる」=再生・復活の象徴、死からの変容、という意味を持つ象徴になっていったらしいのだ。

*これが古代エジプトでおなじみヘケト女神。
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https://jguaa.journals.ekb.eg/article_2800_403dfdefe3fc7a9f2856535f8e290e70.pdf

*グレコ・ローマン時代のカエルの使われ方(オイルランプにカエルの意匠を作っている)
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コプト時代によく見かけるカエルモチーフ、意味が変わってるんだとすれば、日常のあちこちに出てくるのも納得。
コプト教=初期キリスト教で、キリスト教は「イエスが復活した」というのを契機として展開されるようになった(当時の)新興宗教なので。再生・復活のシンボルは彼らにとって重要だったんだろうな。

ミイラとして埋葬する際にも、ミイラ=復活のために肉体を保存する行為、なので、そりゃ再生のシンボルであるカエルの護符は持っていきますやね。


というわけで謎は解けたのだが、冬眠からの復活が重要だったとすれば、ほかの冬眠する動物はどうだったんだろう? というのが、ちょっと気になっている。