「ラッコを守れ」が海のバランスを壊してしまう? 人間も自然環境の一部だから…

かつてカナダの先住民が海の資源を適切に管理していたのに、現代の保護法が台無しにしてしまったのでは、という研究が上がっていた。
自然保護団体がうっさい地域だとなかなか出てこなさそうな研究だけど、ここはいいのか。

Humans Managed Shellfish And Their Predators For Millennia In British Columbia
https://archaeologynewsnetwork.blogspot.com/2021/08/humans-managed-shellfish-and-their.html

カナダのブリティッシュ・コロンビア沿岸で、過去に先住民が海を管理していたことを示すデータが得られたという研究。
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概要を説明すると、

・ラッコは貝を食べる
・18-19世紀に毛皮のためにラッコを乱獲しすぎて保護されるようになった
・そのせいで大きな貝が激減、先住民は保護法のせいでラッコを狩れない
・過去の海の状況を調べると、ラッコは絶滅せず、大きな貝が一定数いる丁度いい状態だった

→先住民が適当にラッコを減らして海の資源を管理していたのでは。

という話だ。

保護した動物が逆に増えすぎて害を及ぼす、という例は、実は他にも結構ある。
日本だと、トキや、一部の渡り鳥などがわかり易い例かと思う。田んぼを食い荒らしてしまうので、保護と引き換えに農家に補填しないといけなくなっている。

そもそも、乱獲か保護かの二者択一というやり方が大雑把すぎるのだと思う。
人間も生態系の一部なわけで、人間の行動だけ制限するというのは、自然に反しているとも言える。ラッコが想定以上に増えすぎて貝に対する食害が大きくなるなんていうのは本末転倒。クジラを保護したらオキアミが食われすぎて生態系が壊れた、なんて話も聞いたことがあるが、それと同じである。
オーストラリアなんかは、保護した挙げ句に増えすぎたからって定期的にコアラを殺処分していたりする。かつてアボリジニしか住んでいなかった頃は、そんなことしなくても生態系は維持できていたにも関わらず。

人間は本当は、もうちょっと賢い生き物だと思うんだ。いや、本来出来ていたのだから、確かに賢い生き物だと思うのだ。
よそから来た新参者が頭ごなしに制限を決めるのじゃなくて、その土地に昔から住んでる人たちの知ってる知識を活かせる方向で考えたいよね…。