「アルパカとロバの抗体」の意味が分からなかったのでとりあえず調べてみた。

元のニュース

アルパカとロバの抗体をコロナ治療薬に 南米で研究
https://www.afpbb.com/articles/-/3357131

11234.PNG

例によってこれでは何もわからん。
というわけで自分で調べに行ってきた。南米だし詳しい情報があるならスペイン語だろとアタリをつけて…

Anticuerpos de alpacas y burros, una pista terapéutica contra el covid-19
https://www.france24.com/es/minuto-a-minuto/20210716-anticuerpos-de-alpacas-y-burros-una-pista-terap%C3%A9utica-contra-el-covid-19

分かったこと

・南米はCovid-19患者が多いがワクチンや薬が高くてなかなか買えない
・この研究が行われているのは自国で有効な薬を生産したいため
・アルパカで研究しているのはチリ・オーストラル大学(La Universidad Austral de Chile)、ロバで研究しているのはボリビアの国立衛生研究所(Inlasa)

アルパカについては、論文が出ていて、ある程度の見当はついた。
ラクダ科の動物は特殊な抗体を持っているため、これを利用出来ないかという研究が行われているらしい。今回は、その抗体にCovid-19を人為的に感染させ、そこから血清を作れないかという話なのだ。

An alpaca nanobody neutralizes SARS-CoV-2 by blocking receptor interaction
https://www.nature.com/articles/s41467-020-18174-5

アルパカが持つ不思議な抗体の魅力
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9604/9604_index.pdf


一方、ロバのほうは臨床実験や論文掲載まではまだ実施されていない。「飛ばし記事」の一種というか、「こういう研究もやってますよ!」アピールに近い気がするのだが、Inlasaにはプレスリリースが出ていた。

La Paz: avanzan pruebas del suero anti-COVID con plasma de burros
https://www.inlasa.gob.bo/2021/05/la-paz-avanzan-pruebas-del-suero-anti-covid-con-plasma-de-burros/

ロバを使っている理由は特になそうな書き方だから、おそらく二次抗体を作れる動物なら何でもよかったんだと思う。
ロバの体内で抗体を作らせて、それを初期のコロナ患者に投与する「血清」として使いたい、とのこと。ワクチンではなく血清なんだと判ると、なるほどそれなら別にヒツジでもウサギでもロバでもいいわな、とわかる。


これらの薬はあくまで国内用で、グローバルに出回ることはあまり無さそうだが、各国とも、自国内でなんとか薬を確保しようと試行錯誤しているのが興味深い。つい先日、エジプトさんも中国の支援を得て国内でワクチン生産開始するってニュースが出ていたし。

Egypt Produces First COVID-19 Vaccine Batch Made in Egypt
https://egyptianstreets.com/2021/07/06/egypt-produces-first-covid-19-vaccine-batch-made-in-egypt/

新型コロナに対する政策・対策は各国とも様々。よそからワクチンを買うのか、自国内で生産するのか。ワクチンを開発するのか、治療薬を開発するのか。といった部分でも差異がある。
これぞ生存戦略の多様性である。追い詰められた時にみせる足掻きこそ人類の一番強いところ。
使い物になるのか、効果が出るのかは分からないが、こんな取り組みをしてる国もあるんだよということで。


・おまけ
コロナ対策での各国の対応がバラバラなのは、実は生物として正しい…という話。
https://55096962.at.webry.info/202101/article_1.html