ナイルデルタから発見の遺跡、先王朝時代の墓も入ってた。

ナイル川下流のデルタ地帯東部で発掘されていた遺跡、先王朝時代のマアディ=ブト文化まで遡りそう、という話。
約6000年前まで遡るエジプトの歴史の最初期にあたる時代の墓がまだ残ってたということになるので、貴重なものかと思う。

Photos: 110 archaeological tombs discovered in Kom al-Khaljan area near Daqahliya
https://egyptindependent.com/photos-110-archaeological-tombs-discovered-in-kom-al-khaljan-area-near-daqahliya/

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In Photos: Ancient tombs and prehistoric burials found in Nile Delta
https://english.ahram.org.eg/NewsContentP/9/410090/Heritage/In-Photos-Ancient-tombs-and-prehistoric-burials-fo.aspx

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場所はこのへん。
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記事内で「boto culture」と出てきているのは、マーディ=ブト文化のブトの部分だと思う。(古代の都市ブトの名前からとられている)
過去の記事を辿ってみると、どうやら10年以上前には既に発掘調査はしていた模様。

ナイルデルタでナカダⅢc2期(王朝統一直後くらい)の墓が見つかる。
https://55096962.at.webry.info/201507/article_13.html

↑の記事にエジプトの先王朝時代の年表ものっけているので参照。

エジプトは元々、ナイル上流の「上エジプト」、ナイル下流の「下エジプト」で文化様式が異なり、下エジプトのオリジナルはマアディ文化、ブト文化なのだが、やがて上流から広がって来るナカダ文化によって統一されていく。
これはナカダ文化を持つ勢力によるエジプト統一=初期王朝成立 の動きと連動していると考えられている。

今回の発見がブト文化のⅠ、Ⅱ期ということなら、ナイルデルタに人が住み始めた最初期のものになるはずだ。
屈葬の骨がまさにそのあたりの時代の埋葬様式で、この時代はまだミイラ化技術も発達しておらずず、立派な棺を作る習慣もなく、庶民は埋めるだけの埋葬なのでこの状態になる。また文字も成立していないので、巻物のようなものも出てこない。遺物もシリア・パレスティナの影響が強い。


ただしこの遺跡からは、古いものだけでなく第二中間期のヒクソス支配時代の墓も見つかっているという。
出て来てるスカラベとかは第二中間期のものじゃない? なんか写真混ざってない…かな…。ちょっとそこが気になった。

あと最近の記事だとこんなんもありましたね。
昔はナイルデルタの遺跡はなかなか出て来なかったんだけど、最近はちょくちょく見つかってるみたいで嬉しい。というか多分、都市開発が進んで手付かずの土地まで掘り返されるようになったのも原因でしょうけど。

ピラミッド以前の黎明期、ナカダ期の遺跡がナイルデルタで見つかる
https://55096962.at.webry.info/202002/article_10.html

あとオマケ

世界最古級の鉄利用:古代エジプト5千年前の鉄製ビーズを調べてみた。
https://55096962.at.webry.info/201606/article_25.html