皆、それが知りたかった。「ハトはなぜ首を振って歩くのか」

こ、こんな本のタイトルずるい…ホイホイされてしまう…!

というわけでホイホイされて読んでみた。「ハトはなぜ首を振って歩くのか」。タイトルどおりそのまんまな内容で、鳥の身体の仕組みや習性、種による首の振り方や理由など盛りだくさんな奥の深い世界をじっくり楽しめる本である。

岩波科学ライブラリー ハトはなぜ首を振って歩くのか - 藤田 祐樹
岩波科学ライブラリー ハトはなぜ首を振って歩くのか - 藤田 祐樹

結論から言うと、あれは歩いている時に見えている世界を動かさないためである、という。
鳥類は眼球を動かしにくい。そして体が小さい。歩くと体が前後運動をしてしまうので、視界も大きく前後に動いてしまう。これだと近くが見えづらい。なので、歩くのに合わせて頭をふることで、見えている世界が揺れ動かないように調整しているのだという。

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これは、判ってしまえば「おおう…なるほど…」である。
ちなみに同じく首をふって歩くニワトリは、身体をつかんで揺さぶると、身体の動きと反対になるように首がぐにぐに動くんだそうだ。言われてみると確かに。

で、どうもこれは、足元の餌を探しながら歩くなど、近くを見ることが多い鳥に特徴的な動きらしい。遠くの餌を見ている鳥は、首を振って歩かない。というか、そもそもスズメのように、あまり歩かずに両足揃えてぴょんぴょんする鳥もいる。鳥の歩き方や、ふだんどこを見ているかによって首の降り方が変わって来るというのだから実に研究のし甲斐がありそうな話である。ガッテンボタンを殴りながらたいそう面白く読めるが、こういうの研究してる人たちって毎日鳥の観察するの大変だっただろうな…って思う。

あと、首振り運動は視覚情報によって引き起こされるので、風景が変わらず足元の床だけベルトコンベア式で動く装置に入れると、鳩は首ふらずに歩けるんだそうな。見えてる風景がブレブレにならないなら、鳩だって首を振らないのだ。

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それと面白いなと思ったのは、祖先である恐竜が首を振ったのかどうか、という問題提起だ。
恐竜も、眼球が固定されてて動きが少なかったとすれば、歩く時に首を振っていた可能性はある、という。足元の昆虫なんかを探して食べてた小型の恐竜とか、もしかしたらハトみたいな歩き方をしていたかもしれず、それはとても夢が広がる想像である。ぜったい見た目かわいい。とはいえ、今の段階では想像に過ぎないのだけれど。



この本は、ほんの些細な疑問でも、それが解かれるまでには多くの学者のたくさんの研究が積み重なっているのだよなあ、ということを改めて知らしめてくれた。「ハトはなんであんな歩き方する?」誰かがこの疑問を口にした時は是非、ソッとこれを差し出してあげてください。