ツタンカーメン墓から出た遺物のうち、世の中に出てこないものは今どうなっているかというと

ツタンカーメン墓から出た副葬品はかつてカイロ博物館の目玉展示物だったが、老朽化の進む同博物館から新しく建設中の大エジプト博物館のほうに移転作業が進んでいる。
で、移転先で100年以上ぶりに修復や再調査が行われているのだが、中にはどうしようもなく劣化してしまって、発掘当時の面影がギリギリ残っているかいないか、みたいな状態のものもある…。

最近、遺物の写真集が発売されたが、掲載されているのはごく一部で、ぶっちゃけ、保存状態がよく修復が早く終わった運のよかったものだけ、になっている。

ツタン様遺物写真集「ツタンカーメン 黄金の秘宝」
https://55096962.at.webry.info/202010/article_11.html

では状態の悪いものはどうかというと、こんな感じだ。

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https://www.smithsonianmag.com/travel/grand-egyptian-museum-next-big-thing-180961333/
※この記事の当時はまだ、2018年にプレ開館をする予定だった。2021年現在、予定は遅れに遅れて、結局プレ開館なしに今年か来年あたりに開館したいらしい

うん、まあ、「何これ・・・・・・」としか言いようのない、今にも崩れ落ちそうな塊なんだが、これ実はサンダルなんだよね。
発掘当時の写真からすると、たぶん、このへんの皮サンダルじゃないかなと。

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http://www.griffith.ox.ac.uk/gri/carter/HomePage.html

しかしあまりにも原型が無くなってしまっているし、管理用の番号ですらもはや読み取れない。あまりに保存が杜撰だったがゆえである。エジプトはたくさん遺物を発掘しまくっているが、今まで管理が適当すぎて、掘り出さないほうがマシだった状態になってしまった遺物は少なくない。それでも、紛失してしまったものも多いので、残ってるだけ幸運とも言える。

なお、遺物リストの中でたまにメモ書きだけあって写真がないものは、状態が悪くて保存せずに捨てられた可能性がある。
(発見した時点で腐っていた布などはそのまま破棄されている。)


発見されたものの、世の中に出てこない遺物は多い。
ツタンカーメン墓から出て来たものは、必ずしも金キラキラの美しい遺物ばかりではない。

保管、保存は地味な作業だがとても大切なんである。裏方として修復作業にたずさわっている人たちの苦労をたまには労わりたい。そして考古学っていうのは掘ったら終わりなんじゃなく、記録、整理から始まる一連の「その後」こそ大事なのだと改めて強調しておきたい。…宝探しじゃないんですよ? 本当はね??


//掘ったら掘ったまんま箱詰めして倉庫に放置するってのは
//ソース書いたもんの仕様書残さないプログラムを動かしたまんまにするようなもん
//ドキュメント管理はどこの業界でも大事だぞ