やっぱり荒れた北アイルランド。相次ぐ暴動と特殊な経済圏の設定

ここのところ、北アイルランドのベルファストが騒がしい。

悪い予感が当たっちゃったなあ…という感じではあるのだが、事前に予測していた、北アイルランド独立派ではなく、反対の北アイルランドはイギリス領だ派が暴れているようなのである。どうしてそうなったのかというと、イギリスさんがEU離脱時に結んだ協定と関係しているのだが…

その情報を整理しておきたい。

北アイルランドで連日暴動、10日間で警官70人以上が負傷
https://www.bbc.com/japanese/56685859

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前回記事 ※この時点ではまだ2019年に離脱の予定だった。

イギリスさん、EU離脱へのカウントダウン。Brexitで争点となっている「北アイルランド問題」とは
https://55096962.at.webry.info/201909/article_3.html

ざっくり言うと、アイルランドのある島の北の端っこはUKで、それ以外の部分がアイルランド。
かつて北アイルランドとアイルランドの間に国境があった時代には、北アイルランドはアイルランドだとする派とイギリス領だとする派が対立し、暴動が相次いでいた。

しかしベルファスト合意によって北アイルランドは正式にイギリス領とされ、加えてイギリス、北アイルランド、がEUという同一経済圏に属する時代になり国境が実質ないにも等しくなったため、暴動は消滅。相変わらずイギリス系住民とアイルランド系住民の仲は悪いままだったが、それなりに平和な時代が数十年続いていた。

そこに今回の、イギリスさんのEU離脱で、国境が復活しそうになっていたのである。

しかし北アイルランドとアイルランドの間に明確な国境線を作るのは難しかった。物理的に壁を作れる状況ではないし、まず物流の取り締まりも出来ない。

そこでひねり出したのが、「関税をかける部分はアイリッシュ海」という処置だ。
つまり北アイルランドは、実質、EU経済圏にとどまっているわけである。


めんどくさくない人は以下を読んで欲しい。さすがジェトロわかりやすい。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/europe/uk/referendum/brexit_theme_20201222.pdf

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要するに、経済特区みたいな感じになっているのだ。

EUから入って来る品は北アイルランド内で消費されるのであれば関税なし。
逆にイギリスから入ってくる品もアイルランド内で消費されるのであれば関税なし。

しかしこれだと、イギリスと北アイルランドの間に国境があり、北アイルランドはアイルランドに属しているようにも見えてしまう。実際、現地では、北アイルランドが将来的にアイルランドに再統合されてしまう懸念が強まっているのだと思う。

だから、北アイルランドに住む親イギリス派は「アイリッシュ海の国境はだめだ!」と叫び、暴れているのだ。

…いや、暴れたからってどうにもならんと思うんだけど。
あと暴れてる若者たち、ベルファスト合意の時代にはまだ生まれていないか、物心ついていないのでは。EU離脱の議論の時にどっち側についてたのかも気になる。


そんなわけでイギリスさん、EU離脱後も前途多難な模様。スコットランドさんもEUに残留したいと言ってるし(その場合はハドリアヌスの長城が復活する…?!)
エリザベス女王の時代もいつまで続くか分からないし、これから試練の時代を迎えるのかもしれんですね。