中央アジアで生まれた記号「タムガ」についての覚書き

ちょっとアジアの遊牧民の遺跡を調べていたら、「石にタムガが刻まれているものがある」という記述が出て来て、なんぞやと思ってちょっと調べてみた。これは個人や家系などを示すシンボルのことで、現在でも遊牧民が家畜の所有権を示すために家畜の耳に刻んだり、身体につける焼き印としていたりするらしい。

起源についてははっきりしていないが、今のところ初期鉄器時代、紀元前7~3世紀のタスモラ文化に起源がありそうだという、
タスモラ文化はカザフスタンにサカ人が居た頃の文化のようだが、タムガが使われている場所は現在ではトルコやら中国北部やらロシアやら、広範囲に散らばっている。どうも後世にモンゴル帝国が広めたものまでタムガと呼ばれているようで、形状で時代のアタリをつけないといけなさそう。

いくつかサンプルが載っているサイトもあったのだが、これは分類しようとするだけで泣きそう…。

http://s155239215.onlinehome.us/turkic/30_Writing/301Tamgas/OlhovskyTamgaEn.htm

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ただ、見て分かるとおりこれは「文字」ではない。 文章を表すことは出来ず、家畜の所有や自らの所属を表す「シンボル」である。
(そもそもタムガという言葉自体が印章やシンボルを意味するモンゴル語から来ている)

遊牧民の使う文字としては、タムガとは別に突厥文字とか突厥ルーニックとか呼ばれるものがある。
紛らわしいことにタムガの中にも突厥文字に似た形状のものがあるのだが、文章を書いてあるか単品になっているかで区別はつく。また、突厥文字は文字なので勝手に増えないし、今となっては使われていないが、タムガは今も現役で、家畜の印として新しく生み出されることもあるだろう。

それにしてもこれ、研究が大変そうなジャンルだなと思った。使われている時代も範囲も広い上に、家畜の表面に刻まれたものは物証として残らない。古い時代に使われていたものは、石に刻まれたものしか残っていないわけだし。あまり研究のボリュームがないのも、全体を俯瞰した分かりやすい資料がないのも、そのへんが関係しているのかな…と、ちょっと思った。

あとググってるうちにロシア語がたくさん出て来るのも泣ける。(ぜんぜんわからん