地理的な「メソポタミア」の定義が分かりづらい…調べてみたらトルコまで入ってた件について

なんか本によってメソポタミアの定義がえらい広いな…時代によるのかな…と思ってちょっと調べてみたんだけど、現代の考古学における「メソポタミア」の定義が思ってたより広かった。

★みんなが想像しやすい代表的な「メソポタミア」

バクダット以南の、チグリス川とユーフラテス川が海に向かって合流していくところ。
しかし実はこの範囲は半分でしかない。

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★考古学で使われている地理用語としてのメソポタミア

チグリス川とユーフラテス川の源流であるタウルス山脈から。
つまりトルコ南部から。シリアは入るだろうなと思ってたけど、実はその北からメソポタミアとして扱われていた件…。いやまあ確かに、「川のここから下流がメソポタミアな」と切るのは無理だろうし、その場合、上流の扱いが微妙な感じになってしまうんで分からなくも無いんだけど。

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Taurus-gebirge_new.jpg

タウルス山脈はこんなところ
https://www.wikiwand.com/es/Montes_Tauro


しかし逆に言えば、川沿いじゃないところはメソポタミアではない、という意味でもある。
たとえば「ギルガメシュ叙事詩」でギルガメシュたちが向かう杉の森=自分たちの世界の外側は、現在のレバノンにあたる。ここは「メソポタミア世界の外」。現在の国境はあまり気にせず、川沿いは水源から海にそそぐとこまで全部一つながり、という扱いなので逆にエジプトより分かりやすいなと思った。

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エジプトの場合は、古代の国境と現在の国境がだいたい一致していることと、ナイル川がちょっと長すぎることもあって、アスワン以南は別文化圏になっている。源流がアフリカ内部だしね…。

というわけで、地理的な定義のメソポタミアの出発的は、雪の降り積もる高い山脈の連なる場所。
古代人の自覚していた世界とは別の定義として、現代用語としてはトルコ南部から河口までの地域が、メソポタミアとして登場する可能性があることは覚えておきたい。


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あとオマケ

メソポタミア=シュメール ではない。シュメール、アッカド、アッシリア、バビロニア、違いをまとめた。
https://55096962.at.webry.info/201506/article_12.html