ロンドンの自然史博物館に保存されていた「謎のカミキリムシ」、古代に絶滅した種と判明する

1970年代に寄贈されたものの種が特定できず、謎のままだったカミキリムシの標本、まさかの4,000年前のものだったことが判明。
昆虫標本っていうか実は「昆虫ミイラ」でした! …いや、こんなこと…あるんだ…。

Perfectly preserved 4,000-year-old beetles uncovered
https://www.nhm.ac.uk/discover/news/2021/january/perfectly-preserved-ancient-beetles-uncovered.html

※リンク先にはガッツリ昆虫の拡大写真が出て来るぞ

oak-capricorn-beetles-two-column.jpg.thumb.768.768.jpg

問題となった標本はこちら。木材の中から見つかったものだそうで、発見した農家の人から木と一緒に寄贈されたという。
種類は The oak capricorn beetles (Cerambyx) の仲間で、これは画像検索するとよく似た現在生きているカミキリムシが出て来る。しかしこの種は暖かいところにしか住まないはずで、なぜイギリスで見つかったのかが分からなかった。

だが、ヒントはこの木材が見つかった場所が泥炭地だったところにあった。低温で、泥によって密閉される沼地では、しばしば沈められたものが天然ミイラになって発見される。「ボッグマン」として知られる、低緯度地方で見つかるミイラがそうだ。
もしかしてこれ、今の時代のものではないのでは? 誰かがきっとそう思ったのだろう。サンプルを採って放射性炭素年代測定をやってみたようだ。すると驚きの結果が…なんと約四千年前のものと判明したのだ。

四千年前、つまり青銅器時代。
イギリスはその頃ちょうどビーカー文化が流入し、石器時代が終わろうとしていたはずだ。このカミキリムシたちは現在のイギリスのいかなる種でもなく、「かつて」ブリテン島に存在していた、おそらく固有種の、そして気候の寒冷化によって絶滅してしまった種だったのだ。

このカミキリムシが棲息出来たということは、当時はおそらく今より暖かかったはずだという。昆虫から推測される古代の気候。

ちなみに日本の場合、縄文時代の海進は六千年前くらいまでということになっているので、四千年前だとそれほど暖かくなかったと思う。もしかしたらこのカミキリムシ、絶滅直前の最後の世代だったりしたのかもしれない。